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永野芽郁が10年後に目指す姿 18歳で経験した朝ドラから学んだ「頑張ることの達成感」

2022年07月05日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

永野芽郁(c)TBS

 永野芽郁主演のTBS系火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』が7月5日よりスタートする。今作は、永野演じる若き女性CEO成川佐奈が立ち上げた教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」を通して、仕事に恋に奮闘しながら、夢に向かって真っすぐ生きる主人公たちの成長を描く“大人の青春”ドラマだ。


【写真】18歳当時の永野芽郁撮り下ろしカット


 今回、主演の永野にインタビュー。撮影が始まっての感想や自身の経験、「夢は大きく」という今後の目標について語ってもらった。


■こういう会社に入れたら面白いな


――台本を読んだときの感想はいかがでしたか?


永野芽郁(以下、永野):本当に個性豊かなキャラクターが集合していますが、共通の目標に向かって年齢も性別も関係なく、みんなで成長していけるというところが面白いと思いました。


――ユニコーン企業のCEO役ということで、知識が必要なことも多いと思います。


永野:ユニコーン企業やIT企業、教育事業といったドラマの基となっている知識が全くなかったので、事前にスタートアップ企業の方々の話を聞いたり、資料をもらって勉強しました。みんなで大きな企業を目指そうということができていて、今までにない感覚で現場を過ごしている気がします。


――スタートアップ企業の方に実際にお話を聞いて、興味を持ったことはありますか?


永野:ドラマだからと脚色した感じがなくて、「本当にこういう会社あるんだ! いいな! 面白い!」ってなりました。それぞれが得意な分野で、自分の才能を伸ばすということに特化し、最終的なジャッジをCEOの方がする。服装も自由で、会社の滞在時間もおおよそは決まっているけど、フレックスタイム制で。こういう会社に入れたら面白いなという企業の方とお会いして、このドラマを作るうえでの自信やモチベーションになりました。


――今作はオリジナル作品ですが監督との話し合いは頻繁に行われているのでしょうか?


永野:監督とはいろいろ相談しながら撮影をしています。それぞれの関係性を見せる上で細かく計算が必要なシーンがあるので、どういう気持ちでこの言動をしたのかというのは監督と意見を交わしながらチーム全体が共通認識を持って撮影ができています。 監督も時間を作ってお話を聞いてくれるし、プロデューサーさんたちもみんなで疑問に思ったことをいつでも言ってくださいと受け入れ態勢でいてくださるので、みんなで作っているドラマという感じがありますね。


■仕事を頑張れる人ってやっぱり素敵


――佐奈を演じるうえで意識している点はありますか?


永野:距離感の詰め方は意識しています。 すごく周りに引っ張ってもらっている女性ではあるけれど、ちゃんと周りのことを見れている人でもありたいと思っているので、ちょっとした変化に気づいているけどあえて言わないときもあるし、杉野さん演じる功だったら言えるなという関係性も大切にしています。


――仕事をバリバリ頑張る佐奈の生き方をどう思いますか?


永野:仕事を頑張れる人って男女問わずやっぱり素敵だと思います。もちろん大変なことも経験しながらだけど、それでも頑張れるというのは素敵だなと思います。


――佐奈の尊敬できる部分はありますか?


永野:佐奈の行動力は尊敬します。もちろん自分の夢を叶えるためにみんな努力をすると思いますが、自分が経験してきたことで誰かを救いたい、そのことによって自分も結果的に救われるみたいなちゃんとしたループを自分で作り、会社を立ち上げ、みんなで成功させるためにどうすればいいか考えるという行動力はすごすぎます。


■IT用語のイントネーションに苦労!?


――現場の雰囲気はいかがですか?


永野:みんなでぎゅっとまとまって、楽しく会話してお芝居する時間と、そうじゃないときはそれぞれやりたいことをやったりと両立されているので居心地の良い現場です。


――ムードメーカーはいらっしゃいますか?


永野:恵実役の青山テルマさんですね。お話が上手で、テルマさんがいると現場が明るくなる気がします。でもお芝居のことになるとすごく真面目に取り組まれていて、そこのギャップにキュンとします。


――西島秀俊さんは一緒にお芝居してみていかがですか?


永野:役に対しての見え方を細かく研究されていて、見習いたいなと思いました。企業の方と勉強会をしたときも、「ずっと作業をしているときに食べるものはありますか?」とかすごくリアルなものを吸収しようとしていて、そうやって細かく自分にないものをアプローチとして自分の中に蓄えるというのはすごいなと思いました。


――杉野遥亮さんはいかがですか?


