東村アキコが現代アートに挑戦。今秋から今冬、MediBangを通じ、NFTマーケットプレイス・Adam byGMOにて第1弾となる作品を発表する。
【大きな画像をもっと見る】昨年9月より、ピッコマとカカオページで日韓同時連載中の「私のことを憶えていますか」の表紙イラストなどをAdam byGMOで販売中の東村。今回はマンガ制作とは別の“現代アート”のプロジェクトを展開する。20点のNFT作品を制作中で、作品の発表の同時期には、リアル世界でNFT作品を鑑賞できる展覧会「現代アート作家・東村アキコ展(仮称)」を開催予定。
先行公開された作品は「『NEO着物美人画シリーズ(仮題)』作品No.1[ソーシャルディスタンス]」。東村は「ある日、新型コロナでステイホームが始まって今までより時間が自由になった時、ふと、今の若い人達にもっと日本の和の美を伝えられないか、そして日本国内だけでなく世界に日本の和を、そしてその美しさを、現代を生きる女性をモチーフに表現できないかと考えるようになりました。それで茶道の姉弟子をモデルに一枚描いてみたんです」と同作品について語っている。また今回のプロジェクトに際し「一年近くかけて描きためた私の23年ぶりの『美人画』、是非皆さんに見ていただきたいです」とメッセージを綴った。なお個展で展示されたパネル作品は、NFTの特典としてセット販売が行われる予定だ。
■ 東村アキココメント
大学を卒業してすぐに漫画の仕事を始めてあっという間に23年という年月が経ってしまいました。
大学では美術科油画専攻で、古典的な絵画手法を学びました。
私は学生時代からいつも女性をモデルに美人画のような油絵を制作していました。大人になって漫画の仕事で可愛い女の子や美しい女性を描きながら、またいつか美人画のような絵画を描いてみたいなとずっと思い続けてきましたが、漫画のほうが忙しくてなかなかその時間が取れませんでした。
そんななか、私生活では5年前から茶道を習い始め、着物の勉強もして、年齢のせいもあって和文化にどんどん興味が湧いてきました。息抜きで描くイラストも着物の女性が多くなっていきました。
ある日、新型コロナでステイホームが始まって今までより時間が自由になった時、ふと、今の若い人達にもっと日本の和の美を伝えられないか、そして日本国内だけでなく世界に日本の和を、そしてその美しさを、現代を生きる女性をモチーフに表現できないかと考えるようになりました。
それで茶道の姉弟子をモデルに一枚描いてみたんです。(作品No.1[ソーシャルディスタンス])
その作品が自分でもすごく好きで、もっと描きたくなってそれから暇さえあれば作品を描くようになりました。
日本の四季の移ろいや着物の合わせかた、柄の面白さや柄の持つ意味、そういうものを全て詰め込んで、あくまでも2022年の現代に生きる女性の着物姿を美人画にしたいと強く願いました。
この作品の女性たちには一枚一枚ストーリーがあります。漫画1本分くらいのストーリーを一枚の作品に込めて、今の日本の女性を美しく、可愛らしく、強く、描いてみました。
長らく想い続けて来たことを今、NFTで発表する理由は、日本固有の美しさを先端技術であるデジタル・ツールで描き、披露する場もデジタル世界ということが、伝統的美しさと現代の融合を表すとともに、みなさんと新しい繋がり方ができると感じたからです。今や世界は国境や人種、時間と空間に左右されることなく自由に作品を作ったり、見たりできるようになっています。コロナ禍になり、よりその流れは加速度を増してきました。今この時代に、「現代アート」という新たな分野へ挑戦する東村アキコとしても、歩み始めてみたく思います。
一年近くかけて描きためた私の23年ぶりの「美人画」、是非皆さんに見ていただきたいです。