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多様性ウェルカムすぎる神社を発見 「キリスト教、仏教、イスラム教、新興宗教でもなんでもよい。祈りましょう」と呼びかけ

2022年08月04日 12:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

世の中は「宗教」をめぐる対立が相次いでいるが、八百万の神々を祀る日本の伝統的信仰スタイルは、かなり柔軟なほうと言えるだろう。そんな中でも、多様性マックスというか、オープンさではちょっと他の追随を許さなさそうな神社を発見してしまった。(取材・文:昼間たかし)

購入は、完全セルフサービス。PayPayも使えるよ

その神社とは、岡山県倉敷市にある日本第一熊野神社。伝承では、修験道の祖・役小角が701年に紀州熊野本宮を遷座して開いたされる。由緒正しい神社で、中世には修験道の聖地として栄えたとされる。現在でも隣接する五流尊瀧院と共に神仏習合の名残が強い。境内には三重塔もあり、いかにも聖地、パワースポットという厳かな雰囲気がある。

さて、そんな厳かな境内だが、ちょっと毛色が違う場所がある。それは「御守り売り場」だ。

ちょっとした小屋っぽい造りの建物で、中に入るとずらっと「御守り」が並んでいる。これが、神社の名物「からだ御守」。なんと57種類もあるそうで、その一覧がこれだ。

写真:筆者

肩こりや腰痛はもちろん、肝臓、糖尿病、シナプスなんていうのまである。病気のことを話すとき「○○が悪い」というような場所の御守りが、ほとんど揃っているのではないか。

数の多さだけでなく、割引サービスもある。壁に貼られた説明によれば「80歳以上」「車椅子の方」「小中学生 自分の小遣いで購入する方」はすべて半額になる大盤振る舞い。いや、57種類もの健康御守りを作るなんて、儲けるためのアイデアかと邪推したのだが、本気で悪いところを治して欲しいという優しさを感じる。

神社で御守りを頂くところというと、たいていは巫女さんなり神社の人がいるもの。でも、この神社はまったくの無人。入口に置かれたトレーで必要な御守りを取って、お金は出口のところにある集金ボックスへ。現金以外にPayPayでの支払いも可能だ。コロナ禍で非接触型のサービスはあちこちで見かけるようになっているが、この神社はまさに最先端。

さらに、この神社。他の宗教の人もウエルカムを公言しているのがすごい。壁には、こんな「宮司の考え」が貼られていた。

信仰は神社だけが対象ではない。
キリスト教でも仏教でもイスラム教でも
新興宗教でも太陽、月、山でもなんでもよい
祈りましょう。
当神社は、すべての人を受け入れます。

宮司がこのスタンスなら、どんな人にでも神の御利益がありそうだ。どっか身体に異変を感じたら、まずこの神社に行こう。ちなみに境内では、神社の職員が書いたラノベの宣伝もあった。ほんと、色々フリーダムな神社だな。