社長がいきなり無茶なルールを言い出すことはよくある話だが、人には我慢の限界がある。キャリコネニュース読者から「営業マン時代の職場にやばいルールがありました」と切り出す経験談が寄せられた。そのルールとは結果的に
「訪問件数を回れば回るほど給料がほぼマイナスするというリスクを負う」
という理不尽極まりないものだった。(文:okei)
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「契約が取れるまでお客様の家から出るな」という指示
長野県に住む30代前半の男性(技能工・設備・交通・運輸/年収500万円)は、かつて「個人宅訪問の営業」として働いていた。その会社には「営業マンの評価を『非常に良い、良い、普通、悪い、とても悪い』の5段階で、お客様にしてもらう」という決まりがあった。恐ろしいのはこの評価が、明確に「給料に反映されていた」ことだ。
「とても良いはプラス3000円、良いはプラマイ0円、普通はマイナス3000円、悪いはマイナス5000円、とても悪いはマイナス10000円。というルールでした。普通ですらマイナス、『良い』以上を取らないと給料が減ってしまうというシステムでした」
「良い」でもプラスにならず、「普通」でマイナス3000円では目も当てられない。それでも、丁寧な営業ができればプラスを目指しモチベーションがあがったかもしれない。この会社はそれすら許さなかった。取り扱う品は「同業他社がとても多い商品」だったというが
「会社側からは『契約が取れるまでお客様の家から出るな、出たら同業他社に仕事を取られる、無理にでも契約を取れ』という指示でした。当然お客様は同業他社のものも見たいため、その場で契約というのはほとんどありません。そこを無理やり契約に持ち込めと言うのですからそれはお客様からの評価は『良い』以上にはほぼなりません」
と営業活動は過酷を極めた。
社長が「社員を苦しめるルールを思いつきで作っていました」
そんな状況で必死に営業した結果は、次のようなありさまだ。
「周りの営業マンの評価はほとんど『普通』以下。訪問件数を回れば回るほど給料がほぼマイナスするというリスクを負う状態になっていました。でも契約を取らなければ当然インセンティブがつかない為給料は低い、だから件数回らなからばならないという板挟みでした」
行くも行かぬも地獄の仕組みで、心身ともに相当参ってしまうだろう。この会社は「かなりの大手でCMもやっている有名な会社」だというが、「社長がかなりめちゃくちゃな人で、社員を苦しめるルールを思いつきで作っていました。中には社員からの猛反発があり撤廃されたルールもあったそうです」と男性は明かす。
男性はこのルールが出来てすぐに退職したそうで、今でもこのルールがあるかどうかはわからないという。最後に改めて
「しかしこんなルールが今でもあるなら、皆精神をすり減らしてしまうだろうなと思います」
と「やばいルール」の理不尽さに思いを馳せていた。