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煙が出ないタバコってアリ? ナシ? 話題の嗅ぎタバコ「スヌース」を全種類味わってみた

2022年09月26日 17:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
喫煙者には肩身が狭い世の中になってきたが、同時に、喫煙事情も多様化が進んでいる。



タバコ=紙巻タバコ一択だった時代と違い、今は加熱式タバコや電子タバコも充実。自分の好みやライフスタイルに合った喫煙スタイルを選べるようになってきた。市場を見れば加熱式タバコがメインストリームではあるが、TPOに合わせて紙巻タバコと加熱式タバコを使い分けている人もいるし、スタイルはまさに十人十色だ。



そんな中でにわかに注目を集めているのが「嗅ぎタバコ」である。長い歴史を持つタバコではあるが、「無煙タバコ」という特性がまさに今の時代にハマっているらしい。とはいえ、まだまだ「聞いたことはあるけど試したことはない」という人が多いのも事実である。



ということで、今回は話題の嗅ぎタバコ「SNUS(スヌース)」を全種類、一気に試してみることに。喫煙ライフに新たな風を吹かせてくれるのか、いざ実験!


■そもそも「嗅ぎタバコ」って?



嗅ぎタバコは、タバコ葉を細かく砕いて鼻腔内に吸い込むことでニコチンなどを摂取する無煙タバコの一種だ。



その歴史は古く、今から遡ること約400年。当時(17世紀)のフランスの宮廷では「パイプたばこ」が流行していたが、ルイ13世が「たばこの煙を鼻から出すのは下品だ」として煙を出すことを禁止。これに慌てた貴族たちが、粉になるまで砕いたタバコを指でつまんで鼻腔から吸い込み、香りなどを楽しむ鼻腔用の嗅ぎタバコ(スナッフ)を宮廷に持ち込んだ。これを機に嗅ぎタバコ文化が伸長し、ヨーロッパ諸国に拡がったと言われている。まさに喫煙者が煙たがられる現代ともリンクするようなエピソードである。



ちなみに、スヌースのような口腔用の嗅ぎタバコは、15世紀の前半にフィンランドから広がったとされているようだ。今ではアメリカやスウェーデン、ノルウェーなどを中心に楽しまれているが、日本ではまだマイナーな存在。今回試すスヌースは、18世紀の初期からスウェーデンで親しまれている、伝統的な嗅ぎタバコである。


スヌースの使用方法は至ってシンプルで、ポーションを上唇と歯茎の間に挟むだけ。そうすることで、唾液によってタバコ葉からニコチンが染み出し、胃からニコチンを吸収できるという流れである。加熱するわけではないので、タールなどはほとんど含まれない。説明書きによると、15~30分程度が取り替えの目安となるようだ。



実際のポーションの形はというと……こんな感じ。


タバコのいい香りが漂ってくる。試しに中を開けてみると……。


おお~、本当にタバコ葉が粉になっている。紙巻タバコや加熱式タバコにばかり慣れ親しんだ身からすると、これは新鮮である。それでは、実際に試してみよう。

■実際に嗅ぎタバコ「スヌース」を試してみた!


今回用意したのは、「スパイス・ストロング」「ディープ・メンソール・ストロング」「リッチ・ミディアム」「クールミント・ミディアム」「アップルミント・ライト」「バニラ・ライト」「抹茶ラテ・ライト」「梅・ライト」の全8種類。デザイン的にも、なんかカッコいい……!


まずはタバコらしい味わいが楽しめるという「リッチ・ミディアム」から試してみよう。こちらは蓋を開けた瞬間から、あのタバコ独特の芳醇な香りが漂ってくる。しかし、火を点けるのではなく、口の中にそのまま入れるって本当に新体験。慣れない手付きで上唇と歯茎の間にセットしてみると……


おおっ……こっ、これは……タバコだ。じわじわとタバコの風味というか、ロースト感のようなものが口全体に拡がっていく。少し甘みのようなものもあるかな。慣れないせいか少しピリピリ感を感じるが、タバコのあの苦さのようなものがちゃんと味わえている気がする。呼吸がちょっとタバコっぽい感じになるというか……。



もちろん、煙を吸引しているわけではないので、タバコを吸う感覚とは違うが、5分くらい味わってみるとどことなくタバコを吸ったときのような満足感というか、リラックス効果が得られる気がする。煙を吸うわけではないし、舌で味わうわけでもないので、かなり感覚的な話になってしまうが、煙を出さずに喫煙体験ができるなら、これは大いにアリでは?


続いては「スパイス・ストロング」。こちらはその名の通り、ピリッとした独特のスパイシーさが感じられる。タバコ感も強めで、しっかり大人味といった感じである。辛さの奥に少し柑橘系の爽やかな風味も見え隠れしているような……。うん、美味しい。


「ディープ・メンソール・ストロング」は、しっかりタバコのフレーバーを感じつつ、スッキリとしたメンソールの風味も同時に楽しめるタイプ。あまりメンソール感は強烈ではないので、普段メンソールを吸わない人でもいい気分転換に使えるのではないだろうか。ズッシリとした存在感が非常にいい。


「クールミント・ミディアム」は、先ほどの「ディープ・メンソール・ストロング」よりもメンソール感が強めで、タバコの風味よりもすっきりとした爽快感がわかりやすく楽しめる。まさにクールなミントといった印象で、タバコで言えばプチッと玉を潰してさらにメンソール感を強める“ブースト系”の冷涼感が楽しめる。


こちらはまろやかで甘いバニラの風味が特徴的な「バニラ・ライト」。決して甘ったるいわけではなく、ほどよくバニラが香るので、長いこと味わっていても飽きがこない。コーヒーなんかを一緒に飲んでもよく合いそうだ。


「アップルミント・ライト」は青りんごのような爽やかさとメンソール感が特徴的。どちらかというとタバコっぽさは抑えめで、口の中がフルーティーで爽快になるイメージである。起床から通勤の間や、食後にスッキリしたいときなどに使ってみるとよさそうな印象だ。


こちらは「抹茶ラテ・ライト」。ただの抹茶ではなく、“抹茶ラテ”というのが肝である。抹茶の苦味は感じつつも、ラテのまろやかな甘みがふんわりと香るので、どことなくコーヒーショップで一息ついているかのような満足感が得られる。


最後は「梅・ライト」。梅といっても、酸味のようなものはない。メンソール感があるので、どちらかというと完熟した梅というよりもまだ若々しさが残る青い梅のイメージに近い印象だ。普通の紙巻タバコや加熱式タバコでは、なかなか抹茶や梅といったフレーバーは味わえないが、こうして幅広いフレーバーを作れるのも嗅ぎタバコならではの魅力なのだろう。



今の日本では、紙巻タバコや加熱式タバコを吸える場所はかなり限定的になってきた。特に出先などでは喫煙所を探すだけでも大変な世の中だが、そういうときに嗅ぎタバコも併用していれば、誰にも迷惑をかけず、タバコを無煙で楽しむことができる。



喫煙ライフをより充実させるため、嗅ぎタバコを紙巻タバコや加熱式タバコと併用するという選択肢は大いにアリなのではないだろうか。(猿川佑)