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あの新型「カウンタック」も参加! ランボルギーニで大人の修学旅行へ

2022年08月05日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
全国のランボルギーニオーナーが集結し、自らの愛車を駆って日本の美しいロケーションを巡るドライブイベント「GIRO Japan 2022」に参加してきた。「GIRO」(ジロ)とは「巡る」を意味するイタリア語で、例えば自転車レースで有名な「ルーツ ド フランス」は「ジロ デ イタリア」となる。日本では2017年に名古屋・大阪で初開催し、北海道や九州を経て今年で5回目。今回の舞台は信州・長野だ。諏訪湖から上田を抜けて軽井沢へ。そして最終日は、ランボルギーニらしく“牛に引かれて”善光寺を目指した。


○諏訪湖にランボルギーニが大集結!



DAY1の集合場所は、歌川広重の「諸国名所百景」にも登場する諏訪湖畔にある「諏訪湖イベントホール」。筆者は都内から鮮やかなイエローの「ウルス」(パールカプセル仕様)で駆けつけたのだが、そこに向かうまでの中央道には関東ナンバーのランボルギーニが何台も走っていて、早くも期待が高まってくる。


ホール内で開催されたウェルカムディナーには、3日間の旅を共にするランボルギーニ・ジャパンのダビデ・スフレコラ社長が登壇。「参加するみなさんは、スタッフも含めてランボのファミリー。我々らしく、勇敢で本物でワクワクする旅にしましょう」と挨拶した。


会場でアンベールされたのは、発表されたばかりの3億円オーバーカー「カウンタックLPI 800-4」。今回のツーリングに参加するとのことで、度肝を抜かれた。ステージではストリートマジックの「Cyril」(セロ)さんが圧巻のステージを披露。参加者のiPhoneを使ったパフォーマンスでは(詳細はネタバレになるので割愛)、タイミングを合わせて諏訪湖上に花火が打ち上げられ、こちらも「クンタッチ!」(驚愕するを意味するイタリア語。カウンタックの本国での呼び名)な演出となった。


○ランボ軍団、上田城に攻め寄せる



DAY2は、お宿となった上諏訪温泉の老舗旅館「布半」でのブリーフィング後、イベントホールに移動して出発式と記念写真撮影。諏訪大社の宮司さんによるお祓いと和太鼓に見送られて出発するのは、新型カウンタックをはじめ、最新の「ウラカン STO」などV10ウラカンシリーズ、「SVJ」を筆頭とするV12アヴェンタドール各車、スーパーSUVのウルス、さらにはレース車両である「ディアブロGT2」をベースに公道仕様として開発されたRWDの「ディアブロGT」などのランボルギーニ軍団だ。


各車には、距離と交差点の写真が付いたルートマップが配布された。先導車両からは、ダッシュボードの無線機を通じてルート情報が伝えられる。それでもルートアウトする車両が出てしまうのは、40台ものスーパーカーがぴたりとつながって走ることができないから。そうしたクルマを元に戻すのはサポートカーのメンバーたちの仕事で、こちらも迅速で見事な対応を見せてくれていた。


隊列はニッコウキスゲが満開の「霧ヶ峰」を通過して上田城に到着。真田幸村や忍者のお出迎えを受けた後は、行列のできる名店「草笛 上田お城前店」で信州名物の蕎麦を堪能し、次の休憩ポイントである浅間山に向かって広大なキャベツ畑の中を進んでいく。


この区間では、我々のクルマはパープルの「ウラカンRWDスパイダー」に切りかわっていたので、屋根を開けて高原のオープンエアーを満喫。一面に溶岩が広がる「鬼押出し園」では神川煌神太鼓の出迎えを受けたり、ドローンによる全車の記念撮影が行われたりして一休み。ゴール地点の軽井沢プリンスホテル手前では全車が指定SSで給油を行ったのだが、スーパーカーで渋滞するガソリンスタンドというのは初めて見たし、給油係さんも目を丸くしていた。それでも給油作業が楽しそうだったのは、ランボ車ならではのオーラが出ていたからだろうか。

宿泊地の軽井沢プリンスホテルウエストで行われた2日目のディナーでは、参加者らが打ち解けてきてあちこちのテーブルで話に花が咲いていた。地元の新鮮食材を使ったオリジナル料理と信州の銘酒、そして人気歌手「BENI」さんによるミニコンサートが華を添える。


○今日は仲良し? ランボとパトカーがランデブー



DAY3のスタート地点であるプリンス駐車場に向かうと、そこには長野県警のパトカーと白バイが。何事かと思っていると、なんと我々のパレードの先導を務めていただけるとのこと。軽井沢署交通課の清水課長からは、「ランボルギーニのようなスーパーカーは、子供たちに夢を与えることができます。私の子供たちも大好きなクルマです。オーナーの皆様には周りの方の模範になるよう交通ルールに従った走りを見せていただき、無事にご自宅まで到着していただくことを願っております」との挨拶があった。


昨日に続いて天候が良くなってきているのは、ランボを手に入れられるほどの参加者たちに“晴れ男”や“晴れ女”が多いからなのではと思ってしまうほど。ホテルに用意されていた小さな「てるてる坊主」をバッグに付けていたら、それを見つけたダビデ社長は「彼女は働いてるねー!」とニコニコ顔だ。


軽井沢駅前ではアウトレットを訪れたお客さんたちからの大歓声の中を通り抜け、上越自動車道を経由して善光寺を目指す。多くの参拝客が訪れる参道を通過する際には、文字通り「牛に引かれる」ほどのスピードで細心の注意を払いながら駐車場へ。「永代宿坊 淵之坊」で精進料理をいただいた後は山門に登ったり、ご本尊とつながることができるという「お戒壇巡り」を行ったり、普段は一般客が入ることができない「本堂内々陣」で安全と多幸のご祈祷をいただいたりして、全行程を終えた。解散式では、今年が7年に1度となる「善光寺御開帳」で建てられた「回向柱」のお守りや交通安全のお札、さらにはホテルの部屋にも掲げられていたランボルギーニ謹製の掛け軸、GIRO JAPAN 2022の修了証などが参加者に手渡された。


若いスタッフたちの頑張りによって実現した3日間の旅は、まさに「大人の修学旅行」ともいえるすばらしい経験だった。メンバーの中には他メーカーのこうしたイベントにも参加している方が多かったようだが、話を聞いてみると、ユニークさや特別感があるGIROが最も楽しいとのこと。小さなお子さんたちが参加していたのも特徴で、「ボクはウラカンの方が好き」といって助手席でドライブを楽しんでいた。彼が免許証を取る頃にはランボルギーニも全て電動化されているだろうが、クルマ作りのパッションはずっと変わらないはずだ。


さて、次回のGIROはどこで開催されるのだろうか。スタッフはもう下調べを始めているのかもしれない。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)