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ホッケンハイム初上陸。選手権上位勢に不運が続くなか、サンテロックが5年ぶりに優勝/GTWCヨーロッパ

2022年09月06日 11:10  AUTOSPORT web

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優勝した25号車アウディR8 LMSエボII(サンテロック・ジュニアチーム) 2022年GTWCヨーロッパ第8戦ホッケンハイム
9月4日、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)の第8戦、エンデュランスカップでは今季第4戦となる一戦がドイツ、ホッケンハイムで行われ、サンテロック・ジュニアチームの25号車アウディR8 LMSエボII(クリストファー・ミース/パトリック・ニーダーハウザー/ルーカス・レゲレ組)が3時間の決勝レースを制した。

 前戦のトタルエナジーズ・スパ24時間から約1カ月の間を置いての開催となったGTWCヨーロッパの第8戦。その舞台はシリーズ初開催となるホッケンハイムリンクだ。49台のGT3カーがグリッドに並んだ日曜の午後は晴天に恵まれ、路面は終始ドライコンディションが保たれた。

 定刻15時のスタート直後、オープニングラップで19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(エミル・フレイ・レーシング)と接触した38号車マクラーレン720S GT3(JOTA)がターン7でクラッシュ。この事故処理のため、レース序盤の30分はセーフティカー(SC)ランが続いた。

 前日の予選でポールポジションを獲得した32号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)は、シャルル・ウィーツが最初のスタートに続きリスタートもしっかりと決めて順位を守る。一方、予選2番手の71号車フェラーリ488 GT3エボ(アイアン・リンクス)は同3番手の12号車アウディR8 LMSエボII(トレゾア・バイ・カーコレクション)にかわされ、そのあおりを受けて6番手まで順位下げてしまう。さらに、ターン12では僚友の51号車フェラーリ488 GT3エボと接触。意図せず同士討ちとなったアクシデントで両車がグラベルに飛び出し、71号車はバリアに刺さってレースを終えることとなった。

 エンデュランスカップの上位ランカーが消えた後も波乱は続いた。最初のスティントの終盤、首位を走る32号車アウディにメカニカルトラブルが発生。ダウンシフトがうまくできなくなり複数回のオーバーシュートでポジションを落とすことに。ウィーツは自身のスティントを全うしたが、チームWRTはこの時点でエースカーのレースを32周で打ち切る決断を下している。

■富田竜一郎と根本悠生は最終スティントで搭乗

 32号車がガレージに収められたレース中盤は12号車アウディがレースをリードする展開に。これを2号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・ゲットスピード)と25号車アウディが追っていくなかで、ミースがライバルをかわして2番手に浮上し12号車に近づいていった。

 スタートから2時間前後のタイミングで迎えた2度目のピットストップでは、この2台の位置関係が逆転する。首位となった25号車のニーダーハウザーは、終盤のSCランにも動じず。最後までポジションを守ってトップチェッカーを受け、サンテロックチームに2017年のスパ24時間以来、5年ぶりとなるエンデュランスカップでの優勝をもたらした。

 一方、ピットで2番手に順位を落としたのち、3番手の66号車アウディR8 LMSエボII(アテンプト・レーシング)と争っていた12号車アウディは、フィニッシュまで残り10分少々のところでパンクに泣き総合38位でのフィニッシュに。この結果66号車が2位となり、4番手につけていた54号車ポルシェ911 GT3 R(ダイナミック・モータースポーツ)が3位表彰台を獲得している。

 また、前戦スパを制しエンデュランスカップのランキング首位に立っている88号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・アコーディスASP)も、入賞圏内の総合6番手を走りながら終盤のマシントラブルに泣き総合40位でレースを終えることとなった。これにより耐久部門でランキング1位、2位を争う88号車と71号車のポイント差が11点で変わらぬまま最終戦バルセロナに向かうことになっている。

 この他のクラスでは、エミル・フレイ・レーシングの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(コンスタ・ラパライネン/ミック・ウィショーファー/スチュアート・ホワイト組)がシルバーカップのウイナーに。同クラスを戦う根本悠生組563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(VSR)はクラス8位/総合25位となった。

 ゴールドカップはインセプション・レーシングの7号車マクラーレン720S GT3(オリバー・ミルロイ/ブレンダン・イリーブ/フレデリック・シャンドルフ組)がクラス優勝。富田竜一郎組33号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)はレース序盤の接触によるスピンが響き同クラス8位/総合24位でのフィニッシュとなった。プロ・アマカップはAFコルセの52号車フェラーリ488 GT3エボ(ステファノ・コスタンティーニ/ルイ・マフィルス/アンドレア・ベルトリーニ組)が制している。

 GTWCヨーロッパの次戦第9戦バレンシアは9月16~18日、スペインのバレンシア・サーキットで行われる。同ラウンドはスプリントカップの今季最終戦だ。