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King & Princeとなにわ男子、TikTokとの親和性 ショート動画でも生かされる持ち前のリズム感やバラエティ力

2022年06月22日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

King & Prince

 6月15日にKing & Princeが公式TikTokアカウントを開設した。これは6月29日の4thアルバム『Made in』リリースを記念して行われたもので、約1週間経った現在でフォロワー数55万人を突破している。


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 本稿では昨年10月に一足早くTikTokをスタートさせたなにわ男子と、続々と投稿が続くKing & Princeの2組にフォーカス。TikTokならではのチャレンジや、それぞれの投稿から見えてきたキャラクターについて触れてみたい。


 2021年11月12日にシングル『初心LOVE』でデビューしたなにわ男子。かねてからYouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」で活躍し、2021年10月からはグループ単独の公式チャンネルを開設と、デビュー前からも積極的にSNSを活用してきた。


 『初心LOVE』リリース時は、TikTokで同曲を使用した動画を公開し、一般のユーザーからも様々な投稿が寄せられた。メンバー一人ずつがエフェクト「#未来予測機」を使った動画は、元気いっぱいの大橋和也に、「マヨネーズ is 大西流星」とジョークを飛ばした大西流星など、個性豊かなキャラクターがよく伝わった。キュンとなる楽曲も相まって、時間の経過と共にどこかエモさを感じるのも一興。


 また、2ndシングル表題曲「The Answer」を使った「#ふと迷ったときのTheAnswer」では、お題に対して即興でもキレイにまとめた道枝駿佑と長尾謙杜。あざといポーズを決めたのが高橋恭平と西畑大吾。西畑に至ってはポーズを決めたものの、終わりには何とも言えない表情を浮かべていたのには、思わず笑いがこみあげてきた。


 そして、「#謎めいてチェンジ」シリーズでは、さらに面白みが増していた。カッコよくダンスを決めた藤原丈一郎だが、カメラに手をかざすと一転。西畑、大橋が加わり予期せぬ方向へ。直前のクールな世界観から3人による謎めいた時間がスタートする(これはぜひチェックしてほしい!)。「どうしてこうなった」とツッコミや笑いを誘う面白さに加えて、短時間で「ここまで詰め込むか!」というほどに、なにわ男子のサービス精神に溢れたエンターテイナーぶりが垣間見れた。


 一方、King & Princeは、ニューアルバムのリード曲「ichiban」を使ったハッシュタグチャレンジ「#ichiban」を開催中だ。ハッシュタグにはすでに様々なユーザーからダンス動画が寄せられており、ダンスを武器とする彼ららしい盛り上がりを見せている。


 メンバー自身も、YouTubeで公開されているMVとはまた異なる表情でソロダンスを披露。トップバッターは平野紫耀。爽やかかつキュートな笑顔で、軽やかに踊ってみせるのもまた新鮮で、あわせてアップされている凛とした強さを感じる本編MVとのコントラストが面白い。


 このほかアルバム『Made in』から、「恋降る月夜に君想ふ」「踊るように人生を。」「Lovin’ you」「Dream in」といった音源も公開されているとのことで、メンバー全員で登場した投稿では、永瀬廉が「僕たちの楽曲で遊んでみてください」と勧める展開が新鮮だ。


 またゲーム系エフェクトにも「ichiban」の楽曲が使われており、「Tap Runner 100」に挑戦した平野がスマートにやって見せたのに対して、ツッコミのコメントが多数寄せられたのが岸優太である。たくましく見える下アングルでスマホを構え「TapTap Numbers1000」に挑戦。力む表情が見えたのもわずか数秒、画面が左右に激しく揺れ、途中からはもはや人物すら特定できない高速タップをやってのけた。続く髙橋海人も同様に、画面がブレブレのチャレンジとなった。その一方で、“キュン”を誘ったのが神宮寺勇太。それぞれの愛らしいキャラクターと、磨き上げたダンスがよく見える動画に仕上がっているのがなんともKing & Princeらしい。スタート間もないこともあり、これからどんな展開が待っているのか投稿を楽しみに待ちたい。


 さて、Z世代向けメディア「Nom de plume(ノンデプルーム)」が読者を対象に行った2022年上半期トレンド調査(※1)で、2022年上半期に「流行ったコト・モノ」第1位に選ばれたのがTikTokだった。現時点では流行から定番へと変わりつつあるかもしれないが、人それぞれの“好き”が無限に広がりを見せる昨今。ファンを楽しませるだけに留まらず、トレンドを上手に取り入れながら、様々な層に向けたライトなアプローチも必要不可欠な時代といえそうだ。


 King & Princeとなにわ男子はそれぞれYouTubeチャンネルを開設し、新曲のMVをはじめダンスプラクティスにバラエティ企画と、映像コンテンツを見せる場として活用している。そして、それとはまたコンセプトが異なるTikTokならではのポップなノリを踏襲し、ユーモアをミックスして誰もが楽しめるショート動画にも順応。わずかな尺ではあるが、キャッチーな音源をベースに、そうしたライトな感覚にもするりと馴染める勘所の良さは、ジャニーズJr.から培ってきたリズム感やバラエティ力が大いに活かされているのだろう。スマホでサクサクと視聴できるところも魅力の一つであるTikTok。これを機に彼らの存在感が増していくことを願うばかりだ。(柚月裕実)


※1:https://realsound.jp/tech/2022/06/post-1044027.html