ブラック企業と呼ばれる会社では、経営者が人格を疑うような発言をすることがある。キャリコネニュースにブラック企業体験談を寄せた40代前半の男性(技能工・設備・交通・運輸)は、「60年以上続く船会社」に勤務しており
「社長(3代目)の人格がとにかく酷く、一族経営のプレッシャーからか金に汚いうえに日ごろから人として信じられないような事を口にしていました」
と語りだした。(文:okei)
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「僕に忖度ができない人間が客に忖度ができるはずがない」
その三代目社長は、「繰り返し他の社員の前で」こんな言葉を口にする人物だった。
「僕は〇〇(社員の一人)を絶対に出世させない、なぜなら彼は僕に忖度をしないからだ、僕に忖度ができない人間が客に忖度ができるはずがない」
無茶な論法で一人の社員をおとしめる上に、「父親である会長は息子を溺愛し、何も言わずに好きな時間に出社して好きな時間に帰る」というからタチが悪い。他にも
「社用車の購入と称して高価な外車を購入しておいて社員の誰にもその車を使わせない」 「同業他社から採用面接に来る人を『雇う気はないがなぜ××海運を辞めたいのか聞きたいから面接をする』などと扱ったり、社員本人に通告することなく生命保険に加入させて満期の利息を受け取ったり」「船会社の中では最低限の給与水準で、もちろん残業代などゼロ」
と傍若無人な行いは枚挙にいとまがないようだ。
決して団結せず、悪口を言い合う社員たち
そんな中、男性が興味深く思うのは社員の態度だという。
「これだけの目に遭いながらも社員同士は決して団結して社長に立ち向かうことをせず、『△△さんは仕事をしていない』『□□はこんなことも分かっていない』といった感じで、ほとんど毎日陰口、悪口、欠席裁判の繰り返しだったこと」
腐り切った社員たちの姿勢に、男性は「暴君の圧政の下で人々は決して団結などせず、むしろ自分より劣る者を探して攻撃しようとする、それでストレス解消を図っている」と思ったという。そんなネガティブな職場に男性はすでに見切りを付けており、
「もうすぐこの会社を辞める予定です。辞める目途が立った今になって、『ブラック企業に長居をすると、いつしか自分も荒れてしまうんだな』と実感しています」
と感慨深げに報告していた。