isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
危うさを自覚するがゆえに
今週のおひつじ座は、削り合うのではなく、和み合えるような関係を選んでいこうとするような星回り。
『昼寝の子簡単な顔してゐたる』(若杉朋哉)という句のごとし。今のような生きづらい世の中では、少しずつ私たちの顔は歪み、複雑な造形へと変貌し続けているようなところがあります。
おそらく、作者が平明と平凡の紙一重の狭間を攻めることができたのも、そうした実感が大いに関係しているのではないでしょうか。そして、読者は掲句を読むことを通じて、自身の顔がいつの間にか「複雑な顔」になってしまっていることに思い至るはず。
あなたもまた、自分がこれからも顔を突き合わせ、寄り添っていきたいと思えるような「顔」をきちんと選択していくべし。
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有害な仕事との闘い
今週のおうし座は、心を亡くし身体を壊してしまうような生き方に対するアンチテーゼを、日常に組み入れていこうとするような星回り。
かつては自動車産業で隆盛を極めた米国デトロイト市は、2013年に多額の負債を抱えて事実上の財政破綻に陥りました。しかし、そんな街をある夫婦が農業によって変えようとしたのだそうです。
彼らは汚染された土壌を耕し、有機栽培によって農作物を育て、地元のマーケットで流通させることで生計を立てており、暮らしは貧乏ではあるものの、大企業のスーパーへの出荷を彼らがきっぱり断っているのだとか。それは、彼らが実践していたフード・ジャスティスという活動の理念に反していたから。
あなたもまた、いかに希望を捨てずに行動していけるかがテーマになっていくでしょう。
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頭上の夢
今週のふたご座は、おずおずと木を登っていく蝉の幼虫のような星回り。
『暁やうまれて蝉のうすみどり』(篠田悌二郎)という句のごとし。
ようやく殻から外へと抜け出すことのできた蝉は、天を焦がす勢いで鳴きつづけた後、わずか1週間ほどでその短い命を全うするが、それはその誰か何かの思いが天に無事届けられたことの証しなのかも知れない。
あなたもまた、途中でやめることなく新たな生を得るための試みをまっとうしていきたいところ。
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下降運動を二乗する
今週のかに座は、いったんとことん低められることによって、高められていこうとするような星回り。
現代イタリア作家のイタロ・カルヴィーノの短編『柔らかい月』の幻想世界では、月は地球の引力圏で宙づりになり、その表面が溶け出し、地球へと落下して、柔らかな月は「ぱしゃっ!」と降ってくるのだという。
「落下する月」には落ちることによって昇ること、低められることによって高められる宇宙的実体が、やがてたどるだろう軌道線も秘められており、そうした軌道線に同調しようとする働きはわれわれ人間にも宿っているのではないでしょうか。
あなたもまた、そんな柔らかい月の破片を宿した存在のひとりとして振る舞っていくべし。
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生きていればそういうこともある
今週のしし座は、少しコミュニケーションのスケール感を大きくしていくような星回り。
『幽霊とおぼしきものに麦茶出す』(澤田和弥)という句のごとし。
宇宙のカケラは現に今もなお飛んできているのであって、地球上というのはさまざまなものが交錯し交じり合い続けている坩堝のような環境なのだということを考えれば、そうしたものが居間のテーブルにやってきたのを感じとって麦茶を出すくらいはむしろ当然の反応という気もしてきます。
あなたもまた、動物や植物に話しかけるくらいは朝飯前のつもりで過ごしていくべし。
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台所でUFOを
今週のおとめ座は、毎日使っているような生活必需品のなかに未知が帰ってくるような星回り。
それは、既知との遭遇。よく、<未知との遭遇>などと言いますが、認識の在り方からすれば、既知のものと繋がらなければ未知としての意味を持たないわけで、逆に言えば、既知のものというのはすべて未知を孕んでいるということになる。
それで、既知のものが未知のものとして見られ始めると、今度はUFOを見たりオカルトにハマる必要性がなくなっていくんです。
あなたもまた、自分自身を現実に入れておくための「容れ物」を欲していくような傾向がグッと強まっていくでしょう。
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予定調和を免れる
今週のてんびん座は、精神的な純潔を胸に秘めていくような星回り。
『夏みかん酢つぱしいまさら純潔など』(鈴木しづ子)という句のごとし。
