Text by CINRA編集部
毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲したプレイリスト(2022年8月29日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。
2013年に結成され、2018年には来日公演でシャムキャッツ、トクマルシューゴと共演している韓国の4人組サイケデリックロックバンド、Silica Gel。シンガーソングライターのsogummをフィーチャーした“I'MMORTAL”につづいてリリースされた新曲“NO PAIN”は、「時空を超えることに対する疑問」から生まれたのだそう。すでにライブでは披露されており、ファンにとっては待望の音源化。耳に残る力強いギターのリフによって、イントロから一気に楽曲のエモーショナルな世界に引き込まれる一曲だ。MVは“NEO SOUL”“Kyo 181”といった過去の楽曲も手がけたMelt Mirrorが監督。(後藤美波)
LINNA FIGGとkyazmによるデュオ SATOHがラブリーサマーちゃんとコラボレーションした一曲。今年6月にOnly Uを迎えた『FIFA』をリリースし、認知を広げたSATOH。今回はラブリーサマーちゃんを迎え、二組の共通点とも言える、バンドサウンドでありながらポップミュージックに落とし込んだ楽曲になっている。ラブサマちゃんのラップにも注目したい。アートワークにはアバター化したラブサマちゃんが登場しており、これから公開予定のMVも楽しみ。(川浦慧)
大阪出身の29歳、日本とオーストラリアにルーツを持つJojiことジョージ・ミラー。チャンネル登録者数788万人(執筆時点)を誇るコメディー系YouTuberの「Filthy Frank」として知られ、ピンク色の全身タイツを着用したキャラクター「Pink Guy」はネットミームとして世界各地で人気を博した。2017年に健康上の理由からFilthy Frankとしての活動を終えることを宣言した彼が、シリアスな音楽を発表する際の名義がJojiだ。
6月にリリースされてバイラルヒットを記録したピアノバラード“Glimpse of Us”に続く新曲“YUKON (INTERLUDE)”は、これまでの楽曲と同じく88risingを通じて発信。よく引き合いに出されるジェイムス・ブレイクからの影響も感じさせながら、疾走感のあるビートがさわやかな軽さを付け加えている。元YouTuberという肩書はもう不要かもしれない。(佐伯享介)
曽我部恵一が新型コロナウイルス感染症の療養期間中に制作したアンビエントアルバム『Memories & Remedies』より。アルバムタイトルや“-Portrait Of Father”“House Where Mother Lives”といった他収録曲から想像するに、本作には、記憶に深く深く潜り込み、音楽制作を行なうことで自らを救済していった、その過程そのものがドキュメントされているのかもしれない。
ガルシア=マルケス『コレラの時代の愛』にならい「コロナの時代の愛」と題されたこの曲が他のアンビエント作品とどこか違って聞こえるのは、自然を感じさせたり、あるいは瞑想的なものでも、チルや癒しへと誘ったりするものでもなく、生を渇望する原初的な叫びというような、切実なエネルギーに満ちているからか。曽我部恵一という音楽家が巨大な愛の塊であるということを思い知らされる。(山元翔一)
このほかにも、今週はArctic Monkeys、諭吉佳作/men、Rina Sawayama、KEY、ODD Foot Works、岡田拓郎などの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Musicで毎週水曜に更新中。