今はそうでもないが、かつてパチンコホールスタッフの時給は、アルバイトで得られる収入としては破格の数字だった。僕が高卒で某ぼったくりパチンコ企業に入社したとき、初任給の手取りなんて17万程度だったんだけども、一方で夜勤のバイトさんに「いくらもらってるんですか?」と質問したら「30や」とのお返事。
別に業界についての熱意も、そもそもパチンコ知識もないまま、ただ何となく入社していたこともあって「しまった。バイトで良かったやんけ!」と本気で思ってしまった。
しかし、パチンコホールで働くというのはなかなかしんどい。ぶっちゃけ体力勝負みたいなところもある。玉の入ったドル箱だって重いのなんの。(文:松本ミゾレ)
「景品カウンター以外の仕事も沢山あって腰痛になる人多いよ」
先日ガールズちゃんねるに「パチンコで働いてる人」というトピックが立っていた。このトピックを立てた人物は「今度パチンコのバイトに応募しようと思うのですがどんな感じですか?」と質問をしているのだ。
業界未経験というわけである。これに対して、寄せられた声を紹介したい。
「将来耳悪くなる可能性もあるとか聞いた事ある」
「景品カウンター以外の仕事も沢山あって腰痛になる人多いよ」
「従業員みんな若くて陽キャそうだから、面接受かったけど、やめた。馴染めそうにない」
「同僚もみんなパチンコ好きで仕事行く前に別の店でパチンコ打ってから出勤、休みの日は一日中パチンコって人が多かった」
と、こんな具合で、実際にパチンコホールで働いていたんだろうなぁという人の声も多かった。耳が遠くなるのは職業病みたいなものでよく知られているんだけど、腰や背中の痛みというものも慢性的な症状となりがち。休日になるたびに整骨院行ってる30代のバイトさんとかいるぐらいだし。
これに加えて、ちょっと前まではホールでの喫煙は当たり前にOKだったので、スタッフは副流煙に燻されて健康被害に直面する宿命も背負っていた。また、客層も悪いので特にトイレ周りのトラブルは日常茶飯事。これが本当にしんどいのだ。肉体的にも精神的にも消耗する仕事とも言える。
あと、体力と関係ないけども、大抵のホールでは陽キャが従業員の中でイニシアチブを握るので、陰キャは居心地が悪いというのはある。僕も、陽キャの女性スタッフにいじめられる陰キャ女性スタッフにお願いしてシフトに入ってもらう、なんてことをやっていたし、アレが一番しんどかった。
時代が進んで今は、スタッフが踊っている動画だのをSNSに投稿する店も。「誰が喜ぶんだよ」と思ってしまうが、こういうのも陰キャには荷が重いだろう。と、こういう具合になかなかめんどくさい仕事場なのである。
ホールのアイドルみたいな女性スタッフも足が臭くなる!
個人的に、肉体的な面で一番「ああ、パチンコホールの仕事ってキツいなぁ」と思ったことは、足の匂いだ。スタッフは革靴着用がルールになっているホールが多く、四六時中革靴を履いて歩き回っていると当然足が蒸れる。そして、ケアしていようといまいと、男女の境なくシフト上がる頃にはみんな足が臭くなってしまうのだ。マジだよ。
僕はあまり体臭がないタイプだけど、これだけは例外だった。マジで臭くなって、自己嫌悪に陥ってしまう。潔癖な社員なんて靴下は使い捨て。靴も毎日洗っていたと言うが、それでも3か月に1回は買い替えていた。
ある夜のこと。非番だったので社宅として使っているアパートで寝てると、ホールでアルバイトとして働いている可愛い女の子がアポなしで訪問してきたことがあった。完全に下心があったので「まあどうぞおあがりください」と部屋に上げたはいいが、すぐに後悔した。彼女はつい先ほどシフトを上がったばかりで、ホカホカの労働直後状態。例に漏れず足もめちゃくちゃ匂っていたのである。
僕が気付くぐらいなので、本人も絶対気付いていたはず。気付かないふりをして会話をしようとしていたけど、室内の空気清浄機がいきなり”強”運転をスタートさせたものだから、我慢できずに死ぬほど笑ってしまった苦い経験がある(10分ぐらいずっと泣き笑いしてしまい、笑い終えた後に気付いたらもう部屋に僕しかいなかったので寝た)。
パチンコホールでのアルバイトは、ある程度の繁忙店であれば十中八九、女性だろうと足が鬼臭くなる! なのでパチンコのバイトに惹かれるという方は、このリスクだけでもしっかり認識しておいてもいいだろう。あと、個人的には事前のケアよりも退勤後に風呂に入って毎日足を洗う、といったことが大事だと思っている。これは是非、覚えておいていただきたい!