2022年07月14日 10:41 弁護士ドットコム
パートナーの浮気が発覚したら、証拠を見せて認めさせるのも一つの手でしょう。ただ、どうしても相手が浮気を認めず、話が平行線に終わることもあるようです。ある男性は、妻から「パパ活だから」と浮気を否定されてしまった、と弁護士ドットコムに相談を寄せました。
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妻が浮気を全く認めようとしません。私が集めた証拠は、不貞行為の発言音声、ホテルに行った履歴、金銭を受け取っている写真などです。ホテルに出入りする写真はありません。
妻は「パパ活だから行為はしていない。ただホテルでご飯を食べただけ」と話していますが、半年以上にわたって月に1~2回会って金銭を受け取っています。電話でも会話で「バレるとまずいから」「ホテルに行く」発言をしていた証拠があり、電話を切る際に必ず「●●君大好き」で電話を切っています。
決定打に欠けるので、強く言えないのですが、確実に不貞行為はしているのは明白です。私が集めた証拠では、不貞行為は認められないのでしょうか。
いろいろ証拠を集めたのに、妻から「パパ活だから」「ご飯を食べただけ」などとしらを切られると、口惜しく悲しいですよね。
さて、ご質問の件ですが、「ホテルの出入りをする写真はない」としても、その他の証拠から総合的に判断して不貞行為が認められることがあります。
まず、「不貞行為の発言音声」の内容によります。肉体関係をうかがわせる音声であれば、証拠として価値が高いです。
次に、金銭を受け取っている点です。この点は、不貞を認める方向にも否定する方向にも働きます。金額が低額であれば、パパ活としてご飯を食べただけ、という妻の供述の信用性が増す可能性があります。金額が高額であれば、本来は許されない売春(買春)行為であり、肉体関係がある、すなわち不貞行為である、と認定される可能性が高くなります。
さらに、ホテルに定期的に行っている履歴があるとのことですが、食事は他の場所でもできますから、継続的かつ定期的にホテルのみへ行っていることは、不貞行為を認める方向に働くでしょう。
そのほか、裁判で不貞を認定する際に証拠として使われるのは、最近は、LINEやメールのやり取りが多いです。ホテルの出入りの写真があるほうが望ましいですが、ないからといって、それだけで不貞行為が認められないわけではありません。
【取材協力弁護士】
光安 理絵(みつやす・りえ)弁護士
大阪大学法学部、同大学院法学研究科修了後、パナソニック株式会社(旧松下電器産業株式会社)入社、本社法務本部配属。2003年司法試験合格、司法研修所を経て、東京地方検察庁、横浜地方検察庁において検察官として捜査・公判活動を行う。2007年に検察庁を退官し、仙台弁護士会に弁護士登録。現在、弁護士4名を擁するソレイユ総合法律事務所代表弁護士を務め、離婚事件、交通事故事件、刑事事件等を多数扱っている。
事務所名:ソレイユ総合法律事務所
事務所URL:http://www.sendai-soleil.net/