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自由研究の蟻が逃走! 手伝った作文が表彰…宿題めぐる悲喜こもごもを調査

2022年07月31日 10:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
CyberOwl(サイバーアウル)が運営する塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」はこのほど、全国の保護者500人に対して「小学生の夏休みの宿題」に関するアンケート調査を実施した。



同調査は2022年7月11日~7月25日、全国の小学2年生~23歳以下の子どもの保護者500人を対象に、インターネット調査にて実施した。


小学生の夏休みが始まった。新型コロナウイルス感染急拡大となっているが、3年ぶりに行動制限のない夏休みということもあり、イベント参加や旅行などの計画を立てている家庭も多いかもしれない。



しかし、子どもたちには夏休みを満喫するだけでなく「自由研究」「読書感想文」「日記」…といった夏休みの宿題という“任務"が課せられている。しかも、それらは子どものみで完遂させるには難しいこともしばしばだ。


まずは、子どもの夏休みの宿題の進め方について聞いた。



小学生の夏休みの宿題といえば、夏休みの終わりごろに慌てて行うイメージがあるが、「計画を立てて進める」家庭は約5割(47.0%)。さらには、「夏休みの始めに終わらせる」家庭も約3割(28.4%)いることから、大抵の子どもは実はスムーズに夏休みの宿題を終わらせていることがわかった。



「夏休みの終わりごろに一気に終わらせる」を選択した人は、約2割(19.2%)にとどまり、「夏休みの間に終わらない」もわずか3.4%。やる気のある夏休み始めの数日である程度宿題を進めるものの、苦手なものを後回しにして気づいたら翌日が登校日だった、などという極端なパターンもあるようだ。



また、子どもが夏休みの宿題を進んでおこなうように、工夫をこらしているという保護者もいる。



・「計画を立てさせ宿題は午前中に終わらせて、午後から自由時間にするというようにメリハリをつけるとお互い楽でした」(40代後半・小学6年生の保護者)

・「とにかく夏休みの前半で終わらせれば、後半は遊び放題だとアメとムチで宿題を終わらせた」(50代前半・高校1年生の保護者)

・「少しでも頑張れたらご褒美にアイスやスイカを食べさせてあげたり、環境を変えて気分が変わるように、実家や旅行先でやらせたりしていました」(40代後半・中学3年生の保護者)



約8割の子どもが計画的に宿題を進めているとはいえ、自主的に進められるようにサポートする保護者の存在は欠かせないようだ。


では、小学生がもっとも手こずる夏休みの宿題はなんだろう。



アンケートによると、「自由研究」(32.6%)と「読書感想文」(29.8%)の2つが群を抜いていた。それぞれどのような点で子どもは手こずっているのだろうか。



【自由研究】

・「1年生のときの自由研究は特に、なにをどうしていいのかまったくわからない状態だった」(40代前半・小学4年生の保護者)

・「自由研究は人と同じものはやりたくなく、かといってオリジナルのアイデアは浮かばずでした」(50代前半・大学1年生の保護者)

・「学年が上がるにつれて、ネタ切れになったり、ほかの人とアイデアがかぶったりして苦労していた」(40代後半・高校2年生の保護者)



【読書感想文】

・「本を読んだ感想だけでは枚数が埋まらず、困っていました」(30代後半・小学2年生の保護者)

・「本自体は楽しく読んだものの、書き方がわかっていなかった。そのうえ、おもしろかった以外の感想がでてこなかった」(30代後半・小学3年生の保護者)

・「まず本を読むのが好きではないので本を読むのに時間がかかり、読み終わるころには最初に書かれていることをすっかり忘れているので、苦労します」(40代後半・中学1年生の保護者)



ほかには、「コロナ禍で出かける機会がなく毎日自宅にいたため、日記に書く内容に困っていた」や、図画工作の宿題では「選挙」をテーマにしたポスター制作があり、「子どもにとって身近な内容ではなかったため、なにを描いてよいのかわかっていなかった」などがあった。


もちろんそんな行き詰っている子どもを保護者が温かく見守る…というわけにもいかないのが現実だろう。続いて、実際に「保護者が手伝った夏休みの宿題」について聞いた。



子どもがもっとも手こずっていた夏休みの宿題と同じく、保護者が手伝った宿題の1位は「自由研究」(37.8%)、次いで「読書感想文」(21.0%)。「手伝わない」と答えたのはわずか12.4%だった。



また、どのような場面で手伝ったか尋ねると、自由研究のアイデア出しから、作文の添削、なかには「手取り足取り、すべて」という回答もあり、宿題をするよう促すだけでは難しい現実が明らかになった。



