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泳げない女性を桟橋から突き落として溺死させた男「ちょっとふざけただけ」と供述(スコットランド)

2022年08月01日 21:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

桟橋から突き落とされて亡くなった女性(画像は『Charmaine O’Donnell 2020年2月24日付Facebook』のスクリーンショット)
過去にアメリカで義理の父親の飲み物に牛の鎮静薬を混入し、逮捕された17歳少年が「面白いかなと思って」と警察に供述したことで大きな波紋を呼んだ。このほどスコットランドでは、桟橋から泳げない女性を突き落として溺死させた男が「ちょっとふざけただけだ」と警察に供述したという。『Glasgow Times』『BBC News』などが伝えている。

スコットランドのアーガイル・アンド・ビュートにあるヘレンズバラ埠頭で昨年4月23日の午後5時過ぎ、グラスゴー出身のシャルメイン・オドネルさん(Charmaine O’Donnell、25)が、面識のない男に桟橋から突き落とされて溺死してしまった。

シャルメインさんを死に至らしめたジェイコブ・フォスター(Jacob Foster、29)は逮捕されたが、7月27日にグラスゴー高等裁判所で行われた裁判では当時の詳しい状況が明らかとなった。死亡したシャルメインさんは友人のケイトリン・マクタガートさん(Caitlin McTaggart、25)と一緒に、ヘレンズバラ埠頭を訪れていた。

ケイトリンさんは「滝のある場所へ行こう」と誘ったが、シャルメインさんが泳げないことからヘレンズバラ埠頭に日帰りで行くことになったそうだ。埠頭に着くと釣りをしている3人の男性と仲良くなり、話をしていると近くにジェイコブがいた。シャルメインさんとケイトリンさんはジェイコブとは全く面識はなかったが、彼は会話に加わりたいようだったという。

その後、ケイトリンさんがシャルメインさんから少し目を離した時に突然、人々が「桟橋から女性が突き落とされて落ちた」と騒がしく声をあげていることに気づいた。そしてケイトリンさんは「それは君の友人だよ!」と言われ、慌てて桟橋の下を覗き込むと水面にシャルメインさんの姿があった。

この時、近くにいた10代の少年少女のグループがハシゴを降りてシャルメインさんを水中から引き上げようとした。その場にはジェイコブもいて、ケイトリンさんは「助けて欲しい」と頼んだが、彼は「俺は一体何をしたんだ? 今回ちょっとやりすぎたかな。長いこと刑務所に入れられちゃうなぁ」と繰り返し口にしていたそうだ。

少年少女のグループによると、水面に流血したシャルメインさんと彼女の靴が浮かんでいるのが見えたとのことだ。シャルメインさんは、桟橋から落ちた際に橋脚などに体を強打したことで首に大きな怪我をし、救急隊が到着する前に溺死してしまったという。

裁判では目撃者のステファン・ケアンズさん(Stephen Cairns、42)が、シャルメインさんが桟橋から落下する直前に手すりの近くに立っているのを見ており、「私が一旦視線を離して再び振り返ると、被告人(ジェイコブ)が女性を突き落とすのを目にしました」と語っており、ジェイコブは桟橋の手すりに立っていたシャルメインさんを背中から突き落としたことが明らかになった。

またシャルメインさんを救おうとした少年少女のグループの1人が「太ってハゲている男が『僕が彼女を突き落とした。彼女が泳げると思ったんだよ』と話していたことを覚えています」と証言した。さらに当時通報を受けて桟橋に向かったゲイリー・デビッドソン巡査(PC Gary Davidson)によると、逮捕後のジェイコブは「事故だったんです。僕は単に彼女を押しただけなんです。ちょっとふざけただけなんですよ」と供述したという。

裁判でジェイコブは「殺人ではなく、あくまでも事故」と訴え、彼の弁護人はジェイコブが精神的問題を抱えていたために責任能力が欠いていたとし、特別な弁護をするように申し立てた。なお裁判は今後も続く予定になっている。

画像は『Charmaine O’Donnell 2020年2月24日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)