職場で宗教勧誘されたら困惑する人は多いだろう。大阪府に住む50代後半の女性(事務・管理/年収300万円)は「経営者が熱心な宗教家」だったという以前の職場について明かした。(文:谷城ヤエ)
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宗教の集まりに月に一度行くよう言われる
「以前勤めていた職場での話です。経営者が熱心な宗教家で、そのことについては入社前に聞いていたのですが、年に1度だけ自宅で開かれる祭事のお手伝いさえすれば良いと言う条件でした」
最初は宗教に深く関わることは求められなかったという。ところが
「入社後1か月ほどして、当然のように宗教入信のための集まりに月に一度行くようにと。しかも休日にです。交通費は会社の経費から出して頂きました。従業員のほとんどは元々同じ宗教の方なのでその人たちは勤めやすかったようです(自分の家の祭事で休むのはオッケーなど)」
徐々に勧誘が増え、戸惑う様子の女性。職場には「宗教に関係ない人の中には反発する人」もいたそうだが、
「経営者に逆らって入信を拒否した人は給料やボーナスが下がるという、とてつもないパワハラな職場でした」
と驚きの内情を明かした。信仰は個人の自由だが、それで労働者の待遇を変えてしまうのは大いに問題だ。
「私は半年間ほどは宗教の集まりに通いましたが、心で信仰しているわけでもないのに教会に通うのも罰当たりな気がして、社内でもそのことでいつも揉めているような人間関係にもついていけず、早々と退職しました」
と会社との決別を決めた女性。しかし職場を離れた後も「お給料は良かったのでお金のために続けてもよかったのかなと……。今でも答えが分かりません」と若干の逡巡が残っているようだ。