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二宮和也『マイファミリー』黒幕の正体に「考察意味ないじゃん」がっかりの声が上がる理由【ネタバレあり】

2022年06月14日 18:10  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

二宮和也が父親役に挑戦することでも話題の日曜劇場『マイファミリー』。平均視聴率は民放トップだった(公式HPより)

 嵐・二宮和也が主演を務め、今年4月期にTBS系「日曜劇場」枠で放送された連続ドラマ『マイファミリー』が、6月12日にフィナーレを迎えた。

 初回世帯平均視聴率12.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で発進後、2ケタ台をキープ。最終回は自己最高となる16.4%を記録し、Twitterでは世界トレンド1位を獲得した。

「考察とか意味ないじゃん」

“ノンストップファミリーエンターテインメント”を掲げた同ドラマの主人公は、ゲーム会社社長・鳴沢温人(二宮)。根は優しいものの、他人に関心を持たない性格と仕事の忙しさから、妻の未知留(多部未華子)との関係が冷えきっていた中、娘の友果(大島美優)が誘拐されてしまうところから物語が始まった。

 ドラマにはそのほか、鳴沢夫妻の友人である弁護士・三輪碧(賀来賢人)や元刑事・東堂樹生(濱田岳)とそれぞれの家族、誘拐事件を捜査する神奈川県警捜査一課の葛城圭史(玉木宏)、日下部七彦(迫田孝也)、吉乃栄太郎(サンドウィッチマン・富澤たけし)などが登場。

 近頃はネット上で考察を楽しめるタイプのドラマが流行しており、ミステリー要素が散りばめられていた『マイファミリー』も、毎週さまざまな展開が繰り広げられる中、警察関係者や温人の職場関係者、近しい人物らにも疑惑の目が向けられ、多くの“真犯人候補”が挙げられてきたが……

 最終回で“黒幕”と判明したのはサンド・富澤が演じた吉乃だった。ネットユーザーの間で怪しまれていた人物はほかにもいたものの、最後の最後で樹生の妻・亜希(珠城りょう)と吉乃の過去の関係など、衝撃の事実が明らかに。

 なお、これまで吉乃が怪しく見えるような伏線はほとんどなかった。最終回で彼を逮捕した葛城も、一連の事件を紐解く重要な鍵となる“タブレット”に吉乃が反応した瞬間(第9話のシーン)で「違和感を覚えた」というセリフを口にしていたくらいである。

 一方、ネット上には当初から「富澤さんが犯人っぽい」との声も少なくなかった。

というのも、制作側が“視聴者の意表を突くような犯人”に、本業が役者ではないキャストを起用するパターンが目立つから。たとえば、同じくTBSの『日曜劇場』で2020年1月期に放送された『テセウスの船』も、怪しい登場人物が複数いた中、黒幕は霜降り明星・せいやが演じた田中正志というキャラクターでした。

 せいやにしても、『マイファミリー』の黒幕役だった富澤にしても、ともに“芸人が犯人役なら意外だから、きっと犯人なのだろう”と予想するネットユーザーはいて、実際その通りなものだから“なんてわかりやすいキャスティング”“考察とか意味ないじゃん”と拍子抜けされてしまうわけです」(テレビ誌ライター)

日テレ作品との違い

 また、19年4月から2クール連続放送された『あなたの番です』(日本テレビ系)は、ドラマ前編のヒロイン・手塚菜奈(原田知世)などを殺害したのは後編のヒロイン・黒島沙和(元乃木坂46・西野七瀬)だったのだが、これもネット上の考察班から「ガッカリ」されていた。

「人気アイドルグループ出身者が悪役を演じることは、サプライズ感があるといえばそうですけど、最初から“重要な役だろう”という予想もつく。しかも、沙和は終盤でいきなり“俊敏に動ける殺人鬼”だったことが判明したため、やっぱり“地道に考察を重ねるだけ無駄だった”との声はありました。

 制作側からすると、ネットユーザーが考察過程で盛り上がり、話題にしてくれることが重要なのかもしれませんが、真剣に考察してきた側からすると、真犯人の設定を“後出し”されると文句を言いたくもなるのでしょう」(同・前)

 とはいえ、現在の“考察系ドラマ”ブームを誘発したのは『あな番』であり、日テレは昨年10月~今年3月までやはり2クール連続の『真犯人フラグ』も放送。ともにネット上では話題を呼んだものの、視聴率的には前者が全話平均9.3%、後者は全話平均7.7%だった。

「一方、TBSが4月から放送した『マイファミリー』は1クールですっきり終わり、全話平均も12.9%と好成績を収めました。『テセウスの船』のほうが全話平均13.4%で高視聴率ですけど、どちらも『日曜劇場』というTBSの看板枠で放送されただけあって、考察要素以前に、ベースとしての“人間ドラマ”がしっかりしていましたね。日テレの2作品と比べても、TBSの2作品は個性的すぎる登場人物に頼っていた感じがないのも好印象です」(芸能プロ関係者)

 なお、『テセウスの船』には原作があったが、『マイファミリー』は脚本家・黒岩勉氏のオリジナル作品だけに、“原作ファンなし”でよく健闘したと言える。

 もちろん、主演の二宮をはじめ、演技力に定評がある出演者が多かったことも、視聴者を惹きつけていただろう。富澤の演技を褒める声もあったので、黒幕役でなければ、批判が寄せられることはなかったかもしれない。