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第6戦テルマス耐久にWTCR参戦の豪華スターが集結。トヨタのデビュー戦陣容も確定/TCRサウスアメリカ

2022年08月22日 17:40  AUTOSPORT web

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この1戦を実戦デビューの場として選んだ新型『トヨタ・カローラGRS TCR』も参戦体制が確定
8月27~28日に南米アルゼンチンが誇る最新の国際トラック、テルマス・デ・リオ・オンドで開催されるTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦は、4月末に開催された第2戦インテルラゴスに続きドライバー交代を含んだ恒例の160km耐久戦として実施される。

 そのエンデューロ・イベントに向け、グローバルに活躍を演じる国際派ドライバーたちのゲスト参戦が続々と決定。今季もWTCR世界ツーリングカー・カップにリンク&コー・シアン・レーシングから参戦したサンティアゴ・ウルティアはPMOモータースポーツに“復帰”し、勝手知ったるリンク&コー03 TCRをドライブ。

 同じくALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツのダブルエースを務める同国出身のエステバン・グエリエリとネストール・ジロラミも、長年の愛機FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRのステアリングを握ることがアナウンスされた。

 また、この1戦を実戦デビューの場として選んだ新型『トヨタ・カローラGRS TCR』も参戦体制が確定し、直近の最終テストを担当した18歳の新鋭ホルヘ・バリオと、隣国ブラジルのトップカテゴリーSCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”で年間最多ポールポジション記録も保持するチアゴ・カミーロが、栄えあるデビュー戦でシートを共有することが決まった。

 2022年のWTCRにも引き続きリンク&コー・シアン・レーシングから参戦したウルグアイ出身のウルティアだが、既報のとおり第7戦アノー・デュ・ハンを前に親会社である吉利汽車の意向により、WTCRプログラムの「即時中止」を断行。これによりシーズンのレギュラーシートを失う結果となっていた。

 そのウルティアは2021年もサウスアメリカ・シリーズに“カメオ出演”し、ふたつのイベントで2勝を挙げているが、その際に共闘したPMOモータースポーツに再び合流し、今回はレギュラードライバーのホセ-マニュエル・サパーグとマシンをシェアする。

 そのPMOに所属する現ポイントリーダーのファブリツィオ・ペッツィーニは、今季最初の耐久戦でファン-パブロ・ベッソーネの相棒としてプジョー308TCRをドライブしたカルロス・オクロヴィッチを新たなコドライバーに起用。さらに3台目のリンク&コーを走らせるマルシオ・バッソは、かつてGP3や南米のF3選手権で研鑽を積んだ元シングルシーター乗りのピーター・ヌネスが僚友となる。

■注目の『トヨタ・カローラGRS TCR』は若手有望株がドライブへ
 一方、こちらも再びのシリーズ“復帰組”となるホンダ陣営のグエリエリとジロラミは、前者が昨季もクリティバとブエノスアイレスの双方でともに戦ったスクアドラ・マルティーノに合流。昨年はシビックでともに表彰台を獲得したサパーグではなく、新たにファビオ・カサグランデとのペアで挑む。

 さらに後者は、SCBにも参戦するブラジルの強豪クラウン・レーシングとジョイントし、昨年はラファエル・レイスと一緒にブエノスアイレスで獲得した勝利を再現するべく、今季はアルゼンチンの人気ツーリングカー選手権スーパーTC2000(STC2000)で大活躍を演じる17歳イグナシオ・モンテネグロとタッグを組む。

 そしてシリーズ初登場、大注目の1台となる新型『トヨタ・カローラGRS TCR』は、この7月に正式なTCR認証を取得したばかりのモデルであり、南米大陸でトヨタのモータースポーツ活動を牽引するTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)と、その母体であるトヨタ・アルゼンティーナは、この8月初旬にも契約配下のマティアス・ロッシらを招聘して本格的な最終テストを実施してきた。

 そのデビュー戦を託されたチアゴ・カミーロは、長年SCBの強豪イピランガ・レーシングでエースを務め、2020年よりTOYOTA GAZOO Racingブラジルの一員としてトヨタ・カローラをドライブしてきた。その初年度には4回のポールポジションを含む2勝を記録してランキング4位とすると、翌2021年には5勝に伸ばして年間3位を獲得している。

 一方のバリオも今季よりSTC2000でトヨタ陣営に加入し、第4戦のネウケンではトヨタ・カローラSTC2000でシリーズ初優勝をマークするなど、将来のTGRAを背負う若手有望株として期待されている。

 すでにTCR競技用の完全公認を受けた新型『トヨタ・カローラGRS TCR』は、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)測定の結果、レーシングウエイトはバラストなしの1265kgに。また、2リッター直列4気筒エンジンの8AR-FTS型を搭載するエンジンは、ECU制御による出力で100%、最低地上高は80mmの割り当てとなっている。