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なぜ? トヨタ系自動車部品メーカーのアイシンが美容事業に参入!

2022年09月01日 15:12  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
自動車部品メーカーとして知られるアイシンが、美容事業への本格参入を発表した。同社として初めて開発した美容機器「ウィンセル」(WINDSCELL)を2022年11月に発売し、美容クリニックなどに販売していく方針だ。なぜ美容なのか。どんな技術を使っているのか。自動車部品事業との関係は? 話を聞いてきた。


○排ガス処理の技術を活用



アイシンはトヨタ系の総合自動車部品メーカーで、エンジン部品やブレーキ関連部品、トランスミッション、カーナビゲーションなどを製造している。2021年度の売上高は3.9兆円強。そのうち、実に90%以上を自動車関連で稼いでいる。そんなアイシンが美容機器を開発したのはなぜか。

アイシンは以前から、住生活・エネルギー関連事業も手掛けていたが、それらの事業に自動車部品の素材、技術を融合させた結果、美容事業進出の手掛かりを得た。空気中の水分子を1.4nm(ナノメートル)ほどの水粒子に変換して放出する技術の開発に成功したのだ。アイシンでは同技術で放出される水粒子を「アイル」(AIR)を名付け、この技術を搭載した世界初の美容機器「ウィンセル」を開発した。


アイルは目に見えないほどに小さい水粒子で、サイズは1.4nm~1.5nmくらい。ちなみに、スチームで出る水蒸気は1,000nm以上という大きさだ。ウィンセルはアイルを放出する美容機器で、顔に美容液などを塗ってアイルを浴びると、有効成分が肌に浸透するという仕組み。空気中の水蒸気をアイルに変換するナノ構造特殊膜カートリッジには、自動車やオートバイの排ガス処理に使う金属のハニカムを活用している。



ウィンセルの販売価格は300万円前後。今後3年で600台程度の販売を見込んでいるという。(藤田真吾)