Text by CINRA編集部
テレビアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』が再アニメ化。新たな声優キャスト、スタッフ陣が話題となっている。
2012年から公開された実写映画版もヒットした『るろうに剣心』。テレビアニメ版は1996年から1998年に放送され、お茶の間でも人気を博した。今回の新たなテレビアニメ版では、最新のアニメーション技術で原作を第1話から再構築し、現在のアニメファンにもアピールできる作品を目指すという。2023年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」ほかで放送される予定だ。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』キャラクタービジュアル ©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会
制作スタッフには、監督として『ストライク・ザ・ブラッド』の山本秀世、シリーズ構成として『メイドインアビス』の倉田英之、キャラクターデザインとして『輪るピングドラム』の西位輝実、劇中音楽は数々のドラマ作品を手掛けてきた髙見優が担当する。アニメーション制作はライデンフィルム。原作者の和月伸宏自ら、キャラクターデザインやシナリオなど全編にわたって完全監修するとのこと。
声優陣も一新。主人公・緋村剣心役を斉藤壮馬、神谷薫役を高橋李依が演じる。9月24日に公開された第1弾PVでは、剣心を追い詰める薫のセリフに加えて、剣心の「おろ?」というセリフも確認できる。
1996年から1998年に放送されたテレビアニメ版では、緋村剣心役を元宝塚歌劇団月組トップスターの涼風真世が演じ、神谷薫役の女優の藤谷美紀が演じていた。
またアニメーション制作はスタジオぎゃろっぷ、途中からスタジオディーンが担当していた。
根強いファンが多い作品だけに、新たな声優陣に対する期待や、イメージが変わってしまうかもしれないという不安の声もネット上では散見される。原作者・和月伸宏はキャストスタッフについて下記のようにコメント。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』がまさかまさかの再アニメ化となりました。
四半世紀の時を経ての新作というコトもあり、今作は信頼できる新スタッフと忖度一切なしのガチ選考で選ばれた実力派新キャストでの制作となります。
先日、第一回アフレコに参加しましたが文句無しの赤丸花丸太鼓判。
「ここは一つ、原作者も新原作者にすれば更に素晴らしくなるのでは?」と思う程の出来映えでした。
るろうに剣心はこれまで漫画、アニメ、OVA、ゲーム、小説、実写映画と様々な形で描かれてきましたが、自分としてはそれら全てがマルチバースに存在する紛うことなき本物だと考えています。
この本物達に新たに加わる新作アニメ、るろうに剣心を永く愛し続けてくれる人にも今この瞬間興味を持ってくれた人にも楽しめる作品になると思いますので是非是非御覧下さい。
- 和月伸宏のコメントより大役に挑む斉藤壮馬は1991年生まれの31歳。アニメ『ピアノの森』の一ノ瀬海役、『アイドリッシュセブン』の九条天役、『ヒプノシスマイク』の夢野幻太郎役などで知られる。出演が決まった心境については下記のようにコメント。
子供のころからずっと親しんできた『るろうに剣心』に、剣心その人の声を担当する役者として出演させていただけるなんて、本当に夢のようです。
同時に、これだけ多くの方に長い間愛されている作品に関わるという責任の重さも感じております。
一言ひとことに誠意を込め、全力で臨む所存です。 - 斉藤壮馬のコメントよりすでに収録もスタートしており、下記のようにその手応えを明かしている。
先日ついに1話のアフレコが行われましたが、様々な方向性を試しながらの収録で、ここから始まってゆくのだなと覚悟を新たにしました。
チームの皆さまと一緒に剣心像を作ってゆければと思っています。何卒よろしくお願いいたします!
- 斉藤壮馬のコメントより『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第1弾PVより ©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会
神谷薫に挑む高橋李依は、声優ユニット「イヤホンズ」のメンバーとしても知られる。これまでに『魔法つかいプリキュア!』の朝日奈みらい役や『からかい上手の高木さん』の高木さん役、『ゆるキャン△』の斉藤恵那役などを演じてきた。
出演が決まったときの心境について高橋は下記のようにコメント。
とにかく驚きました。たくさん考え、今の全力で挑んだオーディションではありましたが、受かったという言葉の意味がわからなくなるほど驚きました。
先日PVなどの収録があり、段々と実感が湧いてきていますが、ドッキリでしたと言われたら信じてしまいそうです。
- 高橋李依のコメントより出演に向けた意気込みとして、下記のコメントを発表している。
たくさんの方に愛され続け、たくさんの方法で届けられてきた作品。
偶然にも連載年と同い年の私も、長きに渡るメディア展開の中で、今作に出会いました。
ご自身の人生が変わるきっかけだったという方から、まだ出会ったことのない方まで楽しんでいただけますように。
しっかりと時間をかけて、大切に、薫ちゃんと向き合って参ります。
どうか、あたたかい応援のほどよろしくお願いいたします。
- 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第1弾PVより ©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会
前回のテレビアニメ版で主題歌も人気を博していた。オープニングテーマ曲は、JUDY AND MARY“そばかす”、川本真琴“1/2”、CURIO“君に触れるだけで”、エンディングテーマ曲はTHE YELLOW MONKEY“Tactics”、涼風真世“涙は知っている”、T.M.Revolution“HEART OF SWORD ~夜明け前~”、L'Arc~en~Ciel“the Fourth Avenue Café”、BONNIE PINK“It's gonna rain!”、SIAM SHADE“1/3の純情な感情”、和泉容“ダメ!”など。現在でも人気の楽曲ばかりだ。今回の新アニメ版ではどんなアーティストと楽曲が起用されるのか、続報を待ちたい。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は1994年から1999年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載。全世界でのコミックスの発行部数は7,200万部を突破しているという。明治時代の日本を舞台に、「人斬り抜刀斎」として幕末に恐れられたが、現在は「不殺」を誓った剣客・緋村剣心の戦いを描く。
連載終了後の2012年から2013年かけて、実写映画化の影響もあり、セルフリメイク作品『るろうに剣心 -キネマ版-』を『ジャンプSQ.』で連載。ほかにもスピンオフ作品が複数発表されている。
2017年から続編にあたる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』を『ジャンプSQ.』で連載開始。同年11月に和月が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑(単純所持)で書類送検されたことを受けて休載となったが、2018年に連載を再開し、現在も連載中だ。