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杉本博司の「本歌取り論」を紐解く 姫路市立美術館で展覧会開催

2022年08月28日 09:01  Fashionsnap.com

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杉本博司≪光学硝子五輪塔カリブ海、ジャマイカ≫2011/1980年

Image by: ©Hiroshi Sugimoto
アーティストの杉本博司が、アートの力で姫路の魅力を国内外に発信するアートプロジェクト「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」の一環として、展覧会を姫路市立美術館と書寫山圓教寺で開催する。会期は、姫路市立美術館で9月17日から11月6日、圓教寺で開催中の前期が8月31日、後期が9月17日から12月4日まで。

 姫路市立美術館では、杉本の作家活動の原点である写真技法を和歌の伝統技法の本歌取りと比較した「本歌取り論」に着目。時間の性質や人間の知覚、意識の起源といった杉本が長年追求してきたテーマをもとに、千利休の「見立て」やマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の「レディメイド(Ready Made)」を参照しながら独自の解釈を加えた作品として、初公開の屏風仕立ての写真作品「天橋立図屏風」とその着想源となった「三保松原図」、春日大社に関わりのある「金銅春日神鹿御正体」と同作を本歌とした「春日神鹿像」などを展示する。また、尾形光琳の「紅白梅図屏風」を本歌とする「月下紅白梅図」や、書寫山圓教寺所蔵の「性空上人坐像」を本歌とした写真作品「性空上人像」といった新作も揃える。
 現在、前期展を開催中の圓教寺では、重要文化財である常行堂を舞台に「阿弥陀如来坐像」と杉本の作品「光学硝子五輪塔」によるインスタレーションを展示している。9月17日から始まる後期展「能クライマックスー翁神男女狂鬼」では、姫路の文化資源をテーマに杉本が監督を務めた映像作品として、姫路城の書寫山圓教寺を舞台にした五番立て構成の能「神男女狂鬼」に特別編の「翁」を加えた「Noh Climax」のインスタレーションを行う。

■本歌取り─日本文化の伝承と飛翔会期:2022年9月17日(土)~11月6日(日)前期:9月17日(土)~10月10日(月)後期:10月12日(水)~11月6日(日)※会期中、展示替えあり会場:姫路市立美術館 企画展示室 所在地:兵庫県姫路市本町68-25開館時間:10:00~17:00 ※入場は16:30まで観覧料:一般 1200(1000)円/大学・高校生 600(400)円/中学・小学生 200(100)円※()内は20人以上の団体料金休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火) ■五輪塔―地 水 火 風 空(前期展)会期:2022年4月29日(金)~8月31日(水) ■能クライマックス―翁 神 男 女 狂 鬼(後期展)会期:2022年9月17日(土)~12月4日(日)営業時間:10:00~16:00会期中無休観覧料:一般500円/大学生・高校生200円/中学生・小学生100円/未就学児は無料会場:書寫山圓教寺 常行堂(国指定重要文化財)所在地:兵庫県姫路市書写2968