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【漫画メシ】ボウルに卵60個!? 未来を予見していたスイーツ……漫画ならではのありえへん個性派ケーキ

2022年07月31日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 老若男女に人気があるスイーツの代表格といえばケーキである。毎日のささやかな幸せに、ウェディングや誕生日など、お祝い事には欠かせないスイーツはさまざまな種類が存在している。漫画にもさまざまなケーキが登場したが、なかにはアクロバティックで珍しいものや未来を予見したものまで、ありえへんケーキを見ていこう。


■ケーキ玉子焼き スーパーくいしん坊


 アクロバティックな料理が次々と飛び出すことで知られる漫画『スーパーくいしん坊』。この作品に登場したケーキも、ユニークなものだった。


 これは鍋島香介が寿司屋の卵焼き勝負で作ったもので、ボールに卵を60個入れ、砂糖や牛乳を混ぜてアルミホイルの器に移し、水が少量入った寸胴に入れる。その鍋を上と下から熱し、ひっくり返すと玉子のジャンボケーキができていた。


 玉子焼きをケーキにしてしまおうという発想は、さすがの「スーパーくいしん坊」だといえよう。


■野菜ムシパンケーキ こちら葛飾区亀有公園前派出所


 秋本麗子に触発されてケーキ作りを始めた両津勘吉。器用かつアイディアマンな彼だけに、オリジナルケーキを次々と開発する。


 両津が開発したケーキの1つが、野菜ムシパンケーキだった。一見普通のケーキなのだが、中に野菜炒めやきゅうりが突き刺さっているという代物。さらにスポンジケーキのなかにはイナゴの佃煮が入れられている。「蒸し」ではなく「虫」だったのだ。


 試食を勧められた麗子は「気持ちが悪い」と拒否。中川も「絶対売れません」と指摘していた。たしかに「グロい」ものだが、誰も考えつかないようなケーキであるし、これから昆虫食が当たり前になるかもしれない時代が到来するかもしれないことを考えると、両津の発想力は素晴らしいと評価されて然るものである。


■ペアまくらケーキ クッキングパパ


『クッキングパパ』で、荒岩一味が部下で入社半年の梅田とセレブ育ちのお嬢様ユミの結婚式で出した、かなり変わったケーキが、ペアまくらのケーキだった。


 その名の通りペア枕の型になったウェディングケーキで、ハートやフリルがついたかわいいデザインになっていて、形を見た梅田とユミは「ポッ」と頬を赤らめ、荒岩は「してやったり」というような表情を浮かべる。さらにケーキに入刀すると、中にハートの模様が現れた。


 結婚式でいきなり「ペア枕」は若干引いてしまうという声も読者から上がっていたが、お嬢様育ちのユミに気に入ってもらうためかわいいデザインを考えて考案し、ケーキを入刀するとハートが出るという荒岩の演出は、にくいものがあった。


■金木犀ケーキ ミスター味っ子


 『ミスター味っ子』で、味吉陽一が卵を使ってはいけないケーキ対決で、里芋をベースにしたケーキに、イチゴをスライスしたものを貼り付け、さらにさらし餡を回してつけ、金木犀の香りと味をつけた一品。


 金木犀ケーキは香りの好みが分かれるだけに賛否両論だったが、その手の込んだ味と演出は、味吉陽一らしいものがあった。YouTubeでは再現する動画も公開されているが、かなり「手のかかる」料理だったようだ。


 同じものでも、漫画ならではのものが多数登場しているケーキ。その発想は素晴らしいものがある。


(文=佐藤俊治)