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保護猫の里親の条件は厳しすぎる? 独身でも譲渡してもらえた人がしていたこと

2022年09月03日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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自分は保護猫活動に関わっていた経験があり、ここでもときどき保護犬、保護猫の譲渡会の話を書いてきた。

近年は里親になりたいと考える優しい人も増えている。譲渡が進めばそれだけ愛護センターに収容される犬猫も減るわけだから、これは盛んになるべきだ。

屋外に暮らす不幸な犬猫が、いないに越したことはないわけだし。ただ、実際に譲渡会へ足を運んでみても、思わぬ理由で里親になれなかったという人は多い。たとえば独身の男性は割と断られがち。

その理由は、動物を虐待する目的で譲渡会にやってくる者が過去に何人もいて、大抵そういうのが独身男性だったから、というもの。それでなくても独身では日中、家を留守にすることが多いので、里子に出した犬猫を心配して、断ってしまうという保護団体も少なくはない。

団体側には、より大事にしてくれる可能性の高い人に里親になってほしいという、当たり前の気持ちがあって、それが時として譲渡のネックにもなるわけだ。(文:松本ミゾレ)

「独身がネックとなり断られました」

先日、ガールズちゃんねるに「保護犬猫の里親断られた人」というトピックが立っていた。ここに、実際に譲渡会に出向いたものの、里親になれなかった経験を持つ人の書き込みが寄せられている。ちょっと厳しすぎる条件を提示された、という声もあるんだけど、いくつか引用・紹介させていただきたい。

「1人暮らし、自宅は一軒家で猫を飼うには充分の広さがあります。朝は8時に仕事へ行き夕方には帰ってきます。猫の生涯にかかるお金や緊急時の手術代ぐらいの貯金もありますが独身がネックとなり断られました。やはり里親になかなかなれないもんだと痛感しました」

「家族全員分のアレルギー検査結果提出したら私がアレルギー体質で断られた。31年間猫と暮らしてきたのに。慢性蕁麻疹もあり一年中アレルギー薬飲んでるから平気なのに」

とまあこんな具合で、団体によってはやや神経質に思えるぐらいの条件を突きつける場合もあるようだ。実際には、このような条件を提示する団体ばかりってわけでもなく、独身男性であっても住所を団体にきちんと教えてくれればOKぐらいの譲渡条件しかない団体も多いけど。

ただやっぱり、条件が厳しいのはそれだけ里子に出す動物の幸せを願ってのこと。アレルギーの件なんかも、過去に譲渡成立したと思ったら里親がアレルギー発覚してすぐに送り返されたというような事例は僕も数件知っているので、当然神経質にもなるんだろう。

それなりの姿勢を見せることが大事

独身の男性は、里親になりにくいという風潮がある。風潮というか、独身男性には里親になってほしくないという態度を丸出しにする団体もあるにはある。ただし独身男性であっても実際に里親になれたという人は大勢いる。

そういう人に共通する特徴がいくつかあるので紹介したい。まずは既に動物と暮らしている。これが一番強い。数年、十数年というスパンで犬や猫と暮らしていて、ペットの健康状態もよく、飼い主にもしっかり慣れている。そういう状況を保護団体の人たちに家まで来て直接見てもらえれば「ああ、この人なら」と思ってもらいやすい。

ただ、先住ペットとの相性はあるので、これでも万事上手く行くわけではないけど。あるいはまだペットを迎え入れていないのに、しっかり準備している人は、たとえ独身男性であっても一目置かれやすい。

保護猫の場合は脱走させない飼育環境が必須。たとえば玄関や窓にサッシなどで作った脱出防止フェンスを設置したりして、それを見てもらうのだ。こうすると基本的な心構えができていると評価され、門前払いをされる可能性は低くなる。

あとは譲渡会を開催している保護団体の活動をサイトなどで日頃からチェックすることも大事だ。譲渡会にやってくる犬猫の顔と名前が一致するようになるし、保護された経緯も自ずと知ることができる。特定の犬猫に愛着も湧くようになるし、保護団体の人からすれば、せっかく譲渡するんなら、そういう人に育ててもらいたいと思うもの。いきなり譲渡会にやってきて「この子欲しいです」っていう独身男性より、よほど心象もいい。

コロナ禍でも感染対策を講じつつ譲渡会は開催されているし、飼い主を待っている犬猫って本当に多い。独身であっても、条件がそこまで厳しくない保護団体なんて山程あるので、ぜひ臆せずにみなさんも出向いてみていただきたい。