今日は田舎者の僕が田舎の娯楽事情について書いてみたい。時期柄、久々に田舎に帰ってみたが、やっぱり田舎じゃやることなくて、帰省中はずっとスマホをいじってた、みたいな都会人もいるでしょう。田舎とは、娯楽が乏しい世界だということを痛感したって人も多いかもしれない。
しかし、娯楽が乏しい世界というのも、意外とそこに暮らす趣味人にとっては悪くもなかったりする。(文:松本ミゾレ
イオンへの思いはやっぱりすごい
先日、ガールズちゃんねるという女性向け掲示板に「田舎に住んでる人の娯楽をあげるトピ」というテーマが立っていた。
「カラオケ」
「素潜り」
「パチンコ」
「ジャスコ(イオンのこと。割と田舎者は今もイオンをジャスコと呼ぶことが多い。特に高齢者は)」
「ドライブ、サイクリング、ウォーキング」
「噂話」
「山菜採り」
「家庭菜園、ガーデニング」
この中には「都会でも出来るやろ」ってものが大半なんだけども、都会には他にも色々と娯楽があるから選択肢としてはかなり後ろ側にあるものが、田舎では前の方に押し出されがちなのだ。
だから上記の娯楽というものは、都会暮らしをしている人よりも田舎に生きる人の方がより熱中している割合が多い……と僕は勝手に思っている。
田舎と都会、どっちにも住んでたことがある身からすれば、やっぱり田舎ではイオンへの思いとか熱量はすごいものがある。彼らにとってはイオンって総合デパートみたいなものだし。
他にも、都会の人からすれば対して訴求力もなさそうな娯楽ばかり挙げた感じはするが、これらの娯楽を必死にしゃぶり倒すしかない地域もあるのだ。
土地の広さを上手く活かせば趣味も充実?
というわけで、田舎の趣味人というのは都会の趣味人と違って、恵まれていない部分も多い。まずそもそも趣味を楽しむにも文化が流入するのが遅いというのもあるし、イベントなんかが開催されてても出向くにも手間と金がかかる。
一方で田舎にも良いところはある。例えば土地の広さだ。これは趣味を満喫する上で強みとなる。僕の友人にも、田舎で悠々自適に趣味を満喫している者がいる。彼の場合、コイだの蓮だのDIYだのが趣味なんだけども、これを可能にするのは自宅の敷地が広いからこそ……みたいなところが大きい。
都会だとお金はあっても庭がない、敷地がない、周りの理解もやや得にくいということもある。たとえば田舎の娯楽としてはよくあるガーデニングにせよビオトープにせよ、家と家の感覚が狭いと「お宅の庭から虫が飛んでくるんですけど」みたいなクレームに発展しかねない。
その点、元々人口密集地でもない田舎では気兼ねがいらないことが多い。そこへ来て都会ほど娯楽の選択肢も多くはないので、結果的に1つの娯楽に集中して力を入れやすい、という部分もある気がする。
実際僕も、かつて都会暮らしをしていた頃には諦めていた家庭菜園を、一度地元に引っ込んでから存分に楽しめたし、そのためのスペースが実家にもあったわけで……。田舎も決して悪いことばかりではないのだ。