ブラック企業に勤めると、身内の葬儀の日でさえ休みを取りにくいという、ありえない状態に陥ることもある。30代男性(教育・保育・公務員・農林水産・その他)は、こんな「愕然とした」経験談を明かした。(文:草茅葉菜)
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「それくらい省みずに職場に尽くすべきだ」
男性は面接で「希望休OK」と聞いていたのに、いざ申請してみると「冠婚葬祭以外不可」と言われてしまった。しかも上司は
「自分は義理の母親の葬儀があった日も仕事に出ていた、それくらい省みずに職場に尽くすべきだ」
と自慢げに語ってきたというから驚きだ。ひたすら滅私奉公を強いられたあげく「冠婚葬祭でも出勤すべき」という話になっている。男性は「唖然とした。貴女の武勇伝を聞きたいわけではない」と呆れた様子だ。
また、60代の女性(医療・福祉・介護)が勤める会社では、夫が亡くなって退職する事になった職員がいた。すると社長が葬式の日に
「社会保険を返しに来る様にと連絡しろ」
と事務員に指示したというのだ。職員は泣く泣く保険証を返しに来たという。
「ご主人が亡くなったと私が知ったのは葬儀から10日ほど経った頃だった。会社の誰もお通夜にも葬儀にも参列していない事を知り驚いた」
と語る女性。会社が周知せず、誰もおくやみの言葉ひとつかけられなかったのだ。その後は「電話をさせられた事務員さんはあまりの会社の対応にショックを受け辞めてしまった」と残念な結末を報告した。