スタートでホールショットを奪ったのは、F.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)のジョシュ・フックとなり、2番手にはTeam HRCの高橋巧、3番手にはKawasaki Racing Team Suzuka 8H(カワサキ8H)のレオン・ハスラムが続く。2周目にはスプーンひとつめで作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)がマシンコントロールを失い、前を走行する浦本修充(SDG Honda Racing)に突っ込むかたちで接触。このアクシデントで早くもセーフティカー(SC)が導入された。
そんな波乱の展開となるなか、首位争いは“ホンダワークス”であるTeam HRCの高橋がF.C.C. TSR Honda Franceのフックをオーバーテイクしトップを奪還。リスタート直後には、22番グリッドから4番手に浮上してきたヨシムラSERT Motulのグレッグ・ブラックが3番手に上がってくると、その勢いのままトップ2もオーバーテイクしてなんとトップに立つ。
その後も団子状態でトップ争いが繰り広げられるなかでヨシムラSERT Motulは3番手に後退、Team HRCとKawasaki Racing Team Suzuka 8Hによる首位争いはカワサキ8Hに軍配が上がる。しかし9周目のホームストレートで圧倒的な直線スピードを披露したTeam HRCが再び隊列の先頭に躍り出る。
トップ3が1回目のピットを完了した後もTeam HRCは首位をキープし、2番手にカワサキ8H、YART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC(YARTヤマハ)が3番手に続く。レースはこの3チームによる優勝争いがその後も繰り広げられることになる。
スタートから2時間18分となる60周目には、デグナーふたつめの立ち上がりでT.MOTOKIDS TAKADA Iron Works NACが単独転倒、マシンから出火が発生したため2度目のSCが導入された。
そしてこのSC導入でトップ争いに変化が。鈴鹿8耐ではSCが導入されると2台のホンダNSXが異なる場所で同時にコースに出ていき、それぞれの場所で隊列を組むことになっているが、トップのTeam HRCはコースを半周先行するSCを捉えたのに対し、2番手のKawasaki Racing Team Suzuka 8Hはその隊列に加わることができず、もう1台の後方SCの隊列につくことになってしまう。
2位にはレース序盤からトップ争いを繰り広げたKawasaki Racing Team Suzuka 8H(レオン・ハスラム/アレックス・ロウズ/ジョナサン・レイ)が1周差で続き、3位には急きょシルバン・ギュントーリの欠場が決定してしまい、8時間をふたりで戦うことになったヨシムラSERT Motul(グレッグ・ブラック/渡辺一樹)が入った。
4位はS-PULSE DREAM RACING・ITEC(生形秀之/渥美心/津田拓也)、5位はTOHO Racing(清成龍一/國川浩道/國峰啄磨)、6位はHonda Dream RT SAKURAI HONDA(濱原颯道/日浦大治朗/國井勇輝)、7位は終盤のクラッシュから素早いマシン修復を果たしてレースに復帰したYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC(マービン・フリッツ/ニッコロ・カネパ/カレル・ハニカ)、8位はTeam ATJ with JAPAN POST(高橋裕紀/伊藤和輝/小山知良)、9位はTEAM KODAMA(児玉勇太/長尾健史/長尾健吾)、10位はF.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/マイク・ディ・メリオ)というトップ10になっている。以下45台中44台がチェッカーを受け、リタイアはBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMの1台のみだった。