『厚生労働白書』(2020年)によると、男性雇用者世帯のうちの共働き世帯は、2019年に6割を超えた。共働きがスタンダードになるなか、自分よりも収入の多い妻に複雑な気持ちを抱く夫もいる。
「手取り17万5000円、少なすぎる。妻の収入もないと生活が成り立たない。子ども2人を育てながらの共働き。妻のほうが収入が上だから気持ち的に申し訳ないのと、貯金ができない状態の生活が続いている」(群馬県/30代前半男性/メーカー系/正社員)
別のキャリコネニュース読者からも、妻に「頭が上がらない」という心情を打ち明ける声が届いている。(文:福岡ちはや)
※キャリコネニュースでは「手取り20万円以下の人」にアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/6V8RFE22
「妻の年収は自分の倍近く。不甲斐なさで妻には頭が上がりません」
「現在、妻と共働きで生活しています。妻の年収は自分の倍近くあり、支障なく生活できていますが、不甲斐なさで妻には頭が上がりません」
こう語るのは、サービス系の会社で働く30代後半男性(兵庫県/正社員)だ。年収200万円、手取り13万5000円という男性は、「何度か転職して今の職場にたどり着きました」と振り返り、次のように自己分析する。
「世の中の仕事、ひいては社会に馴染めないというのが自分の中に確信としてあります。今はありがたいことに職がありますが、いつまで雇ってもらえるかという不安とともに、漠然とした楽観主義で『まあ、どうにかなるだろう』とも思っています」
仕事や社会に馴染めなくても、家庭内で家事や子育てに力を発揮できれば問題はないように思える。男性の家庭のように、共働きで妻に経済力がある場合はなおさらだ。
また、男性は今後の家族計画について、
「1人目の子どもが産まれ、2人目をどうするか話し合い、金銭的にそこまでの余裕はないということで1人だけにすることにしました」
と綴っていた。夫婦で納得できる家族のかたちをきちんと話し合えるのなら、それはそれで理想的な夫婦関係といえるのではないだろうか。