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ナイキが新たな素材制作技術「フォワード」開発、二酸化炭素排出量を75%削減

2022年09月07日 10:02  Fashionsnap.com

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「ナイキ(NIKE)」が、新たなテキスタイル制作技術としてイノベーションプラットフォーム「ナイキ フォワード(Nike Forward)」を発表した。二酸化炭素や廃棄物の排出量ゼロを目指すナイキの包括的な取り組み「Move to Zero」の一環で、ナイキが使用している従来のニットフリースと比較すると二酸化炭素排出量を平均で75%削減できるという。

 開発に約5年の歳月をかけたというナイキ フォワードでは、ニードルパンチの機械にアレンジを加えることで、繊維を重ねて絡み合わせてニットでも布帛でもない複数の繊維のマイクロレイヤーによる生地を生成。糸にするための撚る・編むといった工程が必要ないため、短時間で製造でき、エネルギー使用量を大幅に抑えることを可能にした。繊維のレイヤーの数と構成を変えることで、パフォーマンス用やライフスタイル用などそれぞれ求められる特徴に向けて生地をアレンジできるという。ナイキのグローバル アパレル プロダクト マーチャンダイジング VPのアーロン・ヘイザー(Aaron Heiser)は「ナイキ フォワードは、私たちの素材やアパレルに対する考え方を一新させる可能性を持っていると考えています。30年前に生み出したドライフィット以来のナイキの大きなアパレルイノベーションであり、ナイキ フットウェアのエアやフライニットが業界を一変させたのと同じくらいの大きな可能性を持っています」とコメントした。
 ナイキ フォワードを用いたファーストアイテムは、保温性に優れた「Therma-FIT ADV」の機能性を備えたクルーネック(1万5400円)とフーディー(1万8150円/いずれも税込)をラインナップ。5枚のレイヤーで構成し、腕の可動域を広げるため袖部分の素材は胴部分と比較して柔らかい仕様にアレンジした。デザインは素材本来の特徴を活かすことを意識し、縫い目を最小限に抑え、フーディーのポケットは生地に切れ込みを入れたような切りっぱなし仕様でパーツの数を減らした。また、染色を行わず、素材そのままのカラーで製作することで、水の使用量を大幅に削減した。9月17日からNIKEアプリ、NIKE.COMおよび一部の取り扱い専門店で販売する。