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「僕愛」「君愛」宮沢氷魚、須田景凪、Saucy Dogが“人生の分岐点”を振り返る

2022年09月16日 20:21  コミックナタリー

コミックナタリー

左から須田景凪、宮沢氷魚、Saucy Dogのメンバー・せとゆいか(Dr
アニメ映画「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」のトークショーが、本日9月16日に東京・東京国際フォーラムで開催された。

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乙野四方字による小説を原作とする「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」。並行世界を行き来することができる時代に、同じ「暦」という名前を持つ2人の少年が、それぞれの世界で1人の少女と恋に落ちるさまが描かれる。イベントには両作の主人公・暦役を演じる宮沢氷魚、「僕愛」の主題歌・挿入歌を担当した須田景凪、「君愛」の主題歌・挿入歌を手がけたSaucy Dogのメンバー・石原慎也(Vo, G)、秋澤和貴(B)、せとゆいか(Dr, Cho)が登壇。完成した映画の感想を尋ねられると、宮沢は「アフレコ時から音や映像が加わったらどんな世界になるんだろうってずっと思っていたんですけど、完成した映像を見たら自分の想像の何倍もの色鮮やかさがあって。それぞれの楽曲も自然に笑顔になれるような、前向きになれるような楽曲だったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と喜んだ。

さまざまな演じわけが必要とされる今回の役どころについて、声優初挑戦となる宮沢は「改めて声優さんってすごいなと思いました。普段お芝居をするときのエネルギーやボリュームよりも少し上を目指さないと、自分の声が絵に負けてしまうんですよ。その調整が大変でしたが、4、5日間かけて録っていくうちに、自分の中で『こういうふうに演じればいいのか』とだんだんわかってきて。部分的にすごく上達しているところがあると思うので、そこも気にしながら見てほしいですね」と語った。また演じるにあたり気を付けたところに関しては「作品もそうですけど、僕たちも1つひとつの人生の選択によって大きく変わるじゃないですか。あのときこういう選択をしたから、人間性がこういうふうに変わっていったという微妙な変化に気を付けながら演じました」と述べた。

「僕愛」の楽曲制作について須田は「『僕愛』の主人公が内に籠もっている幼い部分と、自分の気持ちを吐露できないもどかしい部分を曲にしたいなと思って書きました。映画にリンクした曲になってほしいし、楽曲から映画に入ってもらいたかったので、不意に聴いても『いい曲だね』って思えるようにしたかった。生まれて初めてこんなにストレートな言葉を使ったかもしれないです」と明かし、石原は「『君愛』に登場するヒロイン・栞を意識しました。主題歌が流れる場所がぴったり合っていて、鳥肌が立ちましたね」と語る。見る順番によって印象が変わる「僕愛」「君愛」。どちらから観たかについて聞かれると宮沢と石原は「僕愛」、須田、秋澤、せとは「君愛」とそれぞれ答える。宮沢が「『僕愛』から観たんですけど、『君愛』から見るほうの感覚を一生感じられないと思うと悲しい」と嘆くと、石原は深く頷きながら「メンバーやマネージャーさんに聞いても、みんな自分が選んだほうから観てよかったって言うんですよ。だからどちらから観ても正解なんだなって」と話す。宮沢も「正解不正解ってないと思います。どちらも素晴らしい作品になっているから、どうやってオススメしたらいいんだろうって。映画館でコインを投げて裏表で決めてもいいかもしれない」と提案を投げかけた。

事前にファンから募集した質問に答えるコーナーも展開。作品にちなんだ「人生の分岐点だったと思うことと、そのとき選ばなかったほうに進んでいたらどうなっていたと思うか」という質問に対して宮沢は「20歳、21歳の頃にこの仕事を始めたのが、自分の人生で一番の分岐点ですね。僕はそれまでアメリカの大学で環境学を勉強していたんですよ。この仕事を選んでいなかったら、たぶん環境汚染とか環境にまつわるお仕事をしていたんじゃないかな」と答える。須田は「高校1年生のときに学校を辞めたんですよ。辞めない選択肢もあったんですけど、やっぱりそれが一番大きいかなと思っていて。がんばってあのまま同じ方向に行っていたら、たぶん今、こんな感じで音楽をやっていなかったと思います」と返答。秋澤は「地元の中学校がヤンキー校だったんですよ。地元の中学校に行かずに受験したのがよかったなって」と言い、笑いを誘った。

また「運命の相手を見つけても叶うはずのない人だったら諦めてしまいますか?」という質問も飛び出す。宮沢は「運命なんですよね? 諦めません」と即答し、「絶対諦めたら後悔して一生引きずっちゃうと思うので、この人だと思ったら一生懸命行きますね。3回告白してダメだったら、心折れるかもしれないけど、そこまでは待ちたいです」と続ける。須田が「何をもってして運命だと思ったかにもよると思うんですけど、暦ほどは無理だなと思います。あそこまで自分の人生のすべてを賭けるというのは」と回答。それを受けて石原は「僕も諦めないって言おうと思っていたんですけど、暦のようにとなると……もうちょっと悩ませてください」と、とまどいを見せる。宮沢も「暦は強いですよね。覚悟を持って思いを貫くことは、ほとんどの人がたぶんできない。自分は声を当てていくうち、そこまで人を好きになって大事に思えるって、ある意味幸せでもあるなと思いました」と、自身が演じたキャラクターに思いを馳せた。

最後の挨拶で宮沢は「2作同時公開という挑戦的な作品です。素晴らしいキャスト、そして主題歌、挿入歌が加わって、最強の作品になっていると確信しています。どっちを先に見るかによって感じ方も違ってくるんですけど、さっきも言ったようにどちらから見ても正解なので、どちらから見るかは直感で決めていただいて、両方見ていただけたらうれしいです」とファンへメッセージを贈り、イベントは締めくくられた。「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」は、10月7日に2作同日公開される。

■ アニメ映画「僕が愛したすべての君へ」
2022年10月7日(金)全国公開

キャスト:宮沢氷魚、橋本愛、蒔田彩珠、田村睦心、浜田賢二、園崎未恵、西村知道、平野文、水野美紀、余貴美子、西岡徳馬
原作:「僕が愛したすべての君へ」乙野四方字(ハヤカワ文庫刊)
監督:松本淳
脚本:坂口理子
音楽:大間々昴
キャラクター原案:shimano
アニメーション制作:BAKKEN RECORD
製作:「僕愛」「君愛」製作委員会
製作幹事:電通
配給:東映

■ アニメ映画「君を愛したひとりの僕へ」
2022年10月7日(金)全国公開

キャスト:宮沢氷魚、蒔田彩珠、橋本愛、田村睦心、浜田賢二、園崎未恵、西村知道、水野美紀、余貴美子、西岡徳馬
原作:「君を愛したひとりの僕へ」乙野四方字(ハヤカワ文庫刊)
監督:カサヰケンイチ
脚本:坂口理子
音楽:大間々昴
キャラクター原案:shimano
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:「僕愛」「君愛」製作委員会
製作幹事:電通
配給:東映

(c)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会