せっかく転職したのに、入社を後悔する会社もある。奈良県の50代男性(企画・マーケティング/年収750万円)は、「社長を含めた従業員が13人ほどの小規模なコンサル会社」に中途入社した際の、社内の混乱ぶりを振り返った。(文:コティマム)
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プロジェクトに関わる10人のうち8人が辞表提出
男性は、あるメーカーが行う「関西での物流改革プロジェクト」に、社長を含めた10人が関わっていたという。男性も中途入社ながらそのプロジェクトに参加することになった。ところが、
「入社の翌月には社長から『このプロジェクトから撤退する』と発表があり、社長を含めた10人のうち、このプロジェクトのために新規採用された者も含めて計8人が辞表を出した」
と社員のほとんどが辞める事態となった。
そもそも、男性の会社はプロジェクトで「末端の物流現場の運営」を受託していた。それが元請物流会社の勝手な思惑も影響し「1か月で業務が破綻」。プロジェクト開始1か月で「メーカーに数億円の損害を与えてしまった」という。
「社長はプロジェクト責任者でありながら、自身のプロジェクト管理能力のなさを棚に上げて、現場運営の主体的立場の社員に責任を押し付けていた。 当然、若手は全員辞表を出す始末」
「本来、当事者と上司である社長だけでやり取りすればいよい退職意向のやり取りを、通常業務のメールでの情報共有のように、全員配信で『辞めます』『私も辞めるつもり』『私も』というように共有する社員が何人もいた」
というから、社内の混乱ぶりがうかがえる。
新入社員を「入社初日の朝9時に追い返していた」
若手が次々に去った職場で、大変なのは男性を含む残された社員たちだった。
「プロジェクトの火消しに、1日18時間以上(うち時間外10時間以上)×30日の労働を、土日祝関係なくさせられた」
そのうえ社長は、このプロジェクトのため自ら面接して採用した相手を「撤退を理由に、前職を辞めて転職してきた者を入社初日の朝9時に追い返していた」というデタラメぶりだ。
「結局、社長から従業員に対する誠実な対応もなく。100時間どころか、300時間以上の時間外勤務を報告して、時間外手当や関西から東京出張にかかる宿泊などの費用の手当を1円も受け取れずに退社した」
と綴る男性。残念ながら泣き寝入りを余儀なくされたようだ。