トップへ

2022年のバイク事情 第41回 こんなヘルメットが欲しい! 【ヘルメット実態調査・後編】

2022年09月24日 15:02  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
ヘルメットはライダーにとってもっとも重要な頭部を守る絶対必要な装備品です。黎明期は事故や転倒時に受ける衝撃を緩和させるためのものでしたが、さらに安全な素材や構造を採用する一方で、軽量化やベンチレーションなど快適性能も大幅にアップし、さまざまなモデルがラインナップされています。



今後もさらにヘルメットの安全性と快適性は進化していくと思われますが、ユーザーの立場からすると、どんなヘルメットが求められているのでしょうか?今回はマイナビニュース会員のライダーが求める「理想のヘルメット」について紹介します。


■「二輪免許所持率」と「ヘルメットのこだわり具合」



まずは、マイナビニュース会員の「自動二輪免許の所持率」と「ヘルメットへのこだわり」に関する回答を紹介しましょう。

○Q.あなたは自動二輪免許を持っていますか?


はい ―――45.3%

いいえ ―――54.7%


現在の中高年が青春時代を過ごした80~90年代は空前のバイクブーム。そのためか、4割以上の方が自動二輪免許を所持していました。若年層の事故が社会問題となったこともあり、それまで許されていた50ccにもヘルメットの装着が義務化されたのが1986年。バイク乗りには必須となったアイテムですが、そのこだわり具合はどうでしょうか。

○Q.あなたはバイクのヘルメットにこだわりがありますか?


はい ―――77.5%

いいえ ―――22.5%


ヘルメットにこだわりを持つ人は四分の三以上と、かなり多い結果になりました。街中やツーリング先で見かけるライダー達も、帽体やシールドがキズだらけ……などということはほとんどなく、とてもきれいに磨かれたヘルメットを被っていますね。

■マイナビニュース会員ライダーが思い描く「夢のヘルメット」は?



現在のバイク用ヘルメットは、事故や転倒時の安全性はもちろん、快適なライディングのための工夫もされていますが、さらに加えてほしい便利な機能もあるはず。たくさん寄せられた要望をピックアップしてみました。

○Q.「こんなヘルメットがあったら……」と思うものがあれば自由にお書きください(自由回答)

■リスクの高い乗物だから…『ドラレコが欲しい! 』


男性/37歳

ドラレコが標準装備されている



男性/52歳

360度ドラレコがあるといいね



男性/45歳

ドラレコが搭載されていたら煽り運転にあった時に助かる



男性/64歳

この時代ドラレコは必要品だから一体型があれば良いと思います



男性/53歳

マナーの悪い車が増加しているので、ドラレコがヘルメットに搭載されてほしい


いまやクルマではドラレコの普及がだいぶ進みました。事故や当て逃げにあった際の証拠にもなり、あおり運転などの抑止力も期待できます。バイクはクルマよりもリスクが大きな乗物ですので、やはりつけていた方が安心できるという方が多いでしょう。現在は車体マウントや、白バイ隊員のようにヘルメットの横に後付けするタイプが主流ですが、さらに小型化されて、ヘルメットのエアダクト位の大きさになったらずいぶんスッキリしますね。

■ハイテクなナビゲーションシステムが欲しい!


男性/40歳

ナビ連動のディスプレイ



男性/43歳

シールド部分に画像が浮かび上がるカーナビ



男性/44歳

音声ナビ付きのヘルメット



男性/31歳

シールドのところに情報が表示される



男性/43歳

スマホとつながるヘッドセット付。ナビが表示できる


かつては上面が透明ビニールのタンクバッグにツーリングマップを仕込むのがツーリングライダーの標準的なスタイルでしたが、クルマもナビが普及した現在、バイクもスマホをマウントしてナビ代わりにする人たちも増えています。さらに進化して、ナビや天気予報などの情報がシールドに映し出されたり、内蔵スピーカーから音声案内が流れたりするヘルメットがあれば、ハンドル廻りもスッキリして快適なツーリングができそうですね。

■とにかく、もっと軽いもの

男性/51歳

首に負担をかけないヘルメット



男性/60歳

超軽量の安全性バッチリのヘルメット



男性/60歳

被っているのかわからないくらい軽いヘルメット



男性/56歳

とにかく軽いもの。システムで軽いものが出ませんかねぇ



男性/57歳

もっと軽いもので熱を帯びないヘルメット


ヘルメットは軽いほど快適ですが、利便性や快適性といった機能の追加も求められます。昨今のツーリング用では、チンガードが跳ね上がるシステムタイプや、インナーバイザー付のモデルも出ていますが、その仕掛けのために重量も若干重くなってしまいます。わずか数百グラムの増加ですが、それまで軽いヘルメットを被っていた人がいきなりロングツーリングで使うと首や肩のこりに悩まされますので、徐々に慣れていくことが必要です。

