Text by CINRA編集部
毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲したプレイリスト(2022年8月15日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。
「上白石萌歌のアーティスト名」という説明はもはや不要かもしれない。そう思わせるほど、ひとりのシンガーとして研ぎ澄まされた表現をつづけているadieu。新曲“夏の限り”は柴田聡子が作詞作曲を手掛けた楽曲となる。両者がタッグを組むのは1月に発表された“灯台より”以来。晩夏の夜を想起させるような懐かしくオリエンタルな空気感をまとったメロディーと、adieu曰く「うっとりするほど美しく、やさしくも痛く、魔法のよう」な歌詞世界、そしてadieuの透き通った羽毛ような歌声からなるこの曲は、シンプルなアレンジながら、驚くほど複雑な色合いで発光している。
この曲は9月14日にリリースされるニューアルバム『adieu 3』に収録。PVの監督は鳥畑恵美莉が務めている。(佐伯享介)
8月12日にサプライズリリースされた最新アルバム『TRAUMAZINE』収録曲。「自己実現とトラウマへの対処と向き合う旅」について描かれたというパーソナルかつポリティカルなアルバムのなかでも、“Her”はヘイターを一蹴するような力強い1曲。ハウストラックに乗せて「私は私、何をしても無駄」というアティチュードで自分自身を誇示してみせる。コリン・ティリーが監督を務めたモノクロのMVでは、Lil Nas X“Industry Baby”などの振付も手がけたシーン・バンクヘッドが振付を担当。なお、ミーガンは今週末に『SUMMER SONIC』に出演し、初来日公演を披露する。(後藤美波)
今年で活動開始から10周年を迎えたレーベルTREKKIE TRAXの共同主催者Carpainterが、約1年ぶりとなる新作EP『Plastic Dancer』を同レーベルからリリースした。前作に見られたファンキーなテクノやハードハウス的なアプローチを推し進め、より夏らしいホットな楽曲群が集められている。タイトルトラックの”Plastic Dancer”は多幸感溢れるシンセベールのリフレインによって徐々にアシッドな世界に誘われるようなトラック。メンバーそれぞれが活動の場をさらに広げるTREKKIE TRAXに引き続き注目だ。(山本輝洋)
ガラージやジャングルといったダンスミュージックをインディーポップ、SSW的なトーンのボーカルに合わせるアプローチで今や「planet rave」、あるいは「POLLEN」的なムードを象徴する存在の一人となったPinkPantheressの新曲。フィーチャリングゲストにはSam Gellaitryを迎え、ハウシーでポップな彼女らしいバランスのダンスチューンに仕上がっている。スタイリッシュなミュージックビデオはYung Lean & FKA Twigsの”Bliss”のMV(Nellyオマージュが最高)なども手掛けたAidan Zamiriによるもの。(山本輝洋)
このほかにも、今週はM.I.A.、Nicki Minaj、Four Tet、Hudson Mohawke、(sic)boyなどの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Musicで毎週水曜に更新中。