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GTワールドチャレンジ・アジア第3戦鈴鹿は混乱のなかカーガイ・レーシングのフェラーリが大逆転勝利

2022年07月16日 19:10  AUTOSPORT web

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GTワールドチャレンジ・アジア第3戦鈴鹿を制したカーガイ・レーシングの木村武史/ケイ・コッツォリーノ
ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSは7月16日、第2ラウンドの決勝レース1となる第3戦が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ウエットから少しずつ乾いていく難しいコンディションのなか、後半スティントにスリックタイヤを選択したカーガイ・レーシングの木村武史/ケイ・コッツォリーノ組777号車フェラーリ488 GT3が逆転優勝を飾った。

 午前に行われた予選は、ところどころ濡れた路面が残るものの、ほぼ路面が乾く中で行われ、横溝直輝がアタックしたヨギボー・レーシングの27号車フェラーリ488 GT3がポールポジションを獲得していた。

 13時30分からスタートしたレース1/第3戦の決勝では、ポールポジションからスタートしたYogibo Racingのフェラーリ488 GT3の横から、カンタディ・クシリ駆るEBMギガ・レーシングの18号車ポルシェ911 GT3 Rが並びかけていく。1~2コーナーは横溝がトップを抑えていたものの、2コーナー立ち上がりでポルシェのフロントが横溝のフェラーリにヒット。横溝はスピンを喫し、2コーナーイン側のタイヤバリアにクラッシュしてしまった。

 これでレースはクシリの18号車ポルシェ、2番手には木村武史駆るカーガイ・レーシングのフェラーリ488 GT3、3番手には濱口弘駆るビーマックス・エンジニアリングのランボルギーニ・ウラカンGT3が続く展開に。4番手にはポルシェセンター岡崎の30号車ポルシェを駆る永井宏明と、日本が誇るジェントルマンドライバーたちが続いた。

 レースは5周目にリスタートを迎えるが、激しくクシリのポルシェを攻める走りをみせていた2番手の木村がデグナー進入で濱口と接触があったか、姿勢を乱し後退。濱口のランボルギーニが2番手、混乱のなかで山﨑裕介が駆るコメット・レーシングのホンダNSX GT3が3番手に浮上した。一方、デグナーではセティアワン・サントソがドライブしていたEBMギガ・レーシングの8号車ポルシェがグリーン上にストップ。レースはまたもセーフティカーランとなった。木村はコースに復帰したものの、12番手となった。

 ブロンズドライバーたちが多かった前半スティントはセーフティカーランが多いスティントとなったが、開始から25分が経つとピットウインドウがオープン。各車とも続々とピットインを行い、後半スティントに入っていった。

 少しずつ路面が乾きはじめ、ウエットタイヤを守ろうと濡れた路面で走る車両が多く見られるなか、トップはクリシからタナート・サティエンティラクルに交代したEBMギガ・レーシングの18号車ポルシェ、これに永井から上村優太に交代したポルシェセンター岡崎が続き、そのギャップを縮めていく。3番手には濱口から大蔵峰樹に交代したビーマックス・エンジニアリングのランボルギーニがつけていたがピットに入り、ニック・フォスター駆るトリプルエイトJMRの99号車メルセデスAMG GT3が3番手に浮上した。

 終盤に向け、上村は少しずつトップのサティエンティラクルとのギャップを縮め、残り10分ほどでテール・トゥ・ノーズに迫ると、20周目のデグナーでこれをオーバーテイク。トップに浮上した。さらに、3番手だったトリプルエイトJMRの99号車メルセデスを駆るニック・フォスターもサティエンティラクルをかわしていった。

 これでレースの趨勢は決したかと思われたが、後方から異次元のペースで迫る車両が現れた。木村から交代したカーガイ・レーシングのフェラーリで、ピットでスリックタイヤを履くギャンブルに出ていた。終盤、スリックに熱が入ると、ケイ・コッツォリーノがファステストラップを連発しながら追い上げをみせ、21周目にサティエンティラクルをかわし3番手に浮上。さらに一気にフォスターのメルセデスもオーバーテイクし、クラス違いのようなスピードで上村のポルシェとの差を縮めていった。

