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Hey! Say! JUMPメンバー分析 第5回:髙木雄也、ミュージカルで開花したポテンシャル 歌声やダンスで楽曲に加えるアクセント

2022年07月08日 06:21  リアルサウンド

リアルサウンド

Hey! Say! JUMP

 中島裕翔主演ドラマ『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)の主題歌に新曲「Fate or Destiny」が、さらに第1クールの「春玄鳥」に引き続き、アニメ『ラブオールプレー』(日本テレビ系)第2クールオープニング主題歌に新曲「サンダーソニア」が決定し、ファンにとっては嬉しいニュースが相次いでいるHey! Say! JUMP。15周年イヤーで一層の活躍が期待されるメンバー8人に着目してみたい。第5回は髙木雄也。


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■ミュージカルに舞台と演技の場を広げる活躍ぶり


 ここ数年、髙木雄也の役者としての活躍がめざましい。2008年放送のドラマ『ごくせん 第3シリーズ』(日本テレビ系)の緒方大和役で初の連ドラ出演を果たした髙木。そんな彼の大きなターニングポイントになったのは、2021年に城田優とのダブル主演で挑んだミュージカル『ブロードウェイと銃弾』ではないだろうか。2014年にブロードウェイで上演され、日本では福田雄一の演出によって2018年に初演となった本作。髙木は、ブロードウェイでのヒットを夢見る売れない劇作家・デビッド役。ギャングのボディーガード・チーチを演じた城田と初タッグを組んだ。脇を固めるキャストも実力派揃いの中、髙木は初めてのミュージカルの舞台で、理想と現実の間で揺れ動き翻弄されるデビッドを好演。フレッシュな立ち振る舞いと役どころがリンクして、舞台にリアリティを生んでいた。


 髙木は元々歌に対して自信がなかったという。しかしミュージカルと出会い、その魅力に心惹かれてからは自身もそのステージに立つために、ボイストレーニングでレッスンを積んでいった。本公演は彼にとって念願のミュージカル出演となり、歌を披露するシーンでは周囲を圧倒。アイドルとして多くの観客の前に立ち続けた経験を生かした、堂々たるパフォーマンスで観る人を惹きつけた。


 そして2022年には、コロナ禍で上演中止となった三浦大輔作・演出の舞台『裏切りの街』の上演が実現し、2年越しに舞台単独初主演を果たした。髙木が演じたのは、将来の展望もなく、現実から目を背けて、専業主婦である人妻との関係に溺れるフリーター・菅原裕一。どうしようもない生き方しかできない主人公が禁断の愛に溺れる様子を、体当たりで演じてみせた。“クズな髙木雄也”を見てみたいことからオファーしたという三浦だが、あまりの役作りの完成度にいい意味で予想を裏切られたと、髙木の熱演っぷりを高く評価した(※1)。髙木はどんな役柄であっても、佇まいや面影を自身に纏わせながら演じている姿が印象的だ。観ている人を物語に自然と引き込める才能は、彼の天性のものであるように思う。


 「終わっても役を引きずりすぎるぐらい引きずった」(※2)という同作の次に髙木が挑んだのは、タクシードライバーと町中華をテーマに人間ドラマどグルメドラマを描く『ザ・タクシー飯店』(テレビ東京系)。現在放送中の同ドラマで髙木が演じているのは、タクシー会社の若社長・増保健壱。タクシードライバー・八巻太郎を演じる渋川清彦、その元同僚である東屋敷要役の宇野祥平といった名バイプレイヤーと共に、メインキャストを演じている。物語はタクシーの乗客が繰り広げる人間模様と、極上の町中華のシーンが中心ではあるが、イジられ役である髙木演じる若社長の存在は物語に絶妙なバランスを生み出し、存在感を放っている。


■楽曲のアクセントとなるセクシーな低音ボイス


 髙木はグループの中でも大人びた雰囲気を持ち、“セクシー担当”と言われることも多く、美しい低音のボーカルが大きな魅力だ。ミュージカルを経験してからは、安定した声量はもちろんのこと、歌声に表現力も加わり、より表情豊かになっている。特に落ちサビを担当する際には、サビを担うことの多い山田涼介や藪宏太の歌声との相性も非常に良く、楽曲全体のアクセントになっているように思う。また、キュートなイメージの楽曲でも髙木のワイルドかつセクシーな声質がいい持ち味となり、Hey! Say! JUMP独自のカラーをもたらしている印象がある。


 ダンスパフォーマンスおいては、高いダンススキルを持つグループの中でも、自身のスタイルのよさを生かしたダイナミックなパフォーマンスが特徴だ。「狼青年」の緻密なヴォーギングや「Try & error」のシンクロダンスでも、髙木のスインギーなダンスが楽曲の世界観に躍動感をプラスしているように思う。


 そんな大人っぽくクールなイメージのある髙木であるが、メンバーと一緒のバラエティ番組では一転、リラックスした表情を見せる。名だたる俳優との共演で研鑽を積みつつ、その経験をグループ活動に反映するスタイルは、メンバーやファンにはよく知られたものであろう。前述の『ブロードウェイと銃弾』では、ミュージカル主演というプレッシャーや稽古と並行してグループの配信ライブのリハーサルを行うなど、一時期は心身ともにボロボロな状態になったという(※3)。しかし、そんなピンチも乗り越え、多彩な役どころに挑戦するたびに輝きを増す髙木。次にどのような挑戦を見せてくれるのか心待ちにしたい。(北村由起)


※1:https://www.chunichi.co.jp/article/433618
※2:『TVガイドPERSON vol.114』
※3:https://www.chunichi.co.jp/article/250709