やってもいいし、やらなくてもいい。そういう要素がいくつも用意されているゲームが最近多い。
単純にクリアするだけなら、一切触れずに済ませることも出来るイベントや要素。それらが結構な数用意されていて、イースターエッグみたいなちょっとした分かる人だけ分かるお遊びみたいなものも配置されているような、そんなゲーム。オープンワールド系のタイトルには、特にその傾向が見られる。個人的にはオープンワールドは大好きだ。
その一方で、ほとんど一本道のような昔ながらのRPGもまた大好きである。なので、双方どっちも楽しんじゃえばダブルでハッピーじゃんと思うんだけど、意外とこの2つを軸にして言い争う人が多い。(文:松本ミゾレ)
オープンワールドだって本筋は一本道だったりする
先日、5ちゃんねるに「オープンワールドみたいなゲームより古臭いRPGのほうが楽しいのはなんでないやろな」というスレッドが立っていた。「なんでないやろな」というのは誤字で、ホントは「なんでなんやろな」と言いたかったんだろう。
本文では「ワイがおっさんになっただけか?」と書き込んでいるので、オープンワールドは疲れるけど、一本道のRPGは楽しく感じるとか、無理なく遊べるとか、そういうような面持ちなのかもしれない。
僕もオープンワールドのゲームをいくつかやってきた経験はあるし、オープンワールドがいかに面白いかというコラムも書いてきたが、話が長くなるんで今更それをぶり返すのは今回はやめておく。
ただオープンワールドと言っても最終的には全クリする目標はあるし、寄り道をしなければ意外と本筋のストーリー自体は短いもの。それこそ数時間で終盤のストーリーに到達できるタイトルもある。
あくまでもオープンワールド系のゲームって、色々と寄り道して遊べる要素をたっぷり用意しているものが多いって感じかな。今風に言えば、遊び方の多様性がちょっとだけ多いですよ、みたいな。
一方で昔ながらの(具体的にいつの時代のゲームを指すのかスレ主は指摘していないので判然としないが)ゲームは、寄り道しても遊び要素も乏しいとか、容量の問題でそもそもその余地がなかったりする。そういうゲームの方が、取りっぱぐれもなくて、サクサク遊べて楽しいってことを言いたいのかもしれない。
あくまでも勘だけどオープンワールドに対して、「別にやらなくていいことなのに、着手しないといけない要素と思い込んで勝手にしんどくなっている」ような気持ちを抱いちゃってるような気がする。
お互いに面白いと思う要素をアピールしよう
今まで何本か、オープンワールドについての記事をキャリコネで書いてきたが、読者の反応を見ていると、毎回のようにオープンワールド肯定派と否定派が対立している。それこそ配信先のコメント欄とかで一方をアゲて一方をサゲてみたり、SNSで記事を引用してやれ「オープンはダメだ」とか「一本道は飽きる」とか。
このスレッドでも、そういう考え方の押し付けのようなコメントがチラホラ。ちょっと引用してみよう!
「自分で目標を建てられない指示待ち人間だからオープンワールドに放り込まれると迷子になるんや」
「ただその指示に従わなくても最初からさまざまな場所を旅して探索できるのがオープンワールドやん。それで行く先々でまた新たなクエストやイベントが起こる。一本道のJRPGは順番通りに話進めないと次の地域に進めないしクエストも出ない」
「新しいものに適応できなくなっただけやろ」
「オープンワールドRPGって探索の結果良い装備を得て戦力アップって概念が皆無なんだよな。宝箱見つけても大体ゴミみたいな素材や消費アイテム」
オープンワールドのつまらない理由や昔ながらのRPGのダメな部分に関する書き込みが複数あった。
ちなみに、僕個人は「オープンワールドできない人は指示待ち人間だ」という論調が嫌いだ。だってシンプルにこれは失礼過ぎるよね(笑) オープンワールドだって最低限NPCの指示に応じなければ話がすんなり進まないことってあるんだし、「はい」か「いいえ」だけでも話が進む昔ながらのRPGだって無駄がなくてそれでいいじゃないか、と思ってしまう。
そもそもゲームは娯楽。どっちかが優れてて、だからどっちかは劣ってると断言してしまうというような論調は健全じゃない。その文句を言われてるゲームを普通に楽しんでる他のユーザーにも失礼だ。
オープンワールドには色んなやり込み要素があるが、あんなもん無視すればそれで問題ない。別にやらなくていいことを勝手に「これを満たさないと次の街に行けない」と思い込んでしんどくなっている人は、自分がやってるオープンワールドゲーを94年ぐらいにリリースされたスーファミのカセットだと思い込んで遊ぶのはどうだろうか。
しなくていい苦労をわざわざやって辟易するぐらいなら、さっさとメインストーリーだけ追う方が楽しめるんじゃないだろうか。