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アシックスの「日常とスポーツの領域を越えた」スマートシューズのヤバみ

2022年09月21日 16:31  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
アシックスは9月21日、スマートシューズ「RUNWALK ORPHE(ランウォーク オルフェ)」(6万1,600円)を発表した。歩行動作をセンシングして、心と身体の状態をスコア化できるのが特徴。



同日より伊勢丹新宿店にて、また10月28日より公式オンラインショップなどで先行予約販売を開始し、12月中旬以降に最大300足の限定販売で出荷する。元ラグビー選手の廣瀬俊朗氏が登壇して商品をアピールした発表会の模様を紹介しよう。


○開発の背景



アシックスでは1994年に"走れるビジネスシューズ"をキーワードにした初代RUNWALKを発売して以来、同シリーズをバージョンアップさせてきた。



最新製品「RUNWALK ORPHE」では、ミッドソールの内部に付属のセンサー「ORPHE CORE 3.0」を取り付けることで、歩数や歩行スピード、ストライド(歩幅)、接地角度、立脚時間などの歩容(歩行パターン)データを取得。アシックススポーツ工学研究所が培ってきた知見により、心身の状態をスコア化してスマートフォンに表示するという。


RUNWALK ORPHEの外観。カラーはブラック、サイズは24.5~27.5cmの0.5cm刻み。アッパーは天然皮革、人工皮革、アウターソールはゴム底。


アシックス スポーツ工学研究所の草野拳氏は「人の歩容は感情で変化し、また身体の疲労状態でも変化します。そこで弊社では、歩容を分析すれば心身のコンディションまで推測できるのではないか、と考えました」と開発背景を説明する。



すでに同社ではORPHEと共同開発したランナー向けスマートシューズを2019年に発売済みで、今回はノウハウをビジネスシューズに組み込み、より消費者の日常生活に即した製品として展開するという。


また、ORPHE CEO/Founderの菊川裕也氏は「センサーのORPHE CORE 3.0はミッドソールの窪みに嵌まるコンパクトなサイズのため、靴の履き心地を変えません。内部では加速度センサー、ジャイロセンサーなどが秒間200Hzでデータ解析し、ユーザーの1歩1歩の歩容指標をリアルタイムに精度高く計算します」と解説する。


「心身スコアリング機能」は、日々の歩行データを自動で取得するモード。何も操作を行わずとも、Mind/Physicalのデータがスコア化されていく。これに対して「手動歩容計測機能」は、わずか30秒でリアルタイムの歩容を可視化できる。


ゲスト登壇し、アシックスのアドバイザリースタッフも務めている廣瀬俊朗氏は「現役時代からアシックスのRUNWALKは歩きやすくて好きでした。いまでも地方に行くときなど、かっこよくて疲れないRUNWALKは嬉しい存在になっています。革靴でこんなに履き心地が良いの?と思う。ほんまに、むちゃくちゃ快適ですから」と笑顔を見せる。


ここで廣瀬さんによる、トレッドミルを使ったデモが行われた。上記の説明の通り、「手動歩容計測機能」ではわずかな時間でスコアが表示される。


最後に、草野氏は「習慣的に使っていただくことで、今日は少しマインドが低いな、などと気付くことができます。日々の生活に役立てていただければ嬉しいです」、廣瀬さんは「自分を客観視する、ひとつの指標として利用できますね。ビジネスにおいても、とても大事な観点だと思いました」と話す。



また菊川氏によれば、RUNWALK ORPHEのセンサーは既発売のランニングシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)」に内蔵のセンサーと同じため、差し替えて使うこともできるという。


そこで菊川氏は「日常のウォーキンでコンディションをチェックして、週末にはランニングでも計測する。日常とスポーツの領域を越えた、世界にひとつのスマートシューズとしてご利用いただければ幸いです」とアピールした。



近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら(近藤謙太郎)