保護者は夏休みの宿題を手伝う際にどこからヒントを得ているのだろうか。


「インターネット」からの情報が参考になったという保護者がもっとも多く、特に「自由研究」や「図画工作」などアイデアを出すもので高く活用されていた。具体的にどのようなものが参考になったのかについては、以下のようなものが挙がっている。



・「読書感想文の書き方をまとめているサイトがあり、これを参考にして進めたら、スムーズに終えることができました。その都度メモ書きをする、段落ごとの構成を考えるなど、とても参考になりました」(40代前半・小学4年生の保護者)

・「学研の実験の図鑑を見た。いろいろ載っているので、そのなかから選ぶことができる。『自由研究 ◯年生』と検索すれば、その学年に応じた自由研究がいくつも出てくるので参考にできた」(30代前半・小学2年生の保護者)

・「日本気象協会では、各地の過去の天気・最高気温・最低気温がクリック1つで簡単に参照でき、とても便利でした」(50代前半・中学2年生の保護者)


アンケートの結果から、保護者も子どもと共に夏休みの宿題に頭を悩ませていることがわかったが、保護者は夏休みの宿題についてどのように感じているのだろうか。



「夏休みの宿題を負担に感じたことはあるか」尋ねたところ、半数以上(55.0%)が「ある」と回答。



しかしその一方で、「夏休みの宿題は必要か」という質問に、約8割(82.4%)の保護者が「必要」と回答している。そこにはどのような理由があるのだろうか。



・「宿題をする時間を毎日とることによって規則正しい生活ができるから」(40代後半・小学4年生の保護者)

・「ドリルなどは必要だと思うが、読書感想文や自由研究は必要ないと思う」(50代後半・高校3年生の保護者)

・「長い休みをダラダラ過ごさないためには必要だと思います。ただ、内容が昔から変わらないのが問題です。毎年たくさんの子どもが宿題に追われて家庭でも大変な思いをされているはずなのに、何十年も同じことが繰り返されているのはおかしいのでは」(50代前半・高校1年生の保護者)



「必要」と答えている保護者のなかでもっとも多かったのは、「子どもが長い夏休みを有意義に過ごすためには必要」という意見。



ただ、すべての宿題について必要というわけではなく、一部は必要ないという意見も多く寄せられていた。



同調査では最後に、夏休みの宿題にまつわるハプニングやエピソードを紹介している。



・「コロナ禍だったこともあり特に行くところもない夏休みだったせいか、子どもが夢で見たできごとを、本当に起きたできごととして日記に書いていました」(30代前半・小学2年生の保護者)

・「手伝った宿題の評価が悪くて、私が落ち込みました」(40代後半・小学4年生の保護者)

・「私が手伝った自由研究や読書感想文で表彰されてしまい、子どもが複雑な顔をしているのを見たとき、余計なことをしてしまったなと自己嫌悪に」(40代後半・高校1年生の保護者)

・「やっと全部終わったと思い、学校の準備をしようとしたら、カバンからもう一冊問題集が出てきて大騒ぎをしました」(40代前半・中学2年生の保護者)

・「トマトの苗の観察がありましたが、学校から持ちかえった時点で病気になっていて枯れてしまい、トマトが収穫できず、観察日記が枯れてしおれていく日記になってしまいました」(50代前半・小学3年生の保護者)

・「自由研究で子どもがアリの生態を選びましたが、知らぬ間に手作りの巣箱から出て行き、食卓に置きっぱなしにしていた食べものに群れて集っているのを見たときは、流石に処置に困りました」(50代前半・中学2年生の保護者)

・「本人が頑張った社会科の自由研究が表彰され、とても誇らしそうだったことや、算数のドリルを溜めすぎて残り2日間、徹夜気味で仕上げた際に鼻血を出したことは、今となっては懐かしい思い出です」(40代前半・大学1年生の保護者)



今回の調査で、夏休みの終盤に慌ててやるイメージが多い夏休みの宿題も、実際には計画を立てて行っている子どもが多いことがわかった。



しかし、その裏では保護者のサポートが欠かせない。保護者が手伝った宿題について尋ねると「手伝ったことがない」と答えた保護者はわずか1割程度、約9割の保護者がなにかしらの宿題を手伝っていた。



そのため、夏休みの宿題を負担に感じている保護者も半数以上いたが、子どもが長期休みで時間を持て余してしまうことなどを考えると、それでも夏休みの宿題は「必要」と多くの保護者が感じているようだ。



しかし、「絶対に必要」と言えるほど夏休みの宿題に意味を感じている様子はなく、「終わらせるための宿題」以上の意味を見いだしている保護者はそう多くはないことがわかる。(エボル)