劇場アニメ「四畳半タイムマシンブルース」の完成披露上映会が本日8月12日に東京・新宿バルト9で開催。舞台挨拶には「私」役の浅沼晋太郎、小津役の吉野裕行、夏目真悟監督が登壇し、司会は天津・向が務めた。
【大きな画像をもっと見る】「四畳半タイムマシンブルース」は2010年にTVアニメ化された森見登美彦の小説「四畳半神話大系」と、上田誠による戯曲「サマータイムマシン・ブルース」とのコラボ小説が原作。本日8月12日は、作中で「私」たちがタイムマシンを見つけて乗り込んだ日となる。3人はそれぞれ劇中に登場するマスコット・もちぐまんをポケットに忍ばせて登場した。
アニメ「四畳半神話大系」にも絵コンテ・演出として参加していた夏目監督。12年の時を経て監督のオファーが来たことに対して「懐かしさとうれしさが来たというか。(TVアニメ)シリーズのときも、ずっと作っていきたいなと思いながら作っていて、寂しいまま終わったんですが、復活することになり自分にチャンスをもらえてうれしかったです」と感慨深げに語る。浅沼も「僕の中でも特別感のある作品、キャラクターだしうれしかったです」と述べ、吉野は「劇場で観たいですね」とこれから鑑賞するお客さんを見渡した。
話題はアフレコ時のエピソードに移り、吉野が浅沼に「苦労しました?」と聞くと、間髪入れずに「苦労しました」との返答が。「私」とナレーションを務め、早口でセリフ量も膨大な浅沼は、「12年ぶりに、やっぱり人間って息継ぎ必要なんだなってことが改めてわかりましたし、舌って取れそうになるんだなっていうのも12年ぶりに思いました」と淡々と語り笑いを誘った。
また「四畳半神話大系」での思い入れのあるエピソードを語るパートでは、夏目監督は第6話「英会話サークル『ジョイングリッシュ』」を挙げ、「『四畳半神話大系』は鬱々とした大学生が主人公で、自分も当時、演出になりたてのくされアニメーターだったので『私』に共感していた」「特にこのエピソードは羽貫さんのおっぱいが肩にあたっただけでドキドキしちゃうような描写もあったりして、共感を持っていた」と当時を振り返る。また12年の時を経て「自分のマインドや考え方も変わった」「この瑞々しさはもうないんだなあって思い返したりもします」とも語ると、浅沼が「それ、僕にも言ってます?(笑) このくされ声優に」とのツッコミが。これには夏目監督も「いえいえ、自分のことです!」と弁明していた。
中村佑介が手がけたキャラクターデザインについては、夏目監督から「今回がらっと絵柄が変わってるんです。僕としては当時の時代感のままやろうかと思っていたんですけど、中村さんから『12年経った今やるんだったらもうちょっと現代風な色だったりデザインを入れたらいいんじゃないか』と提案をいただいて、中村さん自身にいろいろ調整いただきました。明石さんの髪のボリュームを少し減らしたり」と裏話を明かす。さらに「城ヶ崎先輩がちょっとマッチョになったのは、森見(登美彦)さんの原作の描写で『筋肉質』とあったけど、それをTVシリーズだとあんまり描写できていなかったので、今回はそれを明確にやりたいなと」と話すと、吉野は「おっぱいボルダリングで鍛えた体ですね」と納得の表情を見せていた。
最後に夏目監督が「すごく面白いものができているという感覚があります。現場のスタッフの士気もものすごく高くて、細かいところまでみんなこだわっているので、映像としても完成度の高いものができています」と自信を覗かせる。吉野は客席に「『四畳半神話大系』を見たことがある人はどれくらいいますか? 逆に『四畳半タイムマシンブルース』が初めてという人は?」と問いかけ客席を見渡し「なるほどなるほど……。どちらでも楽しめますから!」と宣言。浅沼は「夏にぴったりな、バーベキューのようなパワフルさと、花火大会のようなエキサイティングさと、かき氷のような清涼感、いっぺんに襲ってきますので覚悟しておいてください」と締めくくった。
「四畳半タイムマシンブルース」は9月14日よりディズニープラスにて独占先行配信され、9月30日より3週間限定で全国ロードショーとなる。
■ アニメ「四畳半タイムマシンブルース」
ディズニープラスで2022年9月14日より配信限定エピソード含む全6話を独占先行配信
2022年9月30日(金)より3週間限定全国ロードショー
原作:「四畳半タイムマシンブルース」森見登美彦著、上田誠原案(KADOKAWA刊)
監督:夏目真悟
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
キャラクター原案:中村佑介
アニメーション制作:サイエンスSARU
□ キャスト
浅沼晋太郎、坂本真綾、吉野裕行、中井和哉、諏訪部順一、甲斐田裕子、佐藤せつじ、本多力(ヨーロッパ企画)
(c)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会