子どもの頃、ゲームが大好きだった。冗談抜きで一家全滅してもスーファミさえあればいいやと思っていた時期もある。それぐらい好きだったのである。
そして周りには、やはりゲーム好きな子ども多かった。夜中も眠らずこっそりゲームで遊ぶ子もいたし、子供部屋をあたえられている同級生男子の8割ぐらいは、隠れて何時間もゲームをしていた。しかし中には、ゲーム自体に特に執着しないし興味もないって同級生もいたっけなぁ。(文:松本ミゾレ)
「うちの子がゲームをしない」は別に心配するようなことじゃない
先日、ガールズちゃんねるに面白いトピックが立った。「子どもがゲームをしたがりません。」というのがそのトピックで、この方は小5の子どもを持つが、「友達との会話についていけないといけないなと思って、ゲーム機を買ってあげようとしても、いらないと言われます」と書き込んでいる。
さらに「今の子どもたちはゲームで遊ぶことが多いのかな? と思っているのですが…どうなのでしょう? このまま買わなくていいのでしょうか?」と意見を募っている。
前述したとおり、ゲームに興味を向けない子どもってのは昔からいた。数は少ないけど、もう普通にそういう性格なんだろう。僕の同級生に清水くんというのがいて、まさにそのタイプだった。
清水くんはゲームよりも体を動かして遊ぶほうが好きで、しょっちゅうサッカーをしていた。僕がゲームを一番面白いと思うように、彼はサッカーが一番面白いと考えていたんだろう。
かと言ってゲームに夢中な他の男子たちと仲が悪いわけでもなし、休み時間や放課後には一緒に遊んだ記憶もある。子どもには子供の好みがあり、交友関係もさまざまな形があるので、この親御さんのように心配になるのも分かるけど、当の本人がその気がないという以上、別に欲しがってないものを与えるなどのこともせず、過剰に気に掛ける必要はないと思うなぁ。
「興味のベクトルが違うんだよ。欲しいものを言われてから買ってあげて」
ゲームに興味がない我が子を心配する気持ち。分からないでもない。だけど、そういう子どもってたまにいるし、本人もそれで特に不自由を感じているわけでもなかったりする。それでも心配になるのが親心なんだろう。
その親心に寄り添うようなコメントもいくつかあったので、ちょっと引用させていただきたい。
「もう5年にもなって今更いらなくない? うちも要らないって言う娘だったけど、もう高学年にもなればグループって言うかいつもいるメンバーって大体一緒で、ゲーム好きな子はゲーム好きな子といつもやってるし」
「興味のベクトルが違うんだよ。欲しいものを言われてから買ってあげて」
「読書が好きなら本を与え、運動が好きなら運動をさせ、観察が好きなら観察できる場所へ連れていったり図鑑を与えたり。その方がよほどその子の将来に繋がると思いますよ」
過度に心配するようなものではないという意見が多い。僕の同級生だった清水くんはゲームがなくても楽しくサッカーしてたし。そして、それが決してイレギュラーってわけでもない。
ただ、ゲームをしたがらない子どもに何か与えたいなら、当人に「何か欲しいものある?」と普通に聞いてみて、与えられるものであれば与えるのがいいだろう。でも大抵こういう子って「別にない」って言うんだけどね。清水くんもサッカーボールさえあればいい、みたいな子どもだったし。
欲しいものが特にないという場合は、毎日の献立で好きなものを出してあげるとかすれば、親としても「我が子のために何かしてあげてる」という気持ちになれて、罪悪感とか心配な気持ちもちょっと霧散するんじゃないだろうか。