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エリザベス女王をSex Pistolsのジョン・ライドン、パディントンらが追悼。「侵略」批判も

2022年09月12日 20:00  CINRA.NET

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Text by CINRA編集部

イギリスのエリザベス女王が9月8日に亡くなってから4日間が経過した。SNSでは世界中から追悼の言葉が寄せられている。エリザベス女王の存在感の大きさとともに、在位70年のあいだに起きた時代の変化も改めて感じさせる。本記事ではその一部を紹介する。

代表曲“God Save The Queen”で知られるSex Pistolsのボーカリスト、ジョニー・ロットンことジョン・ライドンは、Twitterでエリザベス女王を追悼するコメントを発表。

エリザベス女王2世よ、安らかに眠れ。君に勝利を。
- 「Send her victorious」はイギリスの事実上の国歌である“God Save The King/Queen”(「King/Queen」は国王の性別によって変化する)の歌詞の一部。「God Save The King/Queen」という歌詞に続く一節となる。

英国を代表するロックバンド・The Rolling Stonesのボーカリストで、ナイト叙任者でもあるミック・ジャガーもTwitterでコメントを発表した。

私の人生において、女王陛下、エリザベス2世は常にそこにいた。子供の頃、テレビで女王の結婚式のハイライトを見たのを覚えています。美しく若い女性から、国民に愛されるおばあちゃんになられていったのを思い出します。王室のみなさまに深くお悔やみ申し上げます。 - ナイト叙任者でもある歌手のエルトン・ジョンはInstagramで追悼コメントを発表。

エリザベス女王陛下の逝去の知らせを聞いて、国民のみなさんと一緒に私も深く悲しんでいます。彼女は、私たちの最も偉大で、最も暗い瞬間のいくつかを、優雅さと良識と本物の思いやりのあるあたたかさで国を導きました。周りにいる人を鼓舞する存在でした。エリザベス女王は、子供の頃から今日まで私の人生の大きな部分であり、彼女がいなくなり、私は心からさみしくなるでしょう。
- 現代美術家のオノ・ヨーコは、エリザベス女王と握手をしている写真とともにコメント。

エリザベス2世女王陛下のご逝去を受け、王室の皆様に深い哀悼の意を表します。女王陛下は強く力強い女性で、その70年にわたる治世は、誠実さ、尊厳、優雅さ、思いやりをもって果たされました。ヨーコとショーン・オノ・レノンより愛をこめて。 - 児童文学『くまのパディントン』に登場するパディントンも哀悼の意を表明。パディントンは女王の在位70年を祝うプラチナジュビリーで公開された、エリザベス女王とお茶会を開く映像でも話題を集めた。哀悼のコメントはお茶会映像のセリフにちなんだもの。

女王陛下、すべてに感謝します。 - イギリスを代表するバンド・Oasisの元ボーカリストであるリアム・ギャラガーは、エリザベス女王の訃報に関するものであるかは明言していないものの、女王の死後に「がっかりした」とTwitterで投稿。リアムは9月15日にカーディフベイで大規模な野外ライブを行なう予定だが、この会場はプラチナジュビリーコンサートの会場となったカーディフ城にほど近い。Twitterのコメント欄には「ライブをキャンセルしないでくれよ」と心配するファンからの言葉も寄せられている。

追悼する言葉が寄せられる一方で、アフリカ、アジア、オセアニアなど各地を植民地支配したイギリス帝国時代の歴史と遺産を受け継いだ、エリザベス女王の権力者として側面も改めて脚光を浴びている。

イギリスが植民地としていた南イエメンのアデンで撮影された写真は、SNSを通じて注目された。エレガントなドレス姿で剣を持ち、騎士の叙勲式に臨んでいる姿は、エリザベス女王という存在の二面性を象徴しているという感想もあった。

アデンでのエリザベス女王の写真です。1954年の日付です。女王は南イエメンを植民地として統治し、イエメン出身者は排除され、白人のイギリス人たちはまるで自分の国のようにのんびりと過ごしていました。
- しかしながら、在位中には旧植民地を訪ねて関係修復につとめるなど、過去に自国が行なってきた植民地支配と向き合うという難問にも取り組んでいたエリザベス女王。死去をきっかけに、過去の歴史に関する議論も活発になりつつある。