カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日9月12日は「宇宙の日」にちなんで、宇宙を身近に感じるマンガを紹介します。
【大きな画像をもっと見る】文・構成 / コミックナタリー編集部
■ 森雅之「惑星物語」(ビーグリー)
□ 太陽系は“私の宇宙”。遠く離れた惑星に、親しみを込めて
「土曜の夜。なんだかとても淋しかったので、酔っ払って、だれか来ないかなあと、思っていると、月から子供が遊びに来た。」そんなプロローグから始まる「惑星物語」は、地球が存在する太陽系は“私の宇宙”、その太陽系に属する惑星や衛星は“遠い親戚“と捉えた本。さまざまな惑星の子供たちが親戚である“僕”の家に遊びに来ては、自分の星がどんなところかを楽しそうに話す物語となっている。宇宙と地球について語るとき、広大な空間の中のいち惑星という存在は「孤独」なイメージで語られることが多い。しかし「惑星物語」の中で描かれる“「私達」としての太陽系”という考え方は、広い宇宙の中でホームを見つけたような安心感を与えてくれる。宇宙に対して親密さを覚える一作だ。
■ 肋骨凹介「宙に参る」(リイド社)
□ いつか訪れるかも知れない、宇宙時代の暮らしや旅行の姿
宇宙船が今で言うセスナ機ぐらい身近になった世界。亡くなった夫の遺骨を地球の義母に届けるため、主人公の主婦・ソラは四十九日の宇宙旅行に……という出だしから始まる「宙に参る」では、宇宙の暮らしや旅が民間に浸透したらどうなるかという風景を見ることができる。例えば宇宙コロニーで人が死んだ場合、葬儀はどのように行われるか。このマンガでは、地球からの参列者がモニターとロボットを使い遠隔でご焼香をあげている。現実でもリモートでの会議や授業が当たり前となってきた昨今、未来には宇宙で遠隔葬儀が行われることも想像に難くない。そのほか長期渡航を目的として作られた巨大宇宙船の中の商業施設のバラエティ感や、目的地までに経由するコロニーやテラフォーミングされた星の名物料理やお土産物屋なども見どころだ。近未来サイエンスフィクションの日常から、いつか訪れるかもしれない宇宙時代への期待を温めよう。なお同作の最新3巻は10月に発売予定。
「宙に参る」 - トーチweb■ Quro「恋する小惑星」(芳文社)
□ 筑波宇宙センターも登場! 星に憧れる少女たちの第一歩
幼い頃にキャンプ場で出会った男の子・アオに、星を見る楽しさを教えてもらった少女・みら。新しい小惑星を見つけたら名前が付けられると知ったみらは、いつか2人で一緒に星を見つけようとアオと約束をする。時が経ち、高校に入ったみらはアオと待望の再会を果たすが、ずっと男の子だと思っていたアオは実は女の子で……!? 小惑星を見つけるため星について勉強する「恋する小惑星」は、これから宇宙や星について知りたい人にうってつけの物語だ。1巻には、宇宙ファンならば一度は訪れるJAXAの筑波宇宙センターも登場。実際に筑波宇宙センターを取材した作者の体験談も掲載されている。
「恋する小惑星」 - きららベース