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JR九州「リレーかもめ」&西九州新幹線「かもめ」試乗会で長崎駅へ

2022年09月10日 14:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR九州は10日、報道関係者向けに西九州新幹線の試乗会を実施した。佐賀駅から885系6両編成の「リレーかもめ」に乗車し、武雄温泉駅で西九州新幹線「かもめ」へ同一ホーム乗換えを体験。「かもめ」は武雄温泉~長崎間を30分強で走行した。


西九州新幹線武雄温泉~長崎間(営業キロ69.6km)は9月23日に開業予定。「かもめ」を1日あたり上下計47本(武雄温泉~長崎間44本、新大村~長崎間3本)設定し、武雄温泉駅で「リレーかもめ」など在来線特急列車と同一ホーム乗換えを行う「対面乗換方式」で運行される。武雄温泉駅で接続する新幹線と在来線特急列車は1本の列車として案内され、きっぷも1枚で発売される。



在来線の特急「リレーかもめ」は787系8両編成または885系6両編成で運転される。今回の試乗会では885系が使用され、佐賀駅を10時頃に発車した。列車は長崎本線を走行した後、肥前山口駅で運転停車。同駅は西九州新幹線の開業に合わせ、江北駅に改称する予定となっている。


肥前山口駅から佐世保線に入る。単線区間があるため、やや速度を落として走っていたが、新たに複線化された区間(大町~高橋間)の手前から加速し、特急列車らしい走りを見せる場面もあった。10時24分頃、武雄温泉駅の10番ホームに到着し、隣の11番ホームに停車中の西九州新幹線「かもめ」へ乗り換えた。



西九州新幹線「かもめ」の車両N700Sは6両編成。1~3号車は横4列(2列+2列)の普通車指定席、4~6号車は横5列(2列+3列)の普通車自由席で、1編成あたりの定員は計391名(1号車40名、2号車76名、3号車42名、4号車86名、5号車86名、6号車61名)とされている。全席にモバイル用コンセントを設置し、無料Wi-Fiも利用可能。車いすスペース、多目的室、多機能(車いす対応)トイレ、ラゲージラックなども設けた。「九州らしいオンリーワンの車両」をコンセプトに、インテリアは和洋折衷、クラシックとモダンを組み合わせ、懐かしくて新しい空間を表現したという。


武雄温泉駅を10時46分頃に発車した「かもめ」は、武雄トンネルや三坂トンネルを通過しつつ、新設の嬉野温泉駅へ。相対式ホーム2面2線の高架駅(有人駅)で、同駅の開業に合わせ、駅前にJR九州バス嬉野線の「嬉野温泉駅」バス停も新設されるという。嬉野温泉駅を発車した後、全長約5.7kmの俵坂トンネルへ。その後も彼杵トンネル、千綿トンネル、江ノ串トンネルとトンネルが続く。



江ノ串トンネルを抜けると大村市の平野部に入り、壁越しではあるものの、進行方向右側の車窓に大村湾が見えるようになる。続いて西九州新幹線の車両基地(熊本総合車両所大村管理室)も見えた。車両基地に隣接して、大村線では新たに大村車両基地駅が開業予定。西九州新幹線の新駅、新大村駅も大村線との乗換駅となる。新大村駅の新幹線ホームは相対式ホーム2面2線の高架駅(有人駅)、在来線ホームは1面1線の地上駅(無人駅)になるとのこと。


新大村駅から諫早駅まで、途中にトンネルもありつつ、高架橋から大村線の線路が見える区間もある。大村線と長崎本線が合流し、島原鉄道の分岐駅でもある諫早駅の新幹線ホームは地上に設置され、相対式ホーム2面2線の駅に。諫早駅を発車すると、しばらく長崎本線の上り線と並走した後、全長約5.0kmの久山トンネルなどトンネルが連続する区間に入る。



西九州新幹線で最長の新長崎トンネルは全長約7.5km。トンネルを抜けると長崎市街地で、進行方向右側の車窓に稲佐山や高架化された長崎本線を見つつ、11時17分頃、終点の長崎駅に到着した。長崎駅の新幹線ホームは2面4線で、膜屋根を採用し、波打つような形状としたホーム上家が特徴。西九州新幹線「かもめ」が到着した11番ホームの隣は在来線ホームで、787系の特急「かもめ」が停車しており、新旧「かもめ」の並ぶ姿は報道関係者のみならず、在来線ホームにいた一般の利用者からも注目を集めていた様子だった。


JR九州は報道関係者向けの試乗会に続き、9月18~19日に一般向けの試乗会を開催。肥前山口駅受付・長崎駅受付の2行程(いずれも片道)を予定し、肥前山口~武雄温泉間で専用シャトル列車(普通列車の車両を使用)、武雄温泉~長崎間で西九州新幹線「かもめ」に乗車する。開業日となる9月23日には、西九州新幹線の各駅で開業記念式典・出発式を開催予定。一方で、安全確保の観点から、「自由席乗車制限」「新幹線コンコース、出発式ホームへの入場制限」など行うとしている。(MN 鉄道ニュース編集部)