永野:功は接する相手によって表情が変わる人だから難しい役だと思います。佐奈に見せる顔と佐奈以外に見せる顔が違うんだろうなというのは撮影していても感じています。功と栗木(前原滉)と佐奈の3人で会社を立ち上げているんですけど、そのバランスも絶妙で。栗木がいるから功はクールで俯瞰で見られる。でも栗木も実は功と佐奈のことを俯瞰で見ていて、本当に良いバランスでできている3人だと思います。


――佐奈にとって憧れの存在の羽田早智は広末涼子さんが演じています。


永野:広末さんは本当に明るくて気さくな方です。どれだけ長いセリフがあるシーンでも、「芽郁ちゃんなら大丈夫だよ」って励ましながらやってくださるので心強いですね。私が広末さんに憧れているので、佐奈が早智さんに憧れるのはそのままの関係性でできていて。早智さんが広末さんでよかったです。


――今までの撮影で印象に残っている台詞やシーンはありますか?


永野:佐奈が仕事がうまくいかなくて落ち込んでいるときに、図書館で小鳥さんと再会するシーンは、佐奈としてすごく救われたシーンだったので印象的でした。小鳥さんとの2人のシーンが初めてだったのですが、落ち込んでいるときにスッと入ってきてくれるのが小鳥さんのすごいところで、こっちもあまり構えずに一緒にいられました。


――IT用語がすごく多いですが、台詞で苦労したことは?


永野:イントネーションは苦労しています。台本を覚えているときのイントネーションが、本番で「違う」と指摘されるとすごく焦るんですよ。なので事前に監督に正しいイントネーションを聞いて、それを覚えています。


■朝ドラを18歳で経験できたこと


――プロデューサーの松本(友香)さんが「現代は白馬の王子様を待つよりも、ユニコーンに自ら乗りに行く時代」とコメントしていますが、ご自身的には受け身で待っているタイプか自ら行動を起こすタイプ、どちらですか?


永野:その時々によりますが基本的には自分から何か行動に移した方が早いのでそっちの方が好きなタイプではあります。


――これまで永野さん自身で佐奈のように一歩踏み出した経験があれば教えてください。


永野:芸能界に入ったことです。まだ小学3年生とかだったので、当時はよくわかっていなかったけど、今思い返してみるとすごい挑戦をしたと思います。この仕事をこんなにも続けるとは思っていなかったので、長く続けられていて、ちゃんと好きでいられる仕事にあのときに出会って踏み込めたのは本当に奇跡的なことだと思います。もちろん努力したし、切り開いて進んでいく大変さと大切さを学べたので、良い挑戦の仕方をさせてもらったなと思います。


――芸能界に入ってからだといかがでしょうか?


永野:いろんな葛藤があったのはやっぱり朝ドラ(NHK総合『半分、青い。』)の撮影のときですね。漠然と「すごいものを背負っている気がする」と思っていたし、単純に撮影期間が長くて「え、私本当にこれ10カ月間もやり遂げられる?」って思っていました。今思えば、18歳の10カ月間を朝ドラで鍛えてもらったから、今がより楽しめるようになったし、頑張ることの達成感も感じられるようになり、お仕事として朝ドラを18歳で経験できたことは私の人生の中で大きなターニングポイントになったと思います。


――新しいことをチャレンジする人を応援したいということを謳っていますが、今までご自身が応援されて励みになった経験はありますか?


永野:この作品も今はまだ、どんな反応になるかという楽しみもあり、不安もありますが、観てくれた人から「前向きになった」とか「頑張ろうと思った」とかいろんな感想をもらえると励みになるし、頑張ってよかったな、頑張ろうと思えるので、観てくれた人たちの言葉はいつも自分たちの力になっているなと思います。


――ドリームポニーは10年以内にユニコーン企業となり、世界中の人々が利用できるようなビジネスにすることを目標としていますが、永野さん自身は10年後どうなっていたいですか?


永野:10年後に目指す自分の姿は、すごく穏やかに海の近くで暮らしていたい(笑)。お仕事の面では、夢は大きくなので……10年以内に大河ドラマに出演したいです! 


――最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。


永野:このドラマで、頑張る人たちの背中を押したいというのはもちろんありますが、ドリームポニーという会社で新しいことにチャレンジしていく私たちを見て「頑張る人たちって素敵だな」とか「観ていて楽しいな、面白いな」って思ってもらえるようなドラマになればいいなと思っています。火曜10時は皆さんにテレビの前で楽しんでもらえるように頑張ります!


(取材・文=二瓶花)