カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日8月19日は「バイクの日」にちなんで、バイクを印象的に描いたマンガを紹介します。
【大きな画像をもっと見る】文・構成 / コミックナタリー編集部
■ さいとー栄「終末ツーリング」(KADOKAWA)
□ ヤマハのセロー225に乗って、少女2人が滅びた世界の名所巡り
バイクにまたがって、2人の少女が名所をあちこち訪問! 箱根で富士山を眺め、横浜ベイブリッジで釣りをしてと、タンデムで楽しく旅する2人だが、周囲の景観はひどく荒れ果てていて……? 「終末ツーリング」の舞台は、文明が崩壊を迎えた終末世界。ゆりかもめの線路をバイクで渡って東京ビッグサイトまで走ったり、廃墟のようになった秋葉原で野生生物と遭遇したりと、実在の街や観光地の変わり果てた姿を眺め、そこをバイクで走ったらという空想が叶うSFツーリング作品となっている。なお主役の2人がまたがっているバイクは、ヤマハのセロー225が電動仕様に改造されたもの。その精密な作画は、専門媒体でも取り上げられるなどバイク好きからも話題になっている。同作は電撃マオウ(KADOKAWA)で連載中だ。
「終末ツーリング」 - ComicWalker■ 藤田和日郎「うしおととら」(小学館)
□ 寂しい魂を埋めようとスピードを求めた……暴走する若者と妖怪バイクの物語
獣の槍を持った少年・うしおと妖怪・とらが出会い、ともに妖怪退治をする姿を描いた「うしおととら」。15巻に収録されている第26章「HIGH SPEED EATER」は、スピードを食らう妖怪・一角が取り憑いたバイクを巡る物語になっている。長い旅を終えて、久しぶりに学校へ通うことができたうしお。平穏な日常に戻ってきたことに安堵を覚えるが、そこに幼なじみの少女・麻子の姿はなかった。麻子は学校を近頃休みがちで、暴走族のヘッドが運転するバイクの後ろに乗っているのを見たという噂を聞いたうしおは……。
「うしおととら」15巻 - 小学館■ ウエダハジメ「フリクリ」(星海社)
□ その女のベスパに轢かれた瞬間、少年の退屈な日常は完全に打ち砕かれた!
「……すごいことなんてない ただ あたりまえのことしか おこらない」「どこまでも ひろがる 退屈で平坦な世界──」そんなナオ太の日常は、謎の美女・ハル子がかっ飛ばすペスパに豪快に轢かれた瞬間、完全に打ち砕かれる! のちにアニメ「化物語」のエンディングイラストなども手がける異才・ウエダハジメによる「フリクリ」は、公式の作品紹介文「破格の漫画表現」の看板に偽りなく、アニメの単なるコミカライズ版にとどまらないエッジの効いた作品に仕上がっている。主人公・ナオ太以上の存在感を放つハル子が作中で乗るペスパは、少年の感じる閉塞感をそのスピードを持って振り払う物語を象徴する乗り物だ。
「フリクリ」上巻(星海社文庫) - 星海社