 コッツォリーノは残り1分というタイミングで、日立Astemoシケイン立ち上がりから一気に加速すると、上村をオーバーテイク。これでカーガイ・レーシングの木村/コッツォリーノ組777号車フェラーリ488 GT3が大逆転で優勝を飾った。

「木村さんがドライでいけるというジャッジをしてくれたおかげです。信じられませんね」とコッツォリーノ。また「良いペースだったけどぶつけられてしまい、逆転するにはこれしかないと、ケイを信じてスリックに賭けました」と木村も自らの選択が勝利に繋がったことを喜んだ。

 2位は永井/上村組30号車ポルシェセンター岡崎のポルシェ911 GT3 R、3位はH.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/フォスター組メルセデスとなった。GT4は田代淳/谷川達也組チーム・スカラの55号車メルセデスAMG GT4がトップチェッカーを受けている。

ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS
第2ラウンド鈴鹿/第3戦決勝レース結果
Pos.NoCat.Class.JapanCupTeamCarDriverGap1777GT3Pro-AmJCカーガイ・レーシングフェラーリ488 GT3木村武史/ケイ・コッツォリーノ23Laps230GT3Pro-AmJCポルシェセンター岡崎ポルシェ911 GT3 R永井宏明/上村優太8.075399GT3Pro-AmトリプルエイトJMRメルセデスAMG GT3H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/N.フォスター12.257418GT3SilverEBMギガ・レーシングポルシェ911 GT3 RT.サティエンティラクル/K.クシリ23.909560GT3Pro-AmJCLMコルサフェラーリ488 GT3中西慧/脇阪薫一33.23965GT3Pro-AmJCプラス・ウィズ・BMWチーム・スタディBMW M4 GT3山口智英/荒聖治33.785722GT3Silverアウディスポーツ・アジア・チームXワークスアウディR8 LMSエボIIM.リー/S.ステュービック39.942847GT3Pro-AmJCDステーション・レーシングアストンマーティン・バンテージAMR GT3星野敏/藤井誠暢47.2839888GT3Pro-AmトリプルエイトJMRメルセデスAMG GT3H.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/J.ジャファー47.6331051GT3AmAMACモータースポーツポルシェ911 GT3 RA.マクファーソン/W.ベン・ポーター01:06.11119GT3AmJCB-Maxエンジニアリングランボルギーニ・ウラカンGT3エボ濱口弘/大蔵峰樹01:06.41216GT3Pro-AmJCABSSAモータースポーツマクラーレン720S GT3小泉洋史/澤圭太01:22.5132GT3AmJCチーム・ウエマツマクラーレン720S GT3植松忠雄/内田優大02:07.2147GT3AmJCコメット・レーシングホンダNSX GT3辻子依旦/山﨑裕介1Lap158GT3Pro-AmEBMギガ・レーシングポルシェ911 GT3 RS.サントソ/R.ハーカー1Lap1655GT4Silver-AmJCチーム・スカラメルセデスAMG GT4田代淳/谷川達也1Lap1714GT4Silver-AmGTOレーシングチームメルセデスAMG GT4B.リー/安岡秀徒1Lap1812GT4Silver-AmJC恒志堂レーシングトヨタGRスープラGT4佐藤元春/平中克幸1Lap1933GT4Silver-AmJCチームGMBメルセデスAMG GT4羽田野宏明/細川慎弥1Lap2071GT4AmJCアキランド・レーシングトヨタGRスープラGT4大山正芳/植田正幸1Lap213TC INVAmJCチーム・スタディBMW M2 CSレーシング木下隆之/砂子塾長1Lap2217GT4Silver-AmJCクレフモータースポーツマクラーレン570S GT4YUKO/井上雅貴1Lap234GT4AmJCコメット・レーシングメルセデスAMG GT4藤井正明/坂井一裕3Laps2427GT3Silverヨギボー・レーシングフェラーリ488 GT3横溝直輝/藤波清斗0
天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:777 カーガイ・レーシング 2'08.392 21/23