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NEWSメンバー分析 第1回:増田貴久、歌を武器に総合力の高い活動 多才なアイドルたらしめる人一倍強いこだわり

2022年09月09日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

NEWS

 8月17日に、12枚目のアルバム『音楽』をリリースしたNEWS。8月27日からは『NEWS LIVE TOUR 2022 音楽』もスタートし、改めて3人が持つ個性がクローズアップされている。そんなNEWSの3人について、今の彼らの取り組みを中心に振り返りつつ、メンバー1人ひとりが持つ魅力に迫りたい。第1回は増田貴久。


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 増田個人の最近の活動を振り返ってみると、『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)や『オールドルーキー』(TBS系)などのドラマと並行し、2020年から継続している『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の名物コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」のレギュラーなど、テレビへの出演がコンスタントに続いている。特に「ゴチになります」では、増田のお茶目な一面が垣間見えたり、昨年は最下位から最終回での大逆転残留となり、ドラマチックな展開を呼び起こすなど、随所で記憶に残る活躍をしている。


 しかしNEWSのファン、そしてジャニーズのファンにとって、ここ数年の増田は、音楽面で非常に高い評価を得ているように思われる。以前より歌唱力には定評があったが、年々、歌で活躍するシーンを見かけることが多くなった。NEWSでも印象的なソロパートを聴かせることが多かったが、テレビ番組でのコラボや、イベントでのさまざまな共演を通じて、“増田=歌がうまい”というイメージは着実に定着していったように思う。


 ここ最近で印象的だったのは、俳優・松下洸平とのコラボ。8月に出演した『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)で披露した井上陽水・安全地帯の名曲「夏の終りのハーモニー」のカバーだ。元々「ゴチになります」で共演し友情が芽生えた2人。非常に温かみのあるハイレベルなパフォーマンスで「松増コンビ」というワードがSNSでトレンド入りするなど、大きな話題を呼んだ。また、昨年12月に開催された『Johnnyʼs Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~』では、Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」の冒頭を、主旋律を歌う中島健人にハーモニーを乗せる形で歌い、改めて増田の歌唱力の高さを多くのジャニーズファンの前で印象づけた。


 元々増田は、歌だけでなく、先に挙げたドラマなどの演技、またライブではキレのあるダンスをはじめ、以前はバク転といったアクロバットも見せるなど、全方位的に高いスキルを持っている。また、NEWSのライブでは衣装も担当し、雑誌『装苑』のステージ衣装特集でも取り上げられるなど、その多才ぶりは止まるところを知らない。近年ではそのマルチな才能を生かし、ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』で主演を果たすなど、総合力の高い増田ならではの活動を見せている。


 こうした多方面において高い能力を増田が発揮している背景には、彼自身の人一倍強いこだわりにあるように思う。アルバム『音楽』初回盤B収録の「“NEWS”と“音楽” -Interview & Human Documentary-」の中でも、メンバーである小山慶一郎と加藤シゲアキ、そして増田自身の口から語られる言葉に、表現することに対する彼の圧倒的なこだわりの強さを感じた。歌詞の一つひとつに対して、きちんと伝えたい、自分の中で正しく表現したい、という思いを語る増田の姿勢は、アイドル活動を通したあらゆる表現と向き合い、丁寧に取り組んだ表れであると言える。そしてそれは、強いこだわりという形で独特の感性を育み、多方面における高い能力を発揮するに至ったと考えられる。


 増田のこだわりに関して、印象的なエピソードがある。2017年に発売されたアルバム『NEVERLAND』に、増田のソロ曲として山下達郎「FOREVER MINE」のカバーが収録された。この楽曲について、山下達郎が自身のラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』(TOKYO FM)にて、増田がどうしてもこの曲をカバーしたいと要望し、原曲と全く同じ演奏データを渡して完コピした、というエピソードを明かした。山下のライブにいつも訪れるという増田が、並々ならぬ思いでこの曲をカバーし、自身のソロ曲としてアルバム、そしてライブで披露したことが窺える。そのふくよかで豊かな声で歌われる増田の「FOREVER MINE」は、まさに彼の強いこだわりの賜物と言える。こうしたこだわりの数々が積み重なって、増田貴久を多才なアイドルたらしめているのだろう。


 現在の3人体制になってから、増田が真ん中に立つことが多くなった。小山と加藤が「コヤシゲ」としてコンビでの活動も多く、3人で並んだときに増田が真ん中にいる方がバランス良く見える、という側面もあるだろう。とは言え、3人体制になってから、増田の印象が今まで以上に強くなったと感じる人は多いのではないだろうか。3人のNEWSに対して、増田が持つこだわりの強さが、グループとしてのイメージに一層反映されているように感じる。今に至るまで、増田が持ち続けたアイドルとしてのこだわりが、どのような新しいNEWSを生み出していくのか。非常に楽しみである。(ジャニヲタおじさん)