■どうにかしたい「蒸れ」と「臭い」


男性/51歳

通気のダクトが沢山付いていて、通気性の良い物



男性/34歳

エアコンの効いた充電式のヘルメットがあればうれしいです



男性/62歳

水分補給のためのドリンクボトルが内蔵されていると嬉しい



男性/46歳

とにかく臭くならないヘルメットがほしい



女性/23歳

内装の消臭効果が高いもの


夏場のライディングはとても過酷。走っていれば多少はエアダクトから風が入りますが、それでも内装は汗でジットリと湿ってしまいます。そのまま何日も放置していると、今度は雑菌で臭いまで…。最近は脱着して丸洗いできる内装が主流になっていますが、ちょっとコツも必要。下着のように毎日気軽に交換できたらうれしいですね。海外ではエアコンが装備されたヘルメットもあるそうですので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

■仲間と通話したり、インターネットに接続したい


男性/46歳

スマホと連動するヘルメットかな



男性/45歳

携帯電話との連携



男性/57歳

インターネットと接続できる



男性/56歳

スマホと連動して、通話以外にも言葉で操作できる機能



男性/53歳

スマホと連携して他のライダーと走りながら通話ができる


昔はバイク同士の通信といえば、同乗者と有線のインカムでつないだり、アマチュア無線を使ったものが主流でした。現在はBluetoothでスマホに接続できる後付けのインカムもありますが、ヘルメットに内蔵されたメーカーオプションになればとてもスッキリしますね。

■大きくなったり、小さくなったりできない?


女性/45歳

折り畳める



男性/31歳

すっぽりかぶれるフリーサイズのヘルメット



男性/31歳

勝手に頭のサイズにあわせてくれる



女性/40歳

保管に場所をとるので組み立てできる



男性/59歳

空気圧でフィット感を調節できる機能


ツーリングの休憩など、どこかに立ち寄った時は車体のヘルメットホルダーにつけるか、後付けのトップケースに収納する方が多いはずですが、ヘルメット自体が小さく折りたためたら便利ですね。防災用や自転車用では存在するようですが、より耐衝撃性が求められるバイク用の場合、まだ難しいでしょうか?

■もっと安全に! 一生使えるくらいの頑丈さが欲しい


女性/36歳

耐久性がすごいもの



男性/40歳

一生使える



男性/61歳

ジェット型でもフルフェイスと同等の性能のもの



男性/49歳

軽くて、スタイリッシュなエアバック仕様の半ヘル



男性/38歳

軽くて非常に丈夫で長持ち、かつ安い


メーカーの研究によってヘルメットの安全性はどんどん進化していますが、樹脂やガラス繊維を積層した帽体に発泡スチロールの衝撃吸収ライナーという基本構造は変わっていません。メーカーでは3年の買い替えを推奨していますが、もっと長く使えて、エアバッグなどの新機構が装備されたヘルメットが開発されたら大ヒットしそうですね。

■そのほか


男性/53歳

シールドに視力矯正機能があってメガネがいらないヘルメット



女性/40歳

デザインを張り替えたり、部品をカスタマイズしてオリジナルを作れる



男性/64歳

ワンタッチでシールドの上げ下げができる



女性/59歳

車のワイパーのようなものを搭載



男性/50歳

GPSなどで追跡できる盗難防止機能


メガネをかけている人にとってヘルメットの装着は面倒ですから、シールド自体に度が入っていると便利ですね。ゴーグルタイプは存在するようですが、価格はちょっと高めのようです。ほかにも、デザインを自由に楽しめたり、今までになかった仕掛けなど、現役ライダーたちならではのアイデアはとても興味深いですね!

■ハイテク時代に対応した「スマートヘルメット」も市販化目前?



たくさんの意見が寄せられましたが、中でもクルマでの普及が進んでいる「ドライブレコーダー」や「ナビゲーションシステム」を搭載したヘルメットの要望が多く見受けられました。ハンドルにスマホをマウントしてナビ代わりにしているライダーをよく見かけますが、視線を落として注視していると、不注意で事故をおこしたり、違反切符を切られることもあります。



ナビ情報をシールド裏に内蔵したHUD(ヘッドアップディスプレイ)で視界に映す「スマートヘルメット」はショウエイでも開発され、モーターサイクルショーでも展示されていましたから、市販化も意外と近いのではないかと噂されています。



クルマでは次々にセーフティ・センサー系の新技術が搭載されていますが、今後はバイクにもフィードバックされ、これがヘルメットのシールド越しに見えるようになるかもしれませんね。


調査時期: 2022年9月7日

調査対象: マイナビニュース会員

調査数: 1002人

調査方法: インターネットログイン式アンケート(フォルサ)