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手取り約17万円でも過酷な労働、運送業の男性「1日12時間以上働き、1トン以上の荷物を運ぶことも」

2022年07月18日 06:10  キャリコネニュース

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たとえ手取りが少なくても、仕事内容がそれに見合うものであれば不満は生まれないだろう。しかし世の中には、薄給で激務に追われる日々を送っている人が少なくない。

「自動車系部品をディーラーなどに配達する仕事をしている」と語る20代後半の男性(愛知県/正社員/未婚)は、残業しても手取り17万2000円、年収およそ250万円。給料の割にハードな自身の仕事内容について打ち明けた。(文:福岡ちはや)

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「残業が少なかった月の手取りは15万円に満たないことも珍しくない」

男性の仕事は、長時間勤務と重労働が重なり合う過酷なものだ。

「朝5時にタイムカードを打ち、帰りは16時半頃がほとんど。連休明けなど、事故車の修理が増える時期は板金用の部品の配達がかなり増える。そうなると1日12時間以上働くことも珍しくない。1日1トン以上の荷物を手積み・手降ろしすることもある」

それにもかかわらず、「零細運送業者なので、ボーナスや昇給、退職金もない」のだという。男性は、

「正直、今の会社には将来性などまったくないと感じている。新卒から人間関係の問題で職を転々とした結果今の職にたどり着いたが、明るい将来など微塵も感じることができない」

と行き詰まり感を吐露。過酷な労働実態をこう綴っている。

「自動車系の部品なので、金属製の物が多く、荷物も嵩に対してかなり重い。現在、右肩に違和感があるが、休みも取れないうえに医者に行く時間もないので、湿布などで痛みをごまかしながら続けている」

「20代後半でこれだけ肉体に負担がかかるため、これからずっと続けていける気がしない。業務量に対して賃金が見合っているとはまったく思えない。荷量が少なく残業が少なかった月の手取りは15万円に満たないことも珍しくない」

「それでも手取り18万円になることはない」

現在は実家暮らしをしている男性。「生活はできているが、仮に独り立ちしようと思うと、一切の贅沢は許されない生活になると感じている」と危機感をあらわにする。

「一応土日は普段休みだが、日曜出勤も珍しくない。日曜日などの休日出勤は、一応給料に加算されてはいるが、それでも手取り18万円になることはない。それに土日が休みといっても、大体の土日は平日に溜め込んだ疲れで、家から出て遊びに行くこともできないことが多い。なんのために働いて生きているのかわからなくなることが多い」

男性は、

「このまま職場にすり潰されて、身体を壊して動けなくなりでもしたら、自分はどうなってしまうのかと感じることがよくある」

と不安な胸中を吐露していた。いきなり給与水準を上げるのは難しいかもしれないが、せめて従業員が十分に身体を休ませられるよう、会社側に勤務スケジュールを改善してもらいたいものだ。