2022年09月26日 18:11 弁護士ドットコム
歩道を爆走している軽自動車。危険な運転の様子がつぶさに撮影された動画がツイッターに投稿され、注目を集めている。
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動画を投稿したユーザーによると、香川県高松市の国道11号線、野間西交差点付近で撮影されたという。動画では、軽自動車が赤信号で止まるのを嫌ってか、歩道を爆走し、赤信号を過ぎると再び車道に戻る様子がわかる。
歩行者と接触する可能性もあり、かなり危険な運転だが、どのような法的問題があるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。
ーーこうした歩道を自動車が走行する行為は、どのような法的問題がありますか。
動画を拝見しましたが、人がいなくて本当に良かったです。厳しく取り締まっていただきたいと思います。
考えるまでもなく、車が歩道を走るのはアウトです。しかし、完全に違反とすると、歩道を通らなければ入れないコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、駐車場などのお店にも入ることができなくなり不都合です。
そこで、道路交通法を確認しますと、17条(通行区分)にその記載があります。
道路交通法17条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第47条第3項若しくは第48条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。 2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
つまり、車は本来車道を走らなければなりませんが、例外として道路に面した場所(コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど)に出入りする際には、「直前で一時停止」「歩行者の通行を妨げない」ことが明文化されています。
ーー今回投稿された運転手の行為はどのような違反となりますか
動画に映っている車の運転手の行為は、道路外の施設または場所に出入りするためではないようです。また、歩道に入る直前で一時停止をしていないことから、明確な道路交通法違反であるといえます。
罰則としては、「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」とされており、「通行区分違反」にあたる可能性が高く、違反点数2、反則金9000円(普通車の場合)という処分になると考えられます。
ーー万が一、歩行者と接触した場合は、どのような罪に問われる可能性がありますか
仮に故意ではなく、全てが過失によるものとされれば、過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。この場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
ただ、今回のケースは、赤色信号をことさらに無視していますし、かつ相当高速で走行していることが映像から分かりますので、過失犯ではなく、危険運転致死傷罪に問われる可能性も検討されるかもしれません。
【編集部より】当初「通行帯違反」としていましたが、「通行区分違反」に修正しました。(9月26日22時)
【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。
事務所名:東京新生法律事務所
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