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「私は恋人ではなくカモだった」マッチングアプリで跋扈する“勧誘男子”の実態

2022年07月11日 12:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
コロナ禍で出会いの機会が激減し、マッチングアプリに初めて登録したという女性が増えています。彼女たちは「マッチングアプリには恋人や結婚相手を探している男性が登録している」と思い込んでいますが、実態は女性のお金目当ての男性も少なくありません。

○リモートワークで人恋しくて


K美さんは35歳の会社員。コロナ禍で始まったリモートワークが依然として続いていて、人恋しくなり、マッチングアプリに登録しました。平日の夜に一緒に飲みに行けるような人ができたらと思ってのことでした。最初は飲み友達から始めて、やがて恋人になるような付き合いかたができたらいいなと考えていたのです。



年齢的に、アプローチが来るか心配していたのですが、登録直後から男性からのいいねが押し寄せ、その数は100人を超えました。素敵な男性も何人もいたので、うれしさに舞い上がりそうになりました。

○お会計は割り勘がいい?



K美さんがデート相手に選んだのは、8歳年下の男性でした。繁華街の居酒屋で初めて会った彼は、快活なイケメンで、楽しくお酒を飲むことができました。工場の保守点検作業をしている会社員で、しばしば夜勤があるそうです。



彼が口走った給料の額を聞くと、K美さんが会計を払ったほうがいいのかなと感じたのですが、「僕が誘ったんだし、僕が全額払います」と彼は譲りません。そして帰り道、彼はK美さんに告白してきて、2人は交際することになりました。

○2度目のデートで男女の仲に



相思相愛の2人が男女の関係になるのも時間の問題でした。K美さんも2度目のデートで彼に「帰りたくない」と囁かれ、そのままホテルに行ったのです。何年も彼氏がいなかったK美さんは、突然訪れた幸せにすっかりうっとりしてしまいました。



けれどその日を境に、彼からの連絡は途絶えがちになりました。「すぐにエッチしたから飽きられちゃった?」「あまり体の相性が良くなかったの?」などと不安に駆られ、会いたいと伝えても、「夜にバイトを始めたんでしばらく会えない」という返事が戻ってきました。

○彼の夢のために


彼には「いつかバーを開業する」という夢があるそうで、そのために会社の夜勤がない日はバーでバイトをして勉強することになったそうです。「早く開業資金を貯めて会社を辞めたい。だから今は睡眠時間が足りなくても頑張る」という彼。徹夜で働いて出勤する日もあるということで、K美さんは心配でなりませんでした。



なかなか会えない彼にジリジリしているところに、彼からの「お店に飲みに来ない?」という誘いがやってきました。そして、彼が連れて行ったところは、ホストクラブだったのです。彼は元々ホストだったのですが「ホストだというと会ってもらえないと思った」から、夜勤のある会社員だと偽って、K美さんと交際していたのでした。

○女性のお金目当ての男性たち



最初はお金目当てだと思わせずに自然に近づき、恋人関係になってから本当の職業を打ち明ける。そうした男性がマッチングアプリに潜んでいることがあります。ホストだけでなく、出張ホストやパーソナルトレーナーにも似たような方法を使う人もいるのだとか。彼らは恋愛や結婚は求めていません。自分の客を捕まえるための営業として、アプリを使っているのです。



K美さんは彼がホストだと知って衝撃を受けましたが、すでに彼に情が湧いてしまっているので、別れることができません。彼の夢を応援できるのなら、と、シャンパンまで開けてしまったそうです。今後もかなりお金がかかりそうですが、それでも彼が好きで、あきらめきれずにいるのでした。

○“カモ探し男性”の見分けかた



コロナ禍で大変なのか、アプリで営業する男性をしばしば見かけるようになりました。アプリに慣れていない女性は、営業ではなく恋愛だと勘違いさせられてしまうこともあります。こうした男性に引っかからないための見分けかたはいくつかあります。



まず、プロフィール画像がスタジオで撮ったらしい、バックの背景が単色で瞳がキラキラ輝いているようなものである場合、これはプロの男性である可能性が高いかもしれません。または画像の後ろが妙に豪華な内装のお店である場合も、ホストクラブに勤めているホストかもしれません。

○「教えます」という男性は注意?



出張ホストの場合は、「マッサージが得意です」とアピールしてくることが多いそうですし、パーソナルトレーナーは「痩せるコツ教えます」「筋トレ教えます」などと言って近づいてくるようです。もちろん親切心で無料で教えようとしている人もいるでしょうけれど、何かをしてくれるという人には最初は多少慎重になったほうが安全かもしれません。

くれぐれも気をつけておきたいのは、マッチングアプリにはさまざまな目的の人が登録しているということです。婚活をしたい女性が、ワンナイトの関係を求めている男性とマッチングしても意味がありません。マッチングしたら、できるだけ早く相手の目的を聞き出し、ニーズが一致しているかどうかを確認すべきです。



恋活や婚活をしているフリをしているお金目当ての男性もいるので、相手の仕事がはっきり確認できるまでは慎重になったほうがいいでしょう。気づいたら彼に結構お金を使わされていた、という女性もいます。それでもなお「私は恋人だから割引価格にしてもらっているんだ」と信じている人もいますが、もしかしたらカモにされているのかもと疑う気持ちは必要かもしれません。



【前回のお話】

マッチングアプリに潜むズルい既婚者たち-サインを見破り撃退するには?

交際後もアプリをやめない彼への対処法



内藤みか ないとうみか 作家。慶應義塾文学部卒(通信課程)。著書80冊以上。大学時代に官能小説でデビューし、ケータイ小説で話題に。その後電子媒体を中心に活動。原作&脚本の舞台「男おいらん」が再演を繰り返し、脚本参加のラジオドラマ「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞など脚本でも活動。複業のイケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。著書に「イケメンと恋ができる38のルール」(ベストセラーズ)「美男子のお値段」(角川学芸出版)「男はときどき買えばいい」(マガジンハウス)「いじわるペニス」(新潮社)など。 この著者の記事一覧はこちら(内藤みか)