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92914「Okinawa」が“BTS JIMIN効果”でバイラル首位に 沖縄の緩やかな空気感が真空パックされた心地よい一曲

2022年07月19日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

92914「Okinawa」

参照:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2022-07-13


 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの7月13日付のTOP10は以下の通り。


1位:92914「Okinawa」
2位:Metallica「Master Of Puppets」
3位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
4位:Joji「Glimpse of Us」
5位:ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」
6位:PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE「Hotline」
7位:Lapillus「HIT YA!」
8位:PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE「Best For You」
9位:水曜日のカンパネラ「織姫」
10位:FAKE TYPE.「FAKE LAND」


 日々、めまぐるしく入れ替わるSpotifyバイラルチャート。Spotifyでの再生回数だけでなく、さまざまな指標をもとに集計されたチャートだけあって、今回も一味違ったラインナップが顔を揃えている。


(関連:BTS JIMIN&SHINee テミンのコラボステージも 韓国では活発な垣根越えたボーイズグループの交流、日本でも広がるか?


 例えば5月下旬より2回に分けて配信されたNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4の影響が今回も色濃く出ているようだ。劇中で重要な役割を果たしたケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」とMetallica「Master Of Puppets」は、どちらも1980年代の名曲でありながら、ドラマでの起用をフックに2022年になって再評価された格好。そして、2曲同時にランクインしているPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEの勢いも忘れてはいけない。デビューアルバムとなる『P.C.F』から「Hotline」と「Best For You」がランクイン。2019年のグループ初お披露目から着実に積み上げてきた努力が、デビューのタイミングで実を結んだ結果ではないであろうか。また、TikTokから人気に火がついた水曜日のカンパネラの「エジソン」「織姫」も引き続き堅調。多くのリスナーに聴かれるだけでなく、共有されることで知名度をあげているSNS時代らしい動きである。


 人気楽曲がひしめくなかチャート首位を獲得したのは、92914「Okinawa」。92914は、2017年にデビューした韓国のインディーデュオだ。メロウでローファイなアコースティックサウンドが印象的な彼らだが、なぜこのタイミングで大きく注目を集めたのだろうか。その答えを追いかけていくと意外にもBTSのメンバー、JIMINにたどり着く。韓国のファンコミュニティプラットフォーム「Weverse」に、彼が同曲を投稿したことがチャート急上昇の発端のようだ。彼の投稿を見たARMY(BTSファン)がこぞって本楽曲をチェックしたことで突如日本でも注目されるようになったと考えて間違いないだろう。


 画像のみの投稿でJIMINからの具体的なコメントはなかったものの、本格的な夏にさしかかり、南国沖縄の緩やかな空気感を真空パックしたようなこの楽曲を共有したいという気持ちからの投稿だったのではないだろうか。


 彼の投稿した海辺を映し出したジャケットアートワークのイメージは、楽曲全体にも通底しており、全編を通して流れるサンプリングされた波の音をバックに、まるで海辺で弾き語りを聴いているようなレイドバックした雰囲気が心地よい楽曲に仕上がっている。歌詞に目を向けても、赤く暮れなずんでゆく海辺で徐々に月がのぼっていく情景や風に揺れる木々、きらめく星空が描写されていて、沖縄のリラックスした夕暮れのひとときが目に浮かぶ。JIMINが92914「Okinawa」をシェアすることで、ARMYたちと共有したかった景色は、そんな沖縄の美しい景色だったのではないだろうかと想像をふくらませてしまう。(Z11)