勤務先の保育園を1週間で辞めたというエピソードが寄せられた。保育士が退職するのは年度が切り替わる3月が多いイメージだが、1週間で限界が訪れた職場環境とはどのようなものだったのか。
北海道で保育士として働く30代女性(年収350万円)は、その保育園に入社する際、「今まで乳児クラスしかほとんど経験がなく、面接でも伝えていた」が、
「3月31日に研修を兼ねていった際に幼児クラス(3~5歳児合同で20名ほど)を1人で担任してと言われた」
と振り返る。(文:林加奈)
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「翌日から新年度なのに、園児を迎える準備が全く終わっていない」
乳児と幼児では、当然保育内容は大きく異なる。研修のつもりが明日から幼児クラスを持てと言われた女性の困惑は想像に難くない。しかも「翌日から新年度なのに卒園児の名前のシールを取る、新入園児の名前を貼る、クラスの移動、誕生日表の制作などの準備が全く終わっていない」状態だった。
「4月1日になっても準備ができていないまま業務開始。新入園児が何歳児に何人入ってくるのか、名前なども園長と主任が把握しきれていない。園長は系列園から異動してきたばかりで把握しきれていない+前の園でやり残した仕事をしに行くので普段園にいない。主任もパートから正職員になったばかり」
と、その園は組織体制がまったく整っていなかった。
「泣きながら帰る日々が続き…4月1日入職、4月8日退職」
女性は仕事面でも現場で追い込まれていった。
「仕事を覚えようにも聞く人がいない。子どもの名前、1日の過ごし方、事務仕事、全部わからないのにやらなきゃならない責任感。担任は私1人なので週案、年月案、個人記録、3クラス分やらなければならない。頭が回らなくなり、文章が思い浮かばない」
慣れない仕事で頼る人もない中、精神的にも追い詰められた女性は、
「もう嫌だとなってしまい、初日の帰り道で号泣。そのまま泣きながら帰る日々が続き、通勤にも支障が出てしまったので退職を申し出ました。4月1日入職、4月8日退職」
と経緯を綴った。
女性はしばらくの間は何もする気になれなかったものの、転職活動がうまくいき、5月からは新しい職場で働き始めたという。「転職してとても満足しています」とも綴っていた。