27歳のときに婚約者の戦死の報についで母の死を知り、翌年職場の男性と結婚するものの妊娠と堕胎、そして離婚、離京を1年足らずで経験し、その後移住した岐阜で駐留米軍兵と恋に落ち、一緒に暮らすようになった翌年にこの句は書かれています。
おそらく、ここで言う「純潔」とは自分に正直にしか生きられない、どこまでもまっすぐな精神の在りようのことを言っているのでしょう。あなたもまた、年齢や世間からの目など気にすることなく、できる限りみずからの美意識に正直に生きていくべし。
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たましいの古層
今週のさそり座は、隠蔽された怖れと改めて覗き込んでいこうとするような星回り。
どこか“のっぺらぼう”な世界を生きている私たちですが、近代化以前の中世社会というのはその真逆で、夜が明けてから日が沈んで、夜に見る夢の中まで、近代人がなかなか共感できないような怖れに取り囲まれて暮らしていました。
日本人の場合、床の間にあがってはいけないとか、敷居を踏んではいけないとか、中世的・古代的な空間についての意識が古層のところでかろうじて残っていますから、そういう意識とつながることで、世界のいきいきとした輪郭を取り戻していくことができるはず。
あなたもまた、そうした中世的・古代的な意識の古層とおのずから繋がっていくようなところがありそうです。
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道ばたで見た花を
今週のいて座は、「華やか」であるよりも「あはれ」であろうとしていくような星回り。
『向日葵にとりどりの花のあはれかな』(杉本禾人)という句のごとし。
掲句のおもしろさは、王者のごとき向日葵には興味を持たず、その下で「その他」の存在として在らざるを得ない花々が、それでも腐らず健気に、自身の一生をまっとうしようとしているところに目を向けているところでしょう。
あなたもまた、世間的な基準や周囲の評価から絶妙に外れたところに、自身の居場所を見出していくことができるはず。
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地層の形成
今週のやぎ座は、カオスな世の中を生き延びていくための、野性味を取り戻していこうとするような星回り。
香港には正式な許可なく黙認されている屋上建築物が半世紀以上も存在しており、そこに住んでいる低所得層や移民らにとって、屋根の上にさらに屋根を架けることは、生き延びるための手段に他ならないのだと言えます。
『香港ルーフトップ』で日本語版解説を寄せている大山顕は、そうして近代建築の上に原始的な建築が乗っている様子について、「まるで建築史の地層が逆転したような光景」「近代以前の香港の街並みが、下から生えてきた近代のビルによって空中に持ち上げられ保存されているように見えないだろうか」と述べています。
あなたもまた、自身のキャリアやコミュニティの設計にこれくらいの「野性味」を盛り込んでいきたいところです。
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思考停止におさらばする
今週のみずがめ座は、思い切って方向転換する勇気を奮っていこうとするような星回り。
『サルトルを手放すために曝しけり』(岬雪夫)という句のごとし。フランスの哲学者サルトルの著作は、団塊の世代が若者だった時期の日本の学生にとって、まさにバイブル的存在でした。
作者は戦前の生まれですが、やはり青春の形見としていつまでも手放せなかったのでしょう。一般に、書を曝すことを「虫干し」ともいいますが、掲句の場合も、ある種の消化不良や感情的なわだかまり、はたまた過剰な執着などを封じるために、頭のなかの「サルトル」という虫を干そうとしているのだとも言えます。
あなたもまた、何度でも問いの前提を問い直し、探求そのものをリフレッシュさせていくことがテーマとなっていくでしょう。
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呪縛の外へ
今週のうお座は、今一度自分を無能感から救う道筋を探っていこうとするような星回り。
イギリスの批評家マーク・フィッシャーは、現代社会では、ほとんどの人が何らかの意味で負け組であり、したがって、傷ついていない人などまずいないのであり、その理不尽な状況に対して無関心ともシニシズムとも異なる感傷モードに陥ることを「再帰的無能感」と呼んでいました。
社会の開放を目指す政治はつねに「自然秩序(あたりまえ)」という体裁を破壊すべきで、必然で不可避と見せられていたことをただの偶然として明かしていくと同時に、不可能と思われたことを達成可能であると見せなければならない。現時点で現実的と呼ばれるものも、かつては「不可能」と呼ばれていたことをここで思い出してみよう。」 (『資本主義リアリズム』)
あなたもまた、いま自分が「不可能」と思い込んでいることをこそ浮き彫りにしていくことで、“偶然”の脱却の第一歩を模索していきたいところです。
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