子どものためだと思ってしていることが、子どもの負担になっていることもある。東京都の40代後半女性(事務・管理/年収850万円)は優秀な父親を持つ苦悩を明かす。(文:谷城ヤエ)
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「教えられてもいない大人の常識を知っていないことで責められる」
女性の父親は「子どもの頃からその地域では有名な、頭の良い人」だったという。
「それを基本だと思った母親が自分に対する期待を強く持ってしまった。そのため子どもの頃から完璧を求められ、教えられてもいない大人の常識を知っていないことで責められたり、男子と同じ体力を求められたりした」
「子ども心に、考えればわかることと思っていただけに、それに対して不満を言うと、さらにキレられるという毎日を送っていた」
母親の子どもに対する理想が高過ぎるせいで辛い経験をしてきた女性だが、学んだこともあったという。
「ただこの時期に不条理な社会であることを学べたことは大きく、その後の人生において人間の限界を理解したり、無駄な正義感を持たないと言う人生観にもつながったため感謝している」
と冷えびえとした感慨を述べた。また「親の期待に関しては、母親も親になりきれていないのだと認識したため、自分が親になったときに、このようなものの言い方や態度はやめようと決意」するなど、母親が反面教師になった面もあるようだ。
さらに「やめてほしいと思ったところで経済力のない子どもには選択肢はない」と話す女性。
「不思議だったのは、そんなプレッシャー与えておいて、母親を受け入れると考えていたであろうこと。社会人になるとさらに発展して、母親と同じことを自分も考えている、なので母親の思い通りの人生を歩んでくれる、という期待を受けるようになり今だに夢に見るほど苦しんだ」
現在も、母親が押し付けてくる過度な理想に苦しんでいるようだ。最後に
「この時代を経験したことで、生きることこそが試練、地獄なのだとわかったことはよかった」
と綴っていた。