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おもちゃで論理的思考力が身につくってどういうこと? おもちゃ大賞受賞の3つの知育玩具で遊んでみた

2022年07月22日 14:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
今教育業界では、プログラミング学習への関心が高まっています。2020年には小学校でプログラミングの授業が必修化され、3年後の2025年には共通試験でプログラミング教育を含む「情報」の科目が追加される予定です。今後ますますプログラミングの必要性が高まることが予想され、小さいうちから論理的思考力を身につけることが重要になってくるでしょう。



先日、一般社団法人日本玩具協会が主催する「日本おもちゃ大賞2022」が3年ぶりに開かれました。今回は、その中で「エデュケーショナル・トイ部門」の優秀賞を受賞したおもちゃを3つご紹介します! プログラミング教育にも役立つ論理的思考をどのように身につけられるのかどうか、実際に試してみました。

光の反射が学べる論理的パズルで育む「考え抜く力」


はじめに試したのは、学研ステイフルの「宮本算数教室 賢くなるロジカルパズル 光の反射」です。難関中学に多くの合格者を輩出し続ける、宮本算数教室の問題をパズルとして商品化したもので、「自分で考え抜く力」を楽しく遊びながら育めるのが特徴です。小1の息子が挑戦します!


まず、透明なボードを問題シートに重ね、その上から鏡やゴールピースなどのパーツを配置します。黒枠で囲まれた四角の中に鏡を一つずつ置けるというルールで、問題シートのヒントにしたがって鏡を置く位置を決定します。息子も、「うーん」と悩みながら鏡を両手に一生懸命考えていました。


そして、無事に赤いマークの場所からライトを光らせ、反射させた光を青い同じマークのところまで届けることができました。悩んだ時間の分だけ、反射した光がゴールに当たったときの達成感は大きかったようで、「できた! 」と嬉しそうに喜んでいました。


子どもの様子を見ていると、ゴールに至るまでの光の反射を想像することによって、集中力や論理的な思考力を育めているように思います。そして、何よりも「自分で考え抜く力」を身につけることができるところが、このパズルの魅力だと感じました。


一緒に遊ぶ親としては、子どもの試行錯誤を隣で応援しつつ、助けを求めてきた時には「答え」ではなく、「ヒント」を伝えてあげることで、子どもの「考え抜く力」をさらに伸ばすことができると感じました。

三次元パズルを組み立てボール転がしゴール目指す


次に試したのは、くもん出版の「3Dロジカルルートパズル」です。こちらは「思考力」や「創造力」を養い、自ら「学ぶ」意欲を育てることを目的とした、KUMON TOY「かんがえる」シリーズの一つ。上から落としたボールが同じ色のゴールに入るように、「直線」と「交差」のピースを組み合わせて立体パズルを組み上げます。ボールが転がるルートを立体的に考えていくことで、空間認識力や論理的思考力を身につけることができるのが特徴です。


小1息子はまず1段目の初級レベルからスタート。問題集を見ながら、ピースの向きをあれやこれやと考えながら、パズルを組み立てていました。

パズルを組み立てたら、実際にボールを入れて、ゴールまで至ることができるか調べます。ボールの動き方は「まっすぐ」か「隣に移動する」の2種類しかないため、とてもシンプルではあるものの、組み合わせ次第で複数のルートを作ることができます。また、左右だけではなく、奥行き方向にもボールを動かすことができるため、組み合わせのパターンはさらに広がります。息子は、最適なルートの組み合わせを見つけることに楽しみを見出している様子でした。無事にボールが同じ色のゴールに入ると、「よしっ! 」と声を上げて喜んでいました。


問題のレベルは5段階あり、全部で103問。最終レベルでは5段まで組み上げることができますが、息子も何段も積み上げてさらなる高いレベルのパズルにいきいきと取り組んでいました。パズルを解く楽しさ、そしてボールを転がす楽しさを感じながら意欲的に遊ぶことができ、楽しみながら論理的思考力やプログラミング的思考の力を養うことができると感じました。


野口英世の研究現場モチーフにしたパズルゲーム



最後に試したのは、ハナヤマの「ロジカルニュートン 野口英世の研究」です。


「ロジカルニュートン」は、遊びながらプログラミング的思考力やひらめき力を身につけることを目指すパズルゲームシリーズで、はなまる学習会代表の高濱正伸氏が推薦、そして花まる学習会を母体として設立されたワンダーラボが監修しています。このパズルゲームは、生涯を通じて細菌学の研究を行い、ノーベル賞の候補に3回もあげられた野口英世博士の研究現場をモチーフにしています。


まずは、問題カードにあるボールと試験管を用意し、条件にしたがってボールを移動させて、正解を目指します。例えば、「色を分けよう」と書いてあったら、最初の絵の状態から、指定された回数以内に色が分かれた状態で試験管にボールを分けられると、成功です。


息子は、すぐにルールを把握して、ボールを移動させて正解を目指していました。移動先のボールが満タンになってしまうと、移動できなかったボールはそのまま元の試験管の中に残ります。


2回ほどうまく行かずにやり直した後、無事に最初の問題をクリア! ドヤ顔で嬉しそうにした後、次々とレベルの高い問題に取り組んでいました。ただ、「数字の合計がそれぞれ2になるようにする」といった計算が必要な問題については、小4の兄の手を借りながら進めていました。


いろいろな答えのタイプがあるので、頭がとても柔らかくなりそうだと感じました。どのようにボールを移動させれば、求めるゴールにたどり着けるかを考えることで、論理的思考力が育めると思います。また、手先を細かく使用するため、連動して手指の動きも鍛えることができそうです。さらに、立体的な三目並べなどの対戦ゲームもできるので、一人だけでなく、家族や友達とも一緒に楽しむことができるところが魅力だと感じました。


今回は、実際に3つの知育玩具を小学生と一緒に遊んでみました。全て日本おもちゃ大賞2022で優秀賞を受賞しているだけあって、思考力を育むという目的において、非常に優れたおもちゃだと感じました。論理的思考力をおもちゃで身につけることで、その先これからの時代に必ず必要とされるだろうプログラミングの能力を高めることができれば、楽しく学べて一石二鳥です。ぜひ、参考にしてみてくださいね。(高